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【本】柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ』

「世界一簡単な「考える力」を身につける本」
と帯にあるとおり、すぐに試して効果が出せそうなTipsがつまった本でした。

行間もゆったりで、さくさく読めるのが嬉しい。
読み終わった時、試してみたいことがいくつか見つかるのではないでしょうか。

「考える」基本は、広げることと深めること、といいます。
それぞれを実施するための方法を、本書ではそれぞれ6通りずつ紹介してくれています。

考えを広げる方法1/6 「かけあわせ法」
考えを広げる方法2/6 「数珠つなぎ連想法」
考えを広げる方法3/6 「ずらす法」
考えを広げる方法4/6 「脱2択」
考えを広げる方法5/6 「まとめる法」
考えを広げる方法6/6 「あったらいいな」
考えを深める方法1/6 「360度分解法」
考えを深める方法2/6 「ポジティブ価値化」
考えを深める方法3/6 「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」
考えを深める方法3/6 「すごろく法」
考えを深める方法5/6 「正体探し」
考えを深める方法6/6 「キャッチコピー法」

私には、このうち「広げる」1の「かけあわせ法」、「深める」6の「キャッチコピー法」がピンときました。

考えを広げるかけ合わせ法

「かけあわせ」は、課題を中心におき、いろいろなものと掛け合わせてみることです。

たとえば、離職者を減らす、「脱離職」がテーマだとしたら、
「脱離職」✕ランチ
「脱離職」✕休暇
「脱離職」✕表彰
「脱離職」✕プレゼント・・・
など。

私は「営業」が課題なので、「営業」の「かけあわせ」で考えてみました。
生成AIののClaudeにも手伝ってもらい、こんなアイデアが出ました。

「営業」✕ゲーム
 ・1回話を聞いていただけたら1ポイント、ポイントがたまったらサービスを受けられる、など。
「営業」✕コーヒー
 ・ドリップバッグのコーヒーを名刺代わりに配る
「営業」✕四季
 ・季節の移り変わりにあわせてアプローチを変える
「営業」✕「料理」
 ・商品の組み合わせを「コース料理」のように提案
 ・お客様の「ニーズ」を「味覚」ととらえカスタマイズ提案
「営業」✕「旅行」
 ・カスタマージャーニーマップの作成
 ・「観光ガイド」のように商品の魅力を紹介
 ・「思い出作り」として印象に残る商談を設計

考えを深めるキャッチコピー法

つぎは、考えを深める「キャッチコピー法」です。
「キャッチコピー法」とは、課題について、以下のようなキャッチーなフレーズを用いて、考えを深める方法です。

◯◯なのに◯◯、◯育、◯活、◯◯プレイバック、大人の◯◯、◯◯チャージ、最速で◯◯、◯◯の嵐、◯◯ヒーリング、鬼速◯◯、超速◯◯、3大◯◯、脱◯◯、◯◯専用、◯◯チェンジ、◯◯ハラスメント

こちらも、営業について考えてみました。
「相手のことを考えているのに、自分のことも考えている。それが営業育。」
「数字を追っているようで、心を追っている。」
「話すのが苦手なのに、聞くのが得意。営業プレイバック。」
「心の余白チャージ。」
「最速で、ゆっくり。」
「気づきの嵐。」
「脱、押し売り。」
「信頼専用レシピ。」
「価値チェンジ。商品を売るんじゃない、未来を売る。」

「価値チェンジ。商品を売るんじゃない、未来を売る。」は、なかなかキャッチーなのではと思います。
これをうまく活用するには、言葉をストックしてキャッチコピー力をみがく必要があります。

本書では、こういったツールを効果的に使うためのトレーニング方法についても記してくれています。

トレーニングにはこんな方法が

・打ち合わせで他者の意見を聴いた後で、そのテーマについて自分と向き合う時間をつくる=自分会議。考える時間をスケジュールにいれること。
・考えたことやいいなと思った言葉を貯める=思考貯金
・いい人視点は「考えない」ことと同義になることもあると心得て、疑う、つっこむ。
・レストラン、店員さんのサービス、メニュー、内装外装、料理
スーパー ネーミング、陳列方法などから、考える練習=シコ練する。

考える力を育てる方程式は、
考える技術✕考える時間✕行動=結果。

楽しんで、リラックスしてやることが大事、というエールも送ってくれています。

効果的に使えてこその「考える力」。
楽しんでリラックスして読めるこの本は、その力を鍛えるのに、大いなる味方になってくれそうです。

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