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お給料あがれど物価もあがる〜毎月のお給料の温度計チェック
国はいまの状況を知るために常にいろいろな調査を行なっていますが、そのうちお給料の上がり下がりを毎月確認するいわばお給料の温度計が、厚生労働省が行なっている「毎月勤労統計」です。
その令和5年5月の数字が発表されました。
勤労統計の目玉のひとつは、「名目賃金」と「実質賃金」の比較。
名目賃金は、支払われたお給料の金額そのもの。
実質賃金はそこに物価の値動きを加え、支払われたお給料で実際に物を買える力を現したものです。
要するにお給料の額面がどんどん上がっても(名目賃金)、物価がそれ以上の力で上がっていれば実質賃金はそれほど上がらないということです。
物価の値上がりを受け、最近の数字はどうなっているのでしょう。
ここ何年かの移り変わりからみてみましょう。
たとえばこれは令和2年5月。
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令和3年5月。
このあたりから、名目賃金も実質賃金も上向きになってきています。
ですが名目賃金と実質賃金は同じ動きをしていますね。
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令和4年5月を見ると、名目賃金はほぼプラスで推移してますが、実質賃金はマイナスのほうにふれて分かれています。
これは、お給料の額面は増えているのに、物を買える力は減っているということです。
では、その先、最新値はどうなっているでしょう?
こちらです!
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なんと、お給料の額面(名目賃金)はずっとプラスなのに、物を買う力(実質賃金)は名目賃金とは重ならず、ずっとマイナスです。
今年がこれまでとどれだけ違うか、グラフを見ると明らかですね。
いちばんよいのは、やはり、ある程度までは名目賃金も実質賃金も増えてから、プラスで安定することです。
このデータが今年の最低賃金の審議にどう影響するかなど、気になるところです。