【議事録】2024年度第2回真山ゼミ 大学で何を学ぶか
4月ゼミ
4/13(土)18:00~
新入生に向けてゼミ生が大学生活における失敗談・経験談を共有し、
今年の真山ゼミでどのようなことを学んでいくべきかかを議論しました。
議事録
ゼミ生の大学生活における失敗談・経験談
Aさん:情報系で、もう少ししっかり勉強しておけばよかった科目(パソコン・機械など)がある。前期教養必修と自分の好きな科目だけとっていた。真山ゼミ…もうゼミ以外で、専門のこと以外まなぶ場がない。特に、社会の中で科学者として生きていくため、政治の状況や、まつりごととは何か、意見を持てるようになりたい。
Bさん:1、2年生のとき、単位のことばかりだった。2年生でコロナになり、時間がとれて、自分のやりたいところを見つめ直せた。
真山ゼミで学びたいこと…今年、どういう風に情報をいれていけたらよいか。
Gさん:2次元的な思考を身につけたい。ある問題に対して、多角的に複数の解決策を思いつけるようになりたい。そのためには前提(AならばB)を疑い、歴史もやる。
大学の後悔はないが、海外留学しておくべきだったかも。
学ぶ内容が、海外のほうがよいなどあまりないが、モチベ(海外の人に負けたくない)になってもよい。
卒業しても真山ゼミに来ている理由はコミュニティ、居場所
Dさん:昨年戦前史を議論していく際に、天皇を頂きにおいていたと分かった。それもあり、皇室のテーマを学生の間で議論したい。
多くの本を読んであれもこれも手を出してしまった。
大学だと社会的な関心を持って議論できる場がなかった。学外でそのような議論ができる場として真山ゼミを恩師から教えてもらった。真山先生から興味深い話を聞けた。
Eさん
日本の社会や政治がどういう状態なのか、ということはなんとなく分かってきたが、その中で自分は何ができるのかというところは分からない、今後考えていきたい。
話を聞いたうえで応答、自分の考えを振り返るというところまでいきたい。
反省点はコロナ禍でサボってしまったこと、
興味のあるテーマを貪欲に探しに行くべきだった。
Cさん
アカデミックな議論だけでは社会に出た時に不十分、真山ゼミでは実際の社会について学べる、ジャーナリスティックな議論ができる。
大学では座学以外の学び方、ゼミやフィールドワークなどがあり、それを積極的に、自分から情報を取りに行くと良い。
1年生の時からゼミに参加した理由は真山先生のファンだったから。
真山ゼミでしか得られない視点を得られる。戦争の議論をした際には国内の民衆とメディアの視点が新鮮だった。
Dさん…本当は、大学でバチバチ議論する場所が欲しかった。学外でそういった団体を探したかった。
先生から話していただける情報が、知的好奇心を刺激した。
Jさん
真山先生の本、前から読んでいた。ゼミで自分より若い人の考えを知れて良い。
スコットランドではナショナリズムが強くて面白い。1年生の頃にやっておけばよかったことは語学(ドイツ語)。英語もスラングとか南部訛りとかもわかるレベルになっておけばよかった。
Iさん:来た理由、幼稚園のときに父親がハゲタカをみていた。経済の話は覚えていなかったが、いま、経済を勉強してみたいと。Bさんが部室にビラを持ってきてくれた。
Hさん:Bさんが大学でビラを渡してきた。面白そうだった。
アカデミックな議論だけではできないという視点。絵を描いて展覧会にも出していて、芸術からみた政治という視点は、アカデミックな点でみた政治とは全く違う。
アカデミックなのは、あまりに現実に即しすぎている。
Fさん:中学までは理系、高校の国語の先生の本の紹介で、社会学や政治に興味を持つようになった。一人の視点からだと偏るので、このゼミからも情報を取りたい。相対論などにも興味ある。
真山先生
教科書と世の中のことは実際には乖離している。高校時代の政治経済の教科書のとおりのことが、現実社会で起きていない。
あと20年日本にいると、もう遅い。だから何とかしよう。というのがベース。
漠然としすぎていることが多い。「よのなかの仕組みをしりたいです」など
わからないことが多すぎて、何を聞いて良いか分からない、知らないだけなのか、わからないのかの境界線も曖昧。戦前史を昨年扱った理由は、戦争…いま、ウクライナ・ガザ・「台湾有事」の話が出ているのに、その議論が出されていた。「台湾有事」…軍事の話しかでなかった。中国からの留学生から、なぜそもそも中国と戦争する気なのか、と指摘されたはず。これがまさに現実との乖離。
