えるぼし・くるみんが女性の勤続と女性管理職比率に効く〜女性活躍に関する調査2023
「くるみん」「えるぼし」と言われて、なにそれ?という方もいるかもしれません。
ピンとくるかたは、会社の人事担当か、育児に感度の高いかたではないでしょうか。
今回、このふたつの認定マークの取得が、女性の勤続年数や管理職比率に大きく関係していることがわかる調査結果が公表されました。
ソースは厚生労働省のこちらのレポートです。
1.くるみん、えるぼしって何?
くるみんはこんなマークです。
こちらは見たことがある!という方もいるのでは。
おくるみにくるまっている赤ちゃんのイメージからわかるように、子育て応援しています!を伝えるマークです。
子育て支援策とその実績が国にみとめられれば、そのランクに応じて取得できます。
取得できれば、ホームページはもちろん、名刺に印刷できたりもします。
さりげなく、「子育てを応援している会社です」ということが伝えられるというわけです。
いっぽう、「えるぼし」のほうは、女性の活躍を支援してます!を伝えるマークです。
「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多彩なキャリアコース」が、一定の水準に達していれば認められます。
こちらにもプラチナが。
2.くるみんとえるぼし、どのくらい知られてる?
このふたつのマーク、認知度はくるみんのほうが高いようです。
「くるみん」をよく知らないのは、30~99人規模の会社で高く、約4割。
2018年と2023年を比べても、この4年あまり変わりはありません。
いっぽう、「えるぼし」のほうは、「マークの存在を知らない」が、30~99人規模の会社で2018年はなんと約80%。
2023年はだいぶ知られてきていますが、それでも65%です。
全般的に、やはり大企業のほうが知っている人が多いこと、くるみんは比較的知られていること、また、えるぼしの認知度はこの4年であがっていることがわかります。
くるみんの認知度の高さは、人の顔のデザインであること、子育てという支援に賛成する人が多いことも理由でしょう。
いっぽう、女性の活躍を支援する必要性については、「なんで?」という人もいるかもしれません。
多様性のある組織の強さや、これまでの不均衡の解消についての理解は、まだまだ子育て支援ほど一般的ではないように思います。
3.どちらも、が大事
ですが、どちらも大事であることが、次の結果からわかります。
勤続年数、女性管理職比率両方において、ほぼ、両方のマークがないよりも片方でもあるほうが、そして片方よりも両方あるほうが、勤続年数ものび、女性管理職も増えています。
もちろん、マークそのものにそういった効果をもたらす力があるわけではありません。
マークを取得するために目標数値を設定したり、そのための取り組みをすすめたり、そういったことが効いていると見るべきです。
女性管理職比率は、人的資本を開示する会社にとっては非常に重要な数値ですが、小規模な会社にはまだまだぴんとくるものではないかもしれません。
小規模であればこそ、ひとりでも増えたら比率は一気に改善するわけですから、あまりあてにならないと思われるのももっともです。
ですが、勤続年数が長くなることは、この人手不足の時代、おさえておきたいポイントです。
手をつけるポイントがわかりやすく、マークまでとれてアピールに使える。
これからの時代、くるみんもえるぼしも、持っている会社でないと選ばれないようなものになるかもしれません。