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2022年3月前半読書の記録

3/1㈫ 朝ウォーキング。午前中は古本屋仲間の車に載せてもらって丸善の補充とランチ、その後は所属してる市会の市場へ。昨日に引き続き大前粟生さんの新刊『きみだからさびしい』読む。こんなきゅんきゅんは久しぶりでは……やばい、よすぎる……ずっと読んでたい……。

3/2㈬ 朝からバタバタ。お店はスタッフが入ってくれていて助かる。一度いろんな用事を済ませるために店に寄ったらタイミングよくお持ち込みの査定。雪岱に川瀬巴水に写真集とうれしい本が多い。丸善でだいぶなくなってしまった澁澤の文庫も。みなさまにいつも感謝。。
夜ははなさんの塾がないので一日早いけどひな祭りのちらし寿司と最近はまってる蟹のお味噌汁。お雛様今年も飾れなかったなあ。遠い目。。

3/3㈭ 朝、ウォーキングから帰ってきたら病院から心配な電話がありそわそわして無理矢理倉庫整理と洗濯。何も考えなくて済む作業はいい。そうこうしてたらタイミングよくかかってきた電話で少し話して弱気になりこっそり泣いてしまう。大丈夫だろうか。『きみだからさびしい』はいよいよ核心へ。こんな恋愛小説を待ってた……!

3/4㈮ 朝からはなさんの病院二件に丸善の補充。疲れ果てお昼は二人ではなさんおすすめのやよい軒。わたしは初めて食べた。
その後それぞれ学校と店へ。通販発送と、こないだの市場の落札品を整理する。今月の「眠る」がテーマのイベントはホテルでの開催なので、仕入れたばかりの古い外国の地図や星の地図を売りたい。その他春以降の古本市についても昨日から古本仲間と電話でやりとり。みんなだんだん歳も取ってきてるからか(いや、把握できないのたぶんわたしだけ……)スケジュール何回も確認し合っててちょっとウケる。
丸善の古本市、この3日くらい『夢野久作全集』全揃にボーヴォワール『第二の性』全揃、ジョイス『ユリシーズ』全揃と全揃続きのなかなかしっかりした本が旅立っている。買取で惚れ惚れするような蔵書に出会うと、しっかりした本をしっかり売ることも古本屋の大事な仕事の一つなんだなと思う。古本は安さも大事な要素だけど、ある程度自店なりの基準を保った仕入れはそれだけでは続かず、しっかり値段をつけてる専門店があるから安売りの店や大型古本チェーンも成り立ち、もちろんそれ以前にしっかりと専門書を扱う大型の新刊書店が街にあるから膨大な蔵書が作られる。ぜんぶ繋がっているし、それらすべて、無くなったら終わりなのである。と、思う。わたしも日々勉強。がんばりたい。それとあとは、何が出るか分からない、掘り出す面白さとのバランスも超大事……などとぼんやり考えながら入荷した泉鏡花や小山清を読む。
ウクライナへのロシア侵攻は酷さが増すばかり。それがありならもうなんでもありやんか。。

3/5㈯ 『きみだからさびしい』で恋愛の気分が盛り上がり、もう何度も見てる映画「悪人」を見る。この映画の田舎描写が田舎育ちとしては刺さりすぎる。あの序盤だけでその後のすべてが説明できると思う。妻夫木くんはイカれた役と汚れた役とワイスピの爽やかが最高。
店は暇で、ある程度値付けを終えたら全揃で入荷したよしながふみ『大奥』を読む。これがまた……最高。。『きみだからさびしい』もそうだけど、1から10まで説明できることってそんなに大事なんだろうかと思ってしまう。たとえば読書ひとつにしてもここがこう役立つ、ここがこうヒントになる、そんなことってそんなに必要なのかな(インスタ界にはそんな感じの読書案内が多いけど)。わたしは矛盾してる自分が好きだし、矛盾を理解できないことはなんだかとてもさみしい。むしろ、矛盾に触れたくて本を読む。
今日も丸善はよく売れ、よい買取りもあった。週に何回もご自身で車を運転して来てくれてたのにこのところずっとお見かけせず心配していた高齢のお客さんも来てくれて(そして3回レジをした)ほっとした。感謝。

3/6㈰ 早起きして、大前粟生さん『きみだからさびしい』読了。ポリアモリーがテーマの恋愛小説。すごくよかった。読めてよかった。目まぐるしく価値観が刷新される時代に、戸惑う人も多いと思う。でもそれは、普遍性が見出した可能性と希望。当たり前だけど、何も狭めない。この本で救われ、解放される人はたくさんいると思う。個人的に、わたしの中の恋愛小説第一位に躍り出た!

