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3歳。社会不適合の自覚

鬼ごっことかくれんぼ。
特別な道具は必要なく、どこでもすぐに始められる遊び。初めての集団生活を経験する子供達がドキドキとスリルに夢中になり、大勢の仲間と過ごす事を楽しさから学ぶ社会生活への第一歩となる遊び。

小学校低学年頃まで、放課後にまで楽しいコミュニケーションとして飽きる事なく何年も続く遊び。と言うのが私の認識でした。そして私はこの遊びが大の苦手で物心ついてからの数年間これがいつ始まるのかと毎日気を揉んで憂鬱に過ごしているような子供でした。

鬼になった途端、私が近づくと全員が叫びながら逃げていくあの感覚。ルールなので捕まえようとすると泣き出されたり時には怒りをぶつけられたり。
あちらでは皆が仲間のように固まって私をニヤニヤと見つめるのに対して私はひとりぼっち。

反対の立場になると今度は敵意をむき出しで追いかけられたり。それ以上に辛いのは私と同じように不安そうにキョロキョロしている子や泣き出してしまう子。そんな時は気持ちが分かるので可哀想だと思ってわざと捕まりに行ったりしてみるのに途端にさっきまで同情していた子が豹変して2度と鬼にはなりたくないとばかりに必死で私から逃げて行く… 鬼ごっことは私にとってそう感じてしまう遊びでした。

かくれんぼにいたっては隠れるのが上手かった分なかなか見つけてもらえず忘れられるんじゃないかという不安との戦い。そして自分の家での開催となると、せっかく母が掃除をしてくれた家を散らかさないで欲しい。大切な我が家に土足で踏み込まれたような気持ちになって悲しくなりました。

入園間もない年頃には自分の感覚が皆と違うと感じ不安と自信のなさを自覚していました。

前回の記事で食いしばりの話をしましたが、この頃の私が園で過ごす写真はへの字口が多いです。小さな子供だとチャーミングに映っているようにも見えますが既に無意識に歯を食いしばっていた疑惑です。

10歳頃には自分が大勢の友達と遊ぶ事は難しいと悟りました。赤毛のアンにハマり夢見る少女としてお料理やお菓子作り、裁縫などをして過ごす楽しさを覚え、放課後はそんな風に一人で過ごす事とアニメの再放送を観るのが至福の時間。けれど片隅にますます自分が集団の中で浮いてくような不安がチラついていたように思います。




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