「運転者 未来を変える過去からの使者」喜多川泰 著~オススメの一冊
報われない努力なんてない。
運に良いも悪いもない。
運というのは貯めるか使うかしかない。
文中の文言とは少し違いますが、このような言葉が何度も登場します
さて、筋書は
一人の保険営業マンが大量の解約をくらって、もう辞めようかと思っているときに、一台のタクシーが目の前に止まります。
乗ってみると、運転している若い男は「運を転じる者」という意味で運転手だといいます。人生の転機となる場所へ客を運ぶのだと。
タクシーが到着したのは娘の学校です。担任教師との面談のために急いで学校へやってきたのでした。先に到着した妻がすでに担任と話ています。結局、担任教師は電話でも済むような話をして面談を終了させました。腹が立って早々に退出してしまった。
次にタクシーに乗ったときに、なんてもったいないことをしたんですかと言われます。あのとき、上機嫌でいれば担任教師から保険契約を取れたし、さらに同僚や転勤先の同僚からも保険とれたんですよ、と。
運が転がるってそういうこと?
てっきり怒っていた妻と和解できた…という展開かと思っていたら、仕事がうまくいくという話なのかなと、読んでいる私はちょっと残念な思いをします。でも、わらしべ長者的な話なら気軽に読めて面白いかも知れないと思って、読み進めました。
でもこれは、大事なことは仕事が上手くいくとかの個別の事柄ではない…という、後々への布石でした。
その後数回タクシーに乗ることになります。主人公はそのたびに新しい発見をしていきます。
過去から未来へ話は流れるように淀みなくすすみ、
「運」と「努力」と「プラス思考」と「上機嫌」この4語がキーワードとなっています。
運は良くも悪くもどうすることもできないと、私は考えます。だから運を溜めるとか使うとか言われてもピンときませんでしたね。でも物語としてはよくわかりました。
「報われない努力はない」いつか必ず報われるということのようです。でも、私は努力は努力した時点ですでに報われているような気がするんですよね。努力したことで、結果がどうであれいいんじゃないか…と。
究極のプラス思考といえるかもしれません(笑)。
最後の「上機嫌」、これが私に欠けていることでした。上機嫌のフリはできるのですがね。いつも上機嫌でいたいなって心から思いました。「機嫌が悪いだけで運が逃げていく」そのように書かれています。
運を信じるかどうかは別として、この言葉はそのまま真実だなと思います。不機嫌に良いことはありませんから。この作品で一番納得のいった一言でした。
息つく暇もないくらい先へ先へと読まされて、
予想を裏切られ、予想を上回る結末に感動します。
いいものを読んだという感謝でいっぱいです。
kindle unlimitedでおすすめとして表示されたので、購入しました。月会費約1,000円で読み放題。著者さんには0.5円/ページの収入がはいるみたいなので、約200ページで100円ですね。単行本の印税くらいになりますね。
読む方は読み放題、著者も収入あり、なんてすばらしいシステムでしょう!!
おすすめの一冊です。