午前中は久しぶりにあう友だち三人でラインベック。出会った頃は三人とも子育て真っ最中で毎日のようにランチしてたけど、今はそれぞれ仕事に邁進していてなかなか会えなくて、でも会えてない間も同じ年月子育てしてるのがなんだか不思議で楽しい。午後は丸善の当番へ。荒天の中、古本市最終日。丸善のスタッフさんたちいい方ばかりでずっとおしゃべりしてた。わたしは今日で終わりで、みんなは引き続き場所&一部メンバー入れ替えて折り返し。付き合いが長すぎて売れてる売れてないいちいち言わないのが好きだし、苦手な謙遜や褒め合いもない。安心のメンバーだなあ。みなさんの協力で、搬出はあっという間に終了。

少しずつ読んでるクアトロ・ラガッツィ、夢中になってたらなんとこんな記事!
天草で宣教師アルメイダの墓を探すプロジェクトが始まったらしい。クアトロ・ラガッツィ序盤はまさにアルメイダの物語。やっぱり庶民のための病院や孤児院を作った宣教師たちの尽力は土壌になって今も受け継がれていたんだ。なんだかうれしい。

3/7㈪ 朝ウォーキングからの朝読書。気分が盛り上がったままクアトロ・ラガッツィ。まだ見てなかった映画「沈黙」も見よう、とNetflixのマイリストへ。
即売会の片付けはとりあえず昨日のうちに一段落して、今日もお店はスタッフが開けてくれてるのでとても心が楽。今月末から梅田のメンズ館5階イベントスペースで新たな試みに参加するので(超高級なメンズ服のフロア)その下準備をしてもらう。わたしは市場に子どもの病院にバタバタの一日。なんと次は京都で一番大きな病院に行くことになってしまった。
よしながふみさん『大奥』面白すぎて頭の中の独り言が武士調に。10年以上前にスタートした漫画でこのジェンダー観、素晴らしすぎるのでは。徳川の治世を繋ぐ使命もないのに現代で結婚する意味とは……みたいな気持ちにもなるけど、意味とかそういう一面だけの感想では何にも到達できず、しかしただただよしながふみさん天才……となっている。江戸末期の複雑な歴史もとてもよく理解できた。これもう、男女が逆転してないと徳川幕府説明できなくない?みたいな。素晴らしい。。あとよしながふみさんは、絵がほんとにかっこいい。。

3/8㈫ 朝ウォーキングからの朝読書、『大奥』全19巻読了。もう最後、号泣。まさかこの、男の代わり、でしかないと思われていた歴代将軍の物語が壮大なシスターフッドに行き着くなんて!連載スタートから考えられてたラストなんだろうか?あまりに令和ではないか?天才すぎる。しかもラストのお梅……!希望……!泣
『大奥』は去年、日本SF大賞も受賞しているらしい。男女逆転の設定はもちろんだけど、若い男だけがかかる死の疫病に関するドラマが(ワクチン開発含め)まるでこのコロナ禍を見ているようでもある。どの将軍もどの大奥総取締もよくて選び難いけど、やっぱり最後の家茂と和宮様、そして元蔭間で優秀な老中の間部に見出された大奥総取締、瀧山の物語が圧巻。。今日は国際女性デー。いい日に、ぴったりの本が読めた。

3/9㈬ 朝ウォーキング。昨日の市場で初の和本が落札できていた。明治時代のもの。初の和本が郷土玩具関係からのスタートというのがとてもマヤルカのルートでいいと思う。今日は買取続きでありがたい。しかしロシアの侵攻が始まってからめっきりお客さんが少ないような気がする。古い世界の地図にアイロンをかけながら、古本屋は本当に、平和ありきの商売だなと思う。

