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医学と哲学
医学も哲学もそれぞれに尊い学問ですが、これらは共に「治療者」の学問であるという共通点もあります。
例えば、医学というのは生体についての治療者の学問なのですが、一方で哲学というのは「魂についての治療者」の学問ですね。
魂の治療? それって何!? ……みたいになるところではありますが、厳密にはそのように言えます。
しかし、この問題も非常に難しいもので、魂とは何か? とか、心とは? あるいはそもそも生体とは? みたいな難問が山のようにある分野です。それらの事項の一つひとつを適切に整理するのは非常に骨の折れる作業でもあります。
ただ、一つ言えるのは、医学も哲学も極めて重要な治療者の学問であり、共に尊重されるべきである……という点でしょう。その意味では、これらの学問にはけっこう密接な関連性もあるとも言えるかもしれません。
諸学問同士の連続的な関連性については西周の『百学連環』のようなパースペクティブを持って臨むことも重要だと思います。
世の中には無駄なものが驚くほどになくて、多くのことにはそれなりの理由があるのです。正確に見れば「無益さこそが最大の有益性である」ということにもなってきます。このように医学が劣っているとか哲学が無駄であるとかそういうことはなく、すべての学問に豊かな価値があります。