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全員助けるためなら1000回でもくりかえす……漫画『運命の巻戻士』が面白い!!

漫画について語るポッドキャスト『マンガ760』にて特集されていたり、Xでフォロワーさんがつぶやいていたりしてずっと気になっていた漫画『運命の巻戻士』(木村風太/月刊コロコロコミック)。

最近全巻買ったんですが、これが面白い!!

“何千回”失敗しても諦めない主人公

本作は、悲運の死を遂げた人々を救う「巻戻士」たちが事件を解決するまで何百回、何千回と時を巻き戻すタイムリープ作品。

コミックスの帯には虚淵玄さんや辻村深月さんといった超一流クリエイターの方々や、アーティスト・Eveさんが絶賛している旨が書いてありました。

『運命の巻戻士』の特徴は、コロコロコミック連載であること。

子ども向けの漫画雑誌であるコロコロコミックですが、『運命の巻戻士』の展開は重厚で考え抜かれています。

また、グロ描写はないんですが人が死にます。タイムリープものに欠かせないダークなストーリーもしっかりおさえているのです。

僕が特に面白いと思ったのは、繰り返す回数の多さ。

タイムリープものは何度も時間を繰り返して残酷な運命を変えようと奮闘するのが常ですが、『運命の巻戻士』は何千回レベルで繰り返します。

タイムリープものの漫画やアニメはたくさんあります。ただ、本作ほど繰り返している作品はめずらしいのではないでしょうか。

そのため、毎回のように主人公・クロノはすごーーーく疲弊します。時を巻き戻せば巻き戻すほど精神的な疲れやダメージが蓄積されるからです。

何千回もやり直すなんて常人では到底マネできない……というか途中で心が折れますよね。敵に撃たれて死にかけることもあるのに……。

しかし、悲しい過去もあってクロノには「全員助ける」という強い意志と覚悟があります。

この「全員助ける」という行動理念がブレないため、読んでいて気持ちいいです。たまに「もういいよ……! きみは十分やったよ……!」と止めたくなるときもありますが。

何度でも諦めない強さを“何千回”にも及ぶループを使って体現しているのが、本作の主人公なのです。

コロコロコミック連載じゃなかったら?

事件を解決に導くまでの道筋は、ループや「開眼」という巻戻士の覚醒能力を使った少し複雑なものになっています。

また、時には命をかけて守ろうとした大切な人が自分のことを覚えていない……といった心にズンとくるようなルートも。

「連載が子ども向け雑誌じゃなければ、過激な描写を入れてもっとインパクトのある面白さを出せたのでは?」と思いました。

しかし、『運命の巻戻士』がコロコロコミックに載っていることに大きな意味があるとも感じたんですよね。

今のコロコロコミック連載作品がどういう雰囲気なのかは分からないんですが、『運命の巻戻士』の面白さは他とはひと味違っており、異彩を放っているんじゃないかなと。

そして、子どものころからタイムリープ作品の面白さに触れられるのはすごくいいことだと思います。タイムリープものはいいぞ……!

読み応え十分で大人も楽しめる『運命の巻戻士』。気になったらぜひ読んでみてください。

ちなみに現在7巻まで出ているんですが、7巻目が一番面白いです!! どんどん面白くなってる!!!

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