寅さんみたいな親戚についてのツイートが若干バズり気味(若干。。普段のわたしのツイートよりは……)。古本のことは一切話題にならないけど。。

3/10㈭ 朝から京都で一番大きな病院へ。こんなに待つとは思わなかった……ていうほど待たされたけど、そわそわして読書は一向に進まず。そうだろうなあとは思ってたけど、出先でかばんに本がないと不安な病なのでいちおういつもなんらか持っている。
やはりしばらく大きな病院(医療ドラマみたいに立派!)に通うことになりそう。しかし普通は専門の医者でもなかなか発見できない症状だそうで「ここにたどり着いた小児科の先生すごいですね、いい先生ですね」と言っていた。そう、腕も人柄もすごくよくてほんとにいい先生なんです。あの日、絶望的な気持ちでネット検索しまくって、いくつかの病院には断られて弱気になって、でもここは翌日にすぐに予約がとれてしっかり診察してくれて(診察のファーストコンタクトから、むむ、この方は違う!て感じだった)、ほんとに救われるようだった自分に「もう大丈夫だよ」と言ってあげたい。近くで励ましてくれた友人、支援の手を差し伸べてくれた方にも感謝の気持ちでいっぱい(子の前では強気でしゃんとしてたい)。今後のことを考えると不安もあるけど、しんどさの原因が分かってはなさんもだいぶ気が楽になったみたいで元気でよかった。そしてそう思うと、断られた何軒かの病院は「うちではない」というプロの判断だったんだなと思い、断ることの大切さについても思う。
最近、面識のない方からのイベント出店や選書イベントの依頼メールで、今回はスケジュールの都合でお受けできませんが今後ともどうぞよろしくお願いいたしますみたいに返すともうそこで一切なんの返信もないことが多く、なんとか自分の活動に意味を持たせながらがんばる自営業を利用し殴りつける感じだなあ、ととても心折れていた。そのほとんどが直近のイベントだし忙しいとは思うんだけど、誰でもよかったのか、という確認、みたいな。だけどそんなことでいちいち心を折らず、プロなら引き受けられるかどうかはこちらが判断することだったんだ。
結局診察検査すべて終わったのは2時過ぎで、疲れ果てどうしようか悩んだけどお昼に昨日作ったスパイスカレーを食べて自転車で店に向かい四時前に店を開ける。と、均一のワゴン出してるときからお客さん来てくれて、2時間強の営業時間でオキーフ画集などみなさんしっかりたくさんお買い物してくれた。ありがとうございます。泣
最後SNSに雪岱図録の入荷お知らせをして、すぐに常連さんからお問い合わせいただく。店を出る直前に、オンラインで菅木志雄図録が旅立ち営業終了。本当に、お客さんがいてくれるから成り立つわたし(と子ども)の生活。。
寝る前にNetflixで「沈黙 サイレンス」を途中まで。クアトロ・ラガッツィの行き着く先がこの迫害とは……知ってたけど、辛すぎて最後まで見れるだろうか。遠藤周作の著書の中では『わたしが・棄てた・女』が一番好きで、遠藤周作とキリスト教は切っても切り離せない。読んでいると「こんな性根で生きていてごめんなさい……あの人もあの人も結果棄てることになりごめんなさい……」と過去を懺悔する気持ちになるところがいい。

3/11㈮ 突然あったかい!雪岱にウルフなど、よい本が旅立ちうれしい。3時過ぎから店番代わってもらい、お店のお客さんがやってるお洋服の展示会へ。楽しかった〜〜美味しいコーヒーいただきながらお洋服選んでおしゃべりしてすっかり長居してしまった。わたしたぶん、同性とのおしゃべりに飢えている。気候もよいし、ようやく古本市からの気持ちが切り替えられそう。あったかいので夜は歩いて家の近くの銭湯へ。メロンサワー飲みながらマッサージ機。足裏めちゃくちゃ痛かった……。小さなことだけど、久しぶりに動き出した感じ。やはり寒いとストーブの前から動こうという気が起きないですよね。。
東日本大震災から11年。実家も未だ傾いている。