メディアで「なるほど」という理解はできないが本当におきていることとは乖離している。
戦争…いまここに爆弾が落ちないと、本気でわからないだろう。
真山ゼミは、頭の体操をする、入口としてほしい。
★今日は世の中の何がわからないのか、(どこにモヤモヤがあるか)聞いていきたい。
Aさん:政治を学ぶとは、というところがわからない。選挙の時に、この候補者を選ぶようになる、とかはわかるが…。政治のシステムではなく、人間関係・国益が入り乱れてくる。どうしたら政治を学べるのか、政治を学ぶとはつまりどうすれば良いのか、知りたい。
Eさん:どうして政治を学びたいか→何かをやりたいときに突き詰めると→日本社会が必ず邪魔になる。自分のリソースのなかでどういう力学で動いているかを考えることが政治を学ぶということ。徒労・失望は減ってくる。
自分の経験として、「こうなったらいいな」を考えると、「こうなっているから上手くいかない」ところが見えてくる。
具体例:少子化対策の非合理性、選挙に行かない同世代へのフラストレーション
真山先生:補足すると、世界でこれだけ外国人労働者をいれない国は珍しいが、OECDや国連に言われて法律を造り始めている。
日本の法律はいつも空っぽ。実際の制度運用についてまで法律に明記しない。
海外の法律は具体性が大きい。イギリスでも、外国人の定義は、など法律に定める。
例えば日本は外国人労働者に関する最賃法がない。
労働者でなく「研修」だから、ということで月2~3万しか、という時期もあった。
だいぶ無くなったが、もし日本に労働力があるなら入れなくていいが、現実足りていない。
重労働する日本人の若者が少ない。
介護などの大変なところで働きたい人はいる。労働時間に対して実入りが悪い仕事を外国人労働者に任せようという意見に対して、ひどいという人もいるが、そこで働きたい人はいる。
外国人労働者をグレーに扱っている。
もう一つ、IR法について、「IR推進法」で進めることだけが規定され、具体的なことは審査委員会が決めるという仕組み。いまだにルールが決められていない。賭博は反社の資金源。
アメリカのカジノが成功しているのは、マフィアを排除しているから。
どうするか、罰則など規定している。
→日本にはない。
アメリカの場合は自己責任だが、
ギャップをどう埋めるか、というのが政治
「○○法をつくります」というと安心してしまう。
安倍政権になってから、国民、アメリカの人気取りになるならなんでもやってしまった。国民は憲法違反のような集団的自衛権の法律(本来、憲法改正を行うべきだった)に本来怒らなければならなかった。が、「関係ない」と皆思ってしまう。
民主主義は過半数とらなければいけないが、既得権を持っている人に勝てるわけない、と思ってしまって政治に関心がなくなってしまう。
ここで議論した結論が社会の結論になるわけではない。
真山ゼミで議論したことをどうやって、無関心な人に関心を持ってもらえるか、というところまで議論できるかが重要。
太平洋戦争…政治に関心がない民衆が、鬼畜米英と言い出した。そして、戦況では負けているのに、負けていると誰も言えなくなった。
なのに、懲りていない。巻き込まなければならないのが政治。
どうやれば政治に関心を持たせるのか、ということが1つ。当たり前
向かせる方法は、選挙で勝つ、過半数、ということになるが、気の遠い
政治になにができるのか、変わるわけがない、と諦めてしまっていることは何か探すと良い。
先進国:一人の人がおかしいと思ったこと→意外にみな同じようにおもっているかも
その視点は、政治のなにがわからないのか、つきつめて掘り下げていかないとわからない。
一人だとわからない答えがみんなで議論することででてくるはず。
Hさん
ロシアに憲法9条があったときに状況は同じであったか、と思う。
研究者、社会人、起業家、何になるにしても法律や政治は絡んでくる。
例えば、ウクライナの移民は「移民」ではなく「避難民」、法律によって援助できる範囲が変わってくる。
中身のない法律を作ってしまい、ルールに乗りたがる国民性。日本で行きていくならば日本の政治に当事者意識を持つべきだと思う。
アメリカでは、若者が声をあげると票稼ぎのために政治家が動く。
日本で同じようなことが起こるか?
