日本の会社制度、人気は退職金、不人気は社長ランチ?〜マイナビ「転職活動における行動特性調査 2024年版」
マイナビから「転職活動における行動特性調査」2024年版の結果が公表されました。
・短期間での転職が増えている
・「早期離職」の「早期」の感覚が短くなってきている
などが読み取れますが、ほかに、伝統的な日本企業への評価や、面白いのは、人事制度を魅力度の高低、伝統的/革新的の4象限で評価した結果などが掲載されています。
調査対象は、直近1年間(2023年6月以降)に、転職および転職活動をした正社員20代~50代1,600名です。
1.短期間での転職が増えている
2021年~2023年と比べると、2024年は在籍1年未満での転職が1.3倍ほど増えています。
なかでも20代は4人に1人が在籍1年未満での転職、半数以上が3年未満で転職しています。
2.「早期離職」の「早期」が3年から1年に
「早期離職」というと、厚生労働省が新規学卒就業者の就職後3年以内の離職率の調査をしていることもあり、「3年」というイメージが強いですが、今回の調査では、8割弱が「早期」を1年以内と回答しています。
3年勤めればもはや短期間ではない、という感覚に変わってきているようです。
3.早期離職は4割が自分のキャリアにプラスと回答
また、早期離職を「勤め続けられない」とマイナスにとらえている人よりも、自分のキャリアにプラスだと回答している人が4割いることもわかりました。
「自分に合う職場・仕事をみつける」ことに繋がると回答しているのが5割以上いることを見ると、転職後、1年間程度で様子をみて、合わないと思ったらそこで見切りをつけている人がかなりの数いるようです。
ただし、「早期離職」は世間一般から見るとマイナスだろうと思っている人も5割以上います。
自分にとってはプラスだが、周囲の目はマイナス、その相反した状況で、早期離職が増えているのは、周囲より自分に重きを置く人が増えているのかもしれません。
4.日本型企業は「どちらかといえば就業先に選びたい」という人が多い
早期離職がポジティブに評価され、広がっているからといって、日本型企業を否定しているわけではないところが面白いところです。
「日本型企業」をどう定義して尋ねたかということは、問の文章が公開されていないためはっきりとはわかりませんが、記事によると年功序列・終身雇用というワードが出てきています。
「転職活動においてこだわった点」では、「転職先企業に将来性・安定性があること」が8割以上となっています。
「安定性」を求める気持ちが、日本型企業への評価へもつながっていそうです。
5.人事制度、週休3日制が革新的・魅力的のトップ、社員旅行や社長ランチは魅力度低
社員の本音がわかって面白いのが、こちら。
魅力度の高低、伝統的/革新的の4象限であらわした、各種人事施策の印象です。
もっとも、魅力度高&伝統的な制度は、退職金制度。
もっとも、魅力度高&革新的な制度は、週休3日制。
もっとも、魅力度低&伝統的は、社員旅行・レクリエーション。
もっとも、魅力度低&革新的は、社長ランチ・ランチミーティング。
という結果です。
魅力度が高い制度が、革新的なものに偏っていることもみてとれます。
どんな制度を社員は望んでいるのか、わかりやすく見て取れる資料となっています。
とはいえ、社員旅行も、プラン作成を若手に任せ上層部は口出ししなかったところ、一転して高評価になったという事例も聞きます。
「社員旅行は不人気だからだめ」
「1on1は高評価だからやる」
など、どういう社員旅行なのか、どういう1on1なのかという具体的な内容をよそに、表面だけで判断することにならないよう、注意したいものです。