子育て世代の「働きながら子育て」をサポート~短時間勤務に雇用保険から給付金!
育児で短時間勤務をする場合は、フルタイムより勤務時間を少なくしたぶんお給料が少なくなるのが一般的。
ですが、その部分を助けてくれる制度が、国で検討されているようです。
1.雇用保険の目的
雇用保険は、加入者(週20時間以上はたらく人など)は、毎月のお給料からお給料総額の0.5%が天引きされている制度です。
雇用保険の目的は、雇用保険法第一条で以下のように決められています。
第一条 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。
労働者が失業した場合:失業給付
労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合:高年齢雇用継続給付、介護保険給付
労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合:教育訓練給付
労働者が子を養育するための休業をした場合:育児休業給付
上の4つのケースについて、雇用保険は加入者と会社から集めたお金をつかって、必要なサポートをしてくれるということです。
2.どんな給付になる?
今回の「短時間勤務する人への給付金」は、目的のうち「労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合」に当てはまります。
「できれば仕事と育児を両立したいけど、お給料がそんなに下がってしまうならいっそのこと育児に専念しよう」という人は、この制度があることで退職を思いとどまるかもしれません。
また、「できれば育児のためにもっと時間を割きたいけど、お給料が下がると生活できない。やむを得ずフルタイムで働いている」という人もいるかもしれません。
そういう人には何よりの子育て支援になります。
本来ならば、会社が、働いた時間に応じてお給料を減らさなければいい話ではあります。
ですが、働かない時間も保障するほどの体力がない会社も多いですし、かりに短時間勤務でも通常ぶんと同じお給料を払うとなると、普通に働いている人との調整も難しくなります。
そこで雇用保険がヘルプをする、というのは理にかなっているように思います。
制度としては育児休業明けの人が対象になるようですので、休業前のお給料と比べてこのくらい下がったらこのくらいの給付金を出す、という高年齢雇用継続給付と同じような仕組みになるのではと思います。
3、おわりに
私自身、フルタイムで仕事しながらふたりの娘を育てました。
仕事をしながら育児したことは、いまでも正解だったと思っています。
「息ぬき」なんていい方は誤解を招くかもしれませんが、仕事の息ぬきが育児、育児の息抜きが仕事、という感じで、どちらも思い切り大好きで満喫できました。
「子どもとの時間を大切にしたい」と「仕事もしっかりやりたい」を両立する。
そんな人がもっともっと増える制度になればいいなと思います。