Fさん
一票の価値を感じられない状況。直接選挙ならもっと興味を持つはず。
小さな団体でできないか(地方自治)
真山先生
このような場で政治を話すと、国政になるが、これはなかなか現状から変わらない。
300票くらいで村議は当選できるが、国で考えるとうまくいかない。
ex)地方自治体で、地元で電力を賄う、売電して税金を賄うなどして地域のレベルで改善していく。国ではできないことを地方で変えていく。
(この例は、工場がない地域だからできることではある)
何丁目何番地が変わればよいのに。
Jさん
東京にとって良いことが国益になってしまっている。
普通に政治に関わっているはずだが、
個人的なところで関わっているはずなのに、いつも選挙や法律の話題に収斂するのが解せない。
真山先生
区議は20代がわりといる。
地縁がまったくない人でも、当選できてしまう。
または、周りから持ち上げられて区議になり、そこからのし上がっていく様な場合であれば変えられる。
20代、30代の区議が何人かいれば、変わっていく。小さなコミュニティであれば変えられる。
政治…自分が責任を持ったとき、コミュニティと協調すべき。
直接民主制(総理大臣を日本で公選)にするのは、大変なリスク。
議院内閣制は「かったるい」が、それなりにブレーキが効く。
バイデンとトランプは最悪と最悪の戦い、そもそもなぜその2人しかでてこないのか。反対する人の声をつぶし、得する様に囲い込んでいくことが政治。
気持ちだけ政治に参加しているということになる。
それまで、総理大臣は誰でもよかった、民主党のダメ政治までは。
ここで国民は総理はまじめに選ばなければならない、と痛感したはず。
国政では、自民党がひっくり返らない。
ならば脇に置いて、いったん地方政治にいくべきではないか
また、投票した政治家に責任を持たなければならない。
Gさん
そもそも政治に国民を巻き込んでいかなければならない、というのがおかしいのではないか。こんなにやっても日本人は政治に関心をもたない。
関心を持たなければならないのなら、怒り・当事者意識・義憤が原動力になると思うが、説教くさいと思える。
誘因は、それだけではない。面白さ・ワクワクもあるのでは。
選挙の手伝いをしたときに、労組がイシューになっているのが「面白い」と感じた。
過去で一番動いたのは、革命では。
真面目臭い話だけでは人が動かせない。
Jさん
そもそも日本人は政治に関心がないのか?あると思う。国政に関心がないのは分かるが、地方選挙の投票率は高いところもあるのでは?
Iさん
自分は地方選挙のとき、嫌いな党にいれない、というのはある。
Eさん
自分の自治体は投票率3割、若者はもっと低い。
真山先生
投票率が高い=政治に関心がある、ではない。
投票率が高いところは、無風なところ。
投票率98%の町…ありえない。一か月後に選管委員長が逮捕された。選挙に絶対にいけない人を分母から外していた。
副知事対共産党で闘った。
投票率の高さで各自治体の扱いを決める、と副知事が示唆したため。
まさに政治に関心がないから、同調圧力に対して投票するのではないか。
Jさん
国政や選挙を見て、関心がないというのではなく、身近な部分では政治に参加しているのではないか。
最低時給が上がった、というので喜んでいるのもある種の政治ではないか。
Hさん
アメリカや台湾のように選挙が盛り上がる=政治に関心がある、というわけではないのでは。
真山先生
アメリカで選挙で盛り上がるのは、多民族で、勝った側にいかないと虐げられるから。
選挙に繋がる必要はなく
小さな地域の話題をどんどん大きくしていくと、政治のところにいつかぶち当たる。
とある小学校で、放課後に特別学習教室などを行って、良い影響が見込めそうだということがわかると、それを授業に取り入れようとなる。校内なら問題ないが、他の小学校でもやろうとなると選挙や政治が絡んでくる。
あそこもやってるからうちもやってよ、となると、政治にぶち当たる。
日本の政治参加は面倒な人が多い
マンションの管理組合やPTAはほとんどの人が、どうやったら自分の負担を減らせるかということを考えている。本来は子供のためなのだから、積極的になっていいはずなのにならない。
Aさん:
地方政治レベルの関心を持つべきだが、自分の身近のところと国政は分けて考えるべきでは?国政は、エキスパートが動かせばよく、そもそも国民全員が政治に関心を持つべきなのか?