3/12㈯ 周りの古本屋さんがみんなやってるアマゾンでの古本販売をわたしもやってみようと思い店番しながら試行錯誤。。が、まったく意味が分からず一日かかってなんにもできず。。サポートにも何度も連絡してすべて試したけど埒が明かず。ほんとにこういうことが向いてなくて哀しい。。昨日は春になって動き出した気がしたけどもう意気消沈。。とりあえずアマゾンは一旦諦める。たぶん、一旦……。でも買い物する側としては、あの現行品すら定価がよく分からない仕様は最低だと思う。なんであんなやり方するんだろう。非対面のオンラインでの買い物も人と人とのやりとり、という信頼ありきの大前提が無価値化されてしまった。もうその影響は、今やアマゾンだけにとどまらず。
遊びに来てくれたお友だちが探してた本がたまたま数日前に入ってきたばかりの本でよかったな。店売りの古本屋はそんなときうれしいなと思うけど、わたしのような時代についていけない古本屋は今後駆逐されて行くんじゃないか。泣
一日画面見てたら孤独な気持ちになり、最近は毎日時間がなさすぎて誰かと会って話すこともなく仕事も古本以外のことをする余裕がなくて、今日もとても興味のある活動に誘ってもらったけど全力で関われる時間的な自信がなく断ってしまい(でもとってもあったかいメールのやり取りして救われた……)、今は定期的な展示だけでなく(これまでしていたもの、年数回はしたい!)丁寧な対応がしきれないのでZINEの受け入れもやめようかとも思い始めていて、こんなことで大丈夫なんだろうか……もうすぐ「四十にして惑はず」の40なのに(孔子)。ぜんぜん不惑じゃない。惑ってばかり。ていうか今までそれほど惑わずに来たのにここに来てものすごく惑いだしてる気がする。逆に今までは目の前のことだけをただひたすらこなしてきて、今やっと周りを見る余裕ができてきたと見るべきなのか?でもよく考えたら、人生50年の40と人生100年の40は違うはず。。
なんてことを孤独に孤独に考えながら、途中までになっていた「沈黙 サイレンス」最後まで。マーティン・スコセッシ。この清貧な映画をウルフ・オブ・ウォールストリートの直後に撮ったというのが面白い。ものすごーく長いし最初から最後まで悲惨で賛否両論ありそうだけど、日本の切支丹、宣教師、それぞれの頑なさに既視感のようなものがありそれはそのまま日本とヨーロッパそれぞれ独自の文化であり純粋さであり頑なさだなと思い、弾圧を加える側のイッセー尾形の怖ろしさもすばらしく、個人の物語というよりも、大きな物語としてとてもよかった。アダム・ドライバーは、立っているだけ、画面の端に映っているだけでそのどうしても目立ってしまう存在感が当時の日本で暮らした異国の方の違和感や戸惑いそのものという感じがしてまたよかった。主人公の宣教師ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド、独白の声がいい)は、前半見終えたときのわたしの感想と同じく「フランシスコ(たぶんザビエル)の栄光の先にこれ?!」みたいなことを終盤で言っていた。クアトロ・ラガッツィがあまりに華々しくて。。沈黙とは神の沈黙のこと。信仰のありかたについてはあまり詳しくなく正直なんとも言えない。だけど残酷さと崇高さ、救いのなさと圧倒的な自然の強さ(スコセッシは日本の八百万の神を意識したのかも)、明と暗の対比がすばらしく美しく、オールロケをしたという台湾への渇望が……はやくまた行きたい。何度も行った台中の山が恋しいし、台湾の海も見てみたい。意外と行ったことのない長崎にも行ってみたいな。

3/13㈰ にわのはなはじめてひらく(七十二候風に)。たぶんチューリップの原種。今年は球根を昨年の倍の200個植えたので植えるだけで必死で名前分からず。でもこれから続々花開くと思うと楽しみ。

樺太のことが知りたくて、梯久美子さんの『サガレン』を読む。ウクライナとロシア、一体どうなるんだろう。しかもニュース見てたら、いまふつうにパラリンピックやっててびっくりした。でも、びっくりはしたけど、わたしだって普通に暮らしてる。
やる気がぜんぜん出なくて坂田さんのレモンパイとチェリーパイ(はなさんの大好物)食べたりしてごろごろ。夜ごはんは中華、お店はアルバイトさん。でも別件で同業者に電話したら、このあと夏まで休みないし今くらいいいんちゃうか、と言われ確かに、となり心ゆくまでごろごろした。Twitter見てたら周りのお店はみんな忙しそうだったけど、マヤルカは暇そうでした。友人たちと、ごはん作るの飽きたねとメールし合う。ものすごくあったかい一日だったけど、夜中に大雨。しかも土砂降りで雷。

3/14㈪ ウォーキングやすみ。朝から大阪の市場へ今月もお手伝い。毎回物量がすごいので勉強になる。大先輩より、昔修行されていた老舗の古書店で作っていたというある分野に関する目録を、資料として他にはなく参考になるからといただく。本当に膨大で、目録なのでもちろんすべて価格も書いてあり勉強になりすぎる。先日落札した和本もばーんと掲載されていた。手渡してくれるときの「この目録はまだ発行部数も少ないときのやから」みたいな一言とか、そういう言葉の端々までぜんぶが貴重。まだまだまだまだ先は長い。

おいしいおいしい中村屋のコロッケ、わたしの次の次のひとで売り切れ。やった。往復の電車読書は引き続きサガレン。ロシアとの国境付近の時代を超えた緊張感。梯久美子さんは目と、その目で見たものへの向き合い方がほんとにすばらしいなあと著書を読むといつも思う。ついつい手に取ってしまうノンフィクション作家はみんなその向き合い方が好きというか、信頼して読めるので安心して没入できる。
今日も一日あったかく、夜中に大雨。

