『川越ボーイズ・シング』という狂気の合唱アニメ
私はアニメを見ること、そして声優のラジオ(アニラジなど)を聴くことを趣味としている。
アニメは年に80本、ラジオも月あたり20番組以上を追っている、端的に言い表すとオタクだ。
テレビでアニメを見てからインターネットでアニラジを聴く、というルーティンを知ってからは「あぁ、私は一生アニメオタクをするんだろうな……」と実感する日々になっている。生きがい。Reason for living.
そんな私が昨年1番ハマったアニメ、それが『川越ボーイズ・シング』(以下「川ボ」)だ。
皆さん「川ボ」見ましたか?あれは見たほうがいいです。
「主人公が新しくできた男子クワイア部(所謂合唱部)に入部し、顧問・部員たちと合唱を頑張る」という、ざっくり言うとそんな話である。
男子クワイア部の話ではあるのだが、正直「川ボ」において「合唱」は、『MAJOR』における「野球」・『スラムダンク』における「バスケットボール」・『味いちもんめ』における「料理」ほどは掘り下げられない。
掘り下げられない、というか、合唱よりもインパクトの強い要素を毎度毎度お出ししてくるのである。
「川ボ」の魅力はそのストーリー展開のヤバさなのだ。
2度ほどアニメの人格が変わっている。
夏合宿という学園モノ作品で言えば1つのトロのようなイベント回で突然ライバル校がマキタスポーツ作の大トンチキ楽曲を披露した。
なんて?
な、なんて??
しかも登場人物は誰一人として歌詞の様子のおかしさに突っ込まない。曲のヤバさに触れられることなくライバル校は一生強豪校ヅラしたまま去っていくのだ。
あっていいのかよそんなの。
かと思えば急にシリアス調になり、演出を凝り始めるなどする。
第9話「いつかのアイムソーリー」を見た時の「え、もしかして別アニメが始まった?」感は異常だった。
第9話はアニメーター・演出家の武内宣之さんが絵コンテ・作画監督・演出全てを担当されていたのだが、本当に9話だけ別作品だったのだ。あれは集団で見た幻かなにかか?
そもそも公式マスコットキャラを世界で最も恐ろしい陸生動物とも呼ばれるラーテルにしている時点で疑ってかかるべきだった。
一応ラーテルというのは川越にちなんでいる動物なのかと思い調べたのだが、日本でラーテルを飼育している動物園は名古屋の東山動植物園だけらしい。関係ないんかえ。突然川越にラーテルを生やすな。
そんな「川ボ」は制作遅延で2023年内に完結させるすることができず、さらには円盤の発売も諸事情により中止されるという事態に見舞われた。
けれども「川ボ」の世界観を最終話前まで見ているこちら側としてはもう応援するほか無く、最終回は謎の達成感と感動で感情が無茶苦茶になった。
私はこういう作品に出会うためにアニメを見ていると言っても過言では無い。
そしてなんと、今度舞台版「川ボ」が上演されることになったのだ。舞台版、異常なまでにキャラクターの完成度が高く、キャストPVを見た時に感動でちょっと泣いた。
この機会に是非、百聞は一見にしかずっつーことで。