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わたしが恋するパン屋さん(東京)
数年前、埼玉で暮らしていたことがある。
仕事の関係で、2年間だけ。金沢に帰ってきたのはちょうどコロナ禍に陥いる直前くらいだったかな。
埼玉といっても、池袋までは東武東上線で20分くらいで行けたし、ここぞとばかりに休日は東京に出て通い詰めた。
何に?
パン屋さんに!
東京にある憧れだったパン屋さん、全部行った。後悔しないように。単身赴任だったので、ひとりで行くことも多かったけれど、パン狂になるよう洗脳した同僚と一緒に行くこともあったし、定期的に遊びにくる夫ともよく行った。ほんと楽しかった。
そのなかでも、特に特に感動して今でも恋焦がれるパン屋さんが、いくつかある。そのうちの圧倒的ひとつが、VIRONである。否、VIRON様である。
このシックな赤色のお店。佇まいはもはや女王。
丸の内にもあるけれど、何度も通ったのは渋谷店。距離的問題もあるけれど、何より渋谷店でしかない(と思う)VIRONの朝食目当てだ。上の写真の右下の黒板に書いてあるやつ。
VIRONの朝食とは何か。言葉で説明するよりもとにかく見てほしい。
この光景、幸せしかなくないですか?
4人で行ったんですが、広めのテーブルだったのにパンが出てきた瞬間、秒で埋まった。幸せすぎて鼻血でるかと思った。
バゲットとセレアルが1人2個ずつ。あと何種類かのヴィエノワズリーから2種類選べる。わたしはいちばん最初に行ったときは、クロワッサンとアッブルパイにしました。
そしてなんと7種類のジャムと蜂蜜がね、各テーブルに瓶ごとやってくるんだよ!もうときめきが止まらなくて心臓痛くなるから気をつけてほしい。
美しいジャムたち…。
パンがパンパン。
普段、かなり少食な方なんですが、全部ぺろりといける。食べきれなかったパンはスタイリッシュな店員さんにお願いすると包んでくれるんだけど、持ち帰ったことないと思う。たぶん。
どのパンも本当においしくて最高なんだけれど、わたしが心の底から感動したのがアップルパイ。正確にはショーソン・オ・ポムだったと思うけれど、慣れないのでアップルパイと言わせてほしい。
はじめてVIRONのアップルパイ食べたとき、あまりのおいしさに感動して泣きそうになった。誇張ではなく。何から何まで完璧なアップルパイだった。正直そのおいしさを伝える語彙力がわたしにはないので、下手なこと言わずにただただ言いたい。人生でいちばんおいしいアップルパイだった。たぶんこれからもそう。
2種類選べるヴィエノワズリー、行くたび少しずつ種類が違うんだけど、毎回アップルパイは必ず頼んでしまっていた。そして帰りに1階(カフェは2階)でお土産のアップルパイを購入して家でも食べる。これがわたしの休日の贅沢コースだった。
もう一度東京に行く日が来たら、必ずまたVIRONに行こう。むしろVIRONに行くために東京に行きたい。大宮からのほうが近いし安いのに、丸の内にもあるVIRONで最後のアップルパイを味わうためだけにわざわざ東京駅から新幹線にのって金沢へ舞い戻ってきたわたしはそう決意した。
あれから1年以上経ったけれど、まだまだ東京には行けなさそう。
VIRONも、今も朝食はやっているのだろうか?またいつか、絶対に行くんだ。
わたしは今も、VIRONに恋してる。