3/15㈫ 卒業式のため、はなさんお休み。先日の検査結果が出たので朝から病院へ。結局、まだ14歳なので手術はせず、しばらく(大人になるまで)定期的に検査をして様子を見ることに。場所が場所だけにものすごーく難しい手術だそうで命に別状はないから今はまだそのままでいいのではという判断。わたしはほっとしたけど、はなさんは手術してすっきりしたいみたい。でも手術のシュミレーション聞いてたら怖すぎて無理……。
市場は今日も、和本など落札できていた。うれしい。店が暇な間に新たな分野を勉強したい。お客さんが戻ってきてくれる前提だけど。。
今日も待ち時間はサガレンを読む。樺太寝台列車の旅。ギリヤークなど樺太の先住民族についても読みながらネットで少し調べる。寝台列車はわたしも昔、今はもう休止中の「あけぼの」に乗ったことがありとてもよかった。あの旅情はたまらない。消灯前に手作りの秋田名物バター餅を持った女性とお話して、娘さんの結婚相手にあげるという大きな箱いっぱいのふわふわでやさしい黄色のバター餅をおすそわけいただいたりなどした思い出。海外の電車の旅も、忘れられない思い出がたくさんあるなあ。ヨーロッパに向かう飛行機の中で、高速鉄道タリスで起きたテロ事件を当事者が演じてクリント・イーストウッドが映画化した「15時17分、パリ行き」を見たその旅で、まさしくアムス発“15時17分、パリ行き”のタリスに乗り未遂だけどスリにあったりもした。向こうの電車は国境を越えるタリスですら出発までは乗車券がなくても自由にホームにも車両にも入れるので、たぶんホームにいるときからターゲットにされてたと思う。他人から見えないよう腕に上着を被せながらスーッとカバン開けられてるまさにそのときに気づいて阻止できたけど、怖かったな〜〜あのスリの目は未だに忘れられない。そしてあのときも、隣に座った乗客とずっと話してた思い出。スリの直後でかなり警戒しながら話してたけど、ある国の難民で、小さな国で日本ではほとんど知られてないと思うから知ってほしいというようなことを言っていた。たぶん。わたしの拙い、ほぼないに等しい英語力での理解。短い短い、あっという間の旅だったけどいろんなトラブルのあった珍道中で楽しく、でもその冬にコロナ禍に突入したから、まさかその後まったく日本から出られなくなるなんて思わなかった。日本からどころか、京都から出ることすら憚れるなんて。。

夜は久しぶりにみんなで家ごはん。二日連続たくさん飲んで楽しい夜。

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お知らせいろいろ。

【NEMURU KYOTO BOOKFAIR】
ホステル × ブックフェアの異空間なイベント。第1回目のテーマは「眠る」。
京都西陣にあるホステル [ KéFU stay & lounge ] を会場に、ユニークな本屋をはじめとした様々なお店が「眠る」をテーマに商品を販売します。1つの客室に1店舗ずつ、それぞれのお店が自由に選んだ「眠る」にまつわるアイテム。睡眠、リラックス、夢、夜、瞑想、やすらぎ、空想... など眠るに関するものはたくさんあり、出店者さんの個性が際立つラインナップに。共用スペースでは購入された本を読むことができ、ラウンジではKéFUのドリンクやデザートをお楽しみいただけます。
あなたを眠りにいざなう一冊を是非探しに来てください!

【出店者】網の店おおやま/お灸堂/片岡メリヤス/「草と本」/さりげなく + 朝野ぺこ/多田玲子と下平晃道/DOOKS/細谷健介/マヤルカ古書店/YUYBOOKS/YOSHIMARU SHOP/lawn+TEXT etc.
※敬称略・五十音順

【詳細】
イベント名:NEMURU KYOTO BOOKFAIR
日時:3/20(土)、3/21(日)10:00~18:00会場:KéFU stay & lounge (〒602-8476 京都府京都市上京区五辻通千本東入上る桐木町880)

入場料:無料
企画・主催:KéFU stay & lounge

3/30㈬から4/19㈫までは大阪梅田の阪急メンズ館5階で古本屋数軒が集まり期間限定の古書ショップをオープンします。小さなスペースですが、いつもの即売会とは違った雰囲気で楽しんでいただけるかと思います。
4/1㈮から4/10㈰はすっかり恒例となった京都駅地下街ポルタの古本市です。店もずっと通常営業していますのでぜひぜひお立ち寄りくださいませ。すっかり春の京都より。

ではまた半月後、よかったら!



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