Iさん
共同体の中での市民の役割については
国政全体の話は、いま議論にない。
コミュニティの一員でないと変えられない現状。
経済政策…経済学者、外交政策…外交の専門家、などの、専門としている人のコミュニティが作っている現状。
結局、国政というと、賢い人が提案していた政策を認証する、という形でしか民主主義をとれないのでは。
Bさん
マンションの集会にでていて、楽しいが、どうみんなに関心を持ってもらえるか。
Cさん
「『若者』が声を上げる」、「『日本人』の関心が」、と、「若者」「日本人」というものを均質的に捉えてしまっているが、このゼミで集まっている人と社会全体の意見、立場が必ずしも同一ではないことにも留意した方がよい。
このゼミにいる人は、政策の立案者側に回りうる人であり、自分たちと同じ考え・意見を、日本の同世代が同じように持っている、と考えるのは、あまりよくないのでは。
Dさん
One issue政党みたいなものが沢山出るのであれば、政治への関心をあげるどうこうというより、もう少し身近なものに感じられると思う。
真山先生
One issue政党は票は取りやすいが政権は取れないし取る気がない。
Gさんくんがいったことは、まさに日本の政治。日本では民主主義だった時代は一度もない。
明治維新は、天皇の政治を薩長土肥が続けただけ。
Iさん君のいうように、賢い数百人が政治をするのが、長らく日本の形だった。
日本人は「賢い愚民」
馬鹿にしているのではなく、働けば幸せになる。ということを信じることができた。
お上が何かを成し遂げてくれる。
お上と民衆の信頼関係があった。
大きな転換点
東日本大震災の際、原発事故に対して、多くの人は騙されたといったが、実際は原発にはリスクがあるというのは、東電もずっと言っていた。「安全」ではなく「安心」で原発は成り立っていた。
震災時に政治家の家族だけが国外に逃げるようなこともあった。
本当の情報が届いていない。
「騙されてきた」というのは「怖かった」から。
不幸なことに、SNSが普及しはじめ、勇ましい声だけが上がるようになって、何に立ち上がればよいのかわからず、マスコミが「マスゴミ」と呼ばれ、ワイドショーで一部のものが糾弾
日本で幸せになるには、まともで責任感のある人間を上において統治させれば良いが、もう無理。
国全体が貧しくなっているので、「誰かは儲かっている」という視点、国、マスコミが搾り取っているという視点を人々が持つようになる。
バブルがはじけるまでは努力が報われる、と信じられていた。
政治に関心を持つか、みえているものだけをみて不安を消すだけ。
いまは後者。
ずっと安倍首相が8年もやれたのは、日本が救世主を求めていたから。
本当に騙されることが起き出した
グローバル化しているため、日本だけの都合でまわらなくなった。
円安はアベノミクスが発端だが、戦争がなければここまでいかなかった。
本来は、日銀のやり方に怒らないといけないのに、怒りがない。
怒りがないのは関心がないから。
目をつぶって、地道に君主国家を目指すか、
地道に自分のコミュニティから少しずつ広げていくか
のどちらか
Hさん
怒りを抱いて、次はどうすればよいか分からない。
イギリスでは、アフガンのことなどが、現在の若者世代の生きている間に起きていたので、意識が違う。
日本人が選ぶBest&Brightestは多分まじめに働く人であり、本当に国のことを考える人が選ばれるだろうか。
真山先生
なぜアメリカが勝手にやれるか。人々は連邦への帰属意識がないから。
州に対して国が介入できない部分が多くある。→それぞれの州に色がある。
それぞれの州に自治権を与えている。→連邦国家の役割が明確になる。
連邦国家は、安全保障、国際政治などのフィールドで国益になることを行うのに集中。
日本の地方自治体…法律の中でしか条例をつくる、くらい。
ただ、練習になる。
世の中は、一人で変えられるし、一人でしか変えられない。
5人に言って、10人、100人にとなっていく。
地方の政治ですら、「だれかに決めてほしい」となる。。
自分事という言葉が好きなくせに、責任はとりたくなく、文句をいっている方が楽、という文化。
Hさん
日本で政権がガラッと変わるのは暗殺で、自分で政権を変えよう、変えた、という実感がわかないのでは。
真山先生
それは無理なのだろう。
ほかの国は多民族であり、民族同士の衝突で負けたくないから政治が起こる。
日本は単一民族、単一宗教で、それで今までまわっていたが、もうまわっていない。
Bさん
おかしいと思ったことを周りに伝えていく、という練習のために、6月以降、政策を見ていくのはどうか。
Iさん
政治的無関心をどうにかする、という方針でも良いかと思った。
真山先生
賢い人をどう集めるかは難しい。
ただ、政治的無関心がなくなると、世の中面倒になるのは事実。(決めごとに時間がかかる)
日本は成功モデルが1つできると、それを真似してうまくいくようになる。
Eさん
国でやっていることは難しく、遠いから任せておきたくなる気持ちは分かるが、誰かにずっと任せているのはその人を無気力にする。
どこかのタイミングで声を上げていかなければならない。
自分は性格的には面倒だと思う側だが、面白いと思って参加している。その面白さを伝えていけないかなと思う。
Fさん
日本は平和ボケしている、
日本はずっとなにもないというか、自分の身に何かないと人は動けない。
他者の経験を自分のものとして受け取るか、というところも考えたい。
真山先生
想像力を持てるか
想像力を一番もっている動物である人間が、痛い目にあわないとわからない、というのはおかしい。(戦争にあわないと痛みがわからない、はどうなのか)
台湾有事はヴァーチャル・徴兵はリアルの話。
それぐらい切実感がないと、政治は動かない。
そばに敵国がいる国は焦る。
徴兵制まで出さないと、国民が動かないのが日本社会。これをどうすればよい?というのが問。
政治に関心を持たないで良い国を作るというのもありだが。
もしくは、国民に政治への関心をもたせてどうやっていくか、など。
天皇制でも良いが…天皇を有効活用するとかすれば…?