【感想】「佐久間宣行のずるい仕事術」 カギは因数分解と仮説検証とメモ
こんにちは、MAYです。
今日は「佐久間宣行のずるい仕事術」という本の感想です。
著者の佐久間さんはテレビ東京で「ゴッドタン」や「あちこちオードリー」などの番組を企画した名プロデューサー。
そんな佐久間さんが、仕事術、人間関係、企画術など、会社で「誰かと戦わずに抜きんでる方法」を紹介しています。
1項は見開き1ページくらいなので、隙間時間にちょこちょこ読むのにも向いています。
サブタイトルの「僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた」という一文が絶妙です。
この記事では内容を網羅するのではなく、わたしがポイントだと思ったことと、それに付随して考えたことを書いています。あらかじめご承知おきください。
1. ポイント・考えたこと
①因数分解
1つめのポイントは因数分解。企画づくりに関するこんな話が出てくる。
要するに「因数分解」。
これ、第2章 人間関係編 5項「『合わない上司』は分析してみる」にも通じるところがある。
この項では、合わない上司への対策として「〇×表」が紹介されている。
その人に言われたことを書き出して、一理あると思ったら〇、思わなかったら×をつけることで、上司の何が嫌なのかを明らかにする、というものだ。×ばかりで対処法が見つからないときは、この表を持って上司の上司に相談に行くけばいい。
これも先ほどの「おもしろさの核」と同様、「いやだと思う核」を見つける作業だと思う。
この「因数分解」で思い出したことがある。
10月のクリエイターフェスの企画、三宅香帆さんの「”好き”を伝える文章講座」であったこんな話。
質問者:「書いていると、『やばい』とか『すごい』しか出てこない。人に伝えるにはどうしたらいいですか?」
三宅さん:
(↓該当箇所に直接飛べます)
この「細分化」は「因数分解」と言い換えてもいいと思う。
すき、おもしろい、きらい。
どんな感覚でも、「なぜそう思うのか?」を深掘りして核を突き止めて、言語化する。
そうすることで相手に伝わって企画を通しやすくなったり、いやな上司への対策を立てられたりするんですね。
②仮説検証
2つ目は「仮説検証」。
そしてこれは、上司や先輩の仕事にも使える。自分のターンがこない「待ち時間」にも、成長のチャンスを作ることができるのだ。
この「仮説検証」というのはあらゆる仕事で必要なスキルだなあと感じた。
たとえばシステム系のプロダクト開発では、数年前から「探索的開発」とか言われていて、課題とそのソリューションについて仮説を立てて小さくプロダクトを作り、顧客の反応を見て検証するというプロセスが主流になっている。
わたしが今やっている仕事についても、改めて仮説を立ててみようと思う。今からでも遅くはないはず、と信じて。
③メモから始める企画づくりと「仕組み化」
3点目はちょっと観点が変わり、企画をつくるときのワザについて。
こうすることによって、会社で企画募集がかかったときにすぐに出せる。
そして佐久間さんは、これらの作業を繰り返し予定としてGoogleカレンダーに入れているらしい。
これはnote作成にぜひとも応用したい。
メモする習慣はできてきたが、見返して整理することがなかなかできていない。そういう人、けっこういるんじゃないでしょうか?
これを読んで、「自分のことだ・・・」と思ったそこのあなた。
今日からわたしと一緒に「仕組み化」がんばりましょ!(1人だと続かないダメ人間のMAYより)
2. その他のポイント
ここまで挙げた以外にも、たくさんの気づきがあったので箇条書きでご紹介。
すぐやる=自ら縁を切らないコミュニケーション
人はメンツで動いている
言いたいことがあるときは正論を言わずに自分を下げる
その道で経験を積んだ人の「お前ならできる」は信じる
KPIを握る
あー。苦手なことばっかりだ(笑)
3. 何のために組織を泳ぐのか
いかがでしたか?とても実践的かつ現実的な内容だったので、学ぶことがたくさんありました。ぜひあなたの感想もコメント欄から教えてください。
さて、まえがきを読むと分かりますが、佐久間さんは元々「組織のなかでうまく立ち回る」ことが得意なタイプではないような気がします。
そんな人が、頭をひねって努力して色んな手段を身につけてまで、20年以上も大きな組織のなかで働いてきた理由。
それは、根っこに「おもしろい番組を世に出したい」という情熱がずっとあったからだと思うんです。
その情熱のために、組織をいかにうまく使うか。
あなたには、そんな情熱がありますか?
わたしには、あるのかな。
わたしはやっぱり、文章を書きたい。
色んな人に取材してその人の頭のなかを覗かせてもらって、その人自身が気づいていないようなキラッとした部分を、言葉にしたい。
正直なところ、それを今の会社でやる必然性はないし、やりたいことにドンピシャの仕事があるかは、微妙なところ。そんななかで、超がつくほど組織不適合者のわたしが、本書に出てきたようなワザを使って生き抜く努力をする必要があるのだろうか?
でも、ある程度勝手を知った場所のなかで、大きなリスクは会社に背負ってもらってやりたいことに近づけるなら、目標への一歩目としてはかなり良いチョイスだとも思うのです。もちろん義務はしっかり果たしますよ。
「書くことを仕事にする」という目標を叶えるために、この本から得られた気づきを武器にして、苦手な「組織」に挑んでみようと思います。
ではまた。