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DAY 5|モーヴ街開通4周年記念イベント

《MAUVE STREET|モーヴ街》とは、霧とリボンが運営するオンライン上のストリート。各noteを美術ギャラリーや図書館、百貨店などの建物に見立て、多彩な文化発信と作品の展示販売を行うアート・プロジェクトです。通りを飾る建物は現在10棟。あちこち寄り道しながら、モーヴ街のお散歩をお楽しみください。

Text|霧とリボン

 5日間に渡りお送りしたモーヴ街開通4周年記念イベント《菫色の実験室vol.9〜菫色×デザート》は、本記事をもって全配信が無事終了致しました。
 夏の終わりが菫色のストリートに流れ込んできたDAY 5の今日、お散歩を楽しんで下さいました皆様、お付き合い本当にありがとうございました。
 そして、素晴らしい文学・アート・モード作品を独自のレシピで作り上げ、届けて下さったアーティストの皆様に心より深く御礼申し上げます。

 総勢22組のアーティストが紡いだ記事は全31篇。風味豊かなデザートの一篇一篇、お味はいかがでしたでしょうか。

 飛行機恐怖症ゆえ、渡航はほんの少ししか経験がありません。隣町にでもゆく身軽さで海外へ行けたら、と夢見る時もありますが、僅か故に、記憶のストリートを何度でも散歩します。

 パリ1区、パレ・ロワイヤルの柱廊に面したセルジュ・ルタンスのお店を訪れた時のこと。菫色の聖所と呼びたい、ルタンスの美意識で満たされた空間に打ち震えながら、初めて触れたルタンスの香水が「ドゥース・アメール」であること、その時の感動をスタッフの方にお伝えしました。
 すると「では、スペシャルルームにご案内しましょう」と、閉ざされていた扉の奥へ。

 ルタンスのさらに深い精神へと潜るような小さな多角形の小部屋は、洗練を極めた静謐な空間でありながら、美を求めて旅を重ねるアーティストの孤高の精神が剥き出しで存在していた場所でもありました。
 菫色を求めて、どこまで深い場所へと降りてゆくことができるのだろう——記憶の中でスペシャルルームを訪れる度に、自分に問いかけます。

 渡仏したのは2019年晩秋。そこからまもなく類をみないパンデミックへ。先の見えなかったあの時、実店舗が休業してもアート活動が継続できるようオンライン上に活路を見出し、モーヴ街は生まれました。
 私の中で、菫色の聖所はモーヴ街に繋がっています。
 萎れそうになっていたちいさな芽に、スペシャルルームから精神の一雫が落ちてきたのです。

 開通イベントが巡るたび、厳粛な気持ちで当時のことを思い出します。

 俯く時があっても、やがて背筋をピンと伸ばしてして、私ひとりの /私たちのストリートを歩き続けることができますように。
 皆様のご多幸を願ってやみません。

 DAY 5のスタートは8番地「ヴィヴィアンズ百貨店」から。アームコルセット専門店「massaging capsule」様に集ったフラッパー・ガールたちがアール・デコ風味のデザートを楽しんでいました。
 通りですれ違った詩人・翻訳者の高田怜央さまの颯爽とした足取りに惹かれて辿り着いたのは7番地「スクリプトリウム」。イラストレーター・松下さちこ様のやさしき「心のおやつ」を居合わせた皆で囲んだ菫色時間。
 
 ちいさき存在たちの目撃情報をキャッチして門をくぐった5番地のお屋敷「サティス荘」。絵本を囲んで、人形作家・影山多栄子さまとヴィクトリア朝文学研究者の熊谷めぐみ様が月夜にふるまうお菓子を準備していました。
 夏の終わりにふたたび8番地「ヴィヴィアンズ百貨店」へ。霧とリボン店内に飾られた高田怜央さまと川野芽生さまのZINE『黎明通信』の一冊一冊が窓になり、海の響きを伝えていました。

 【お知らせ】
 本イベントに参加を予定していた詩人・嶋田青磁さまの記事配信は次の機会に延期となりました。楽しみにお待ち下さっていた皆様にお詫び申し上げます。


 DAY 5最終日の本日は【5本の記事(本記事含む)】を配信致しました。
 会期中、一日の最後に配信される本まとめ記事をご覧になれば、その日の配信情報を全てチェックできる仕組みになっています。ぜひご活用くださいませ。


8番地
—— ヴィヴィアンズ百貨店 ——


7番地
—— スクリプトリウム ——


5番地
—— サティス荘 ——


8番地
—— ヴィヴィアンズ百貨店 ——


 モーヴ街の次のイベントは10月
 7番地「スクリプトリウム」にて開催のオンライン展覧会《植物と香りのネセセールvol.2〜ニコラス・カルペパーの窓》です。
 皆様、また健やかにお会いしましょう!


★作品販売期間★
8月25日(日)21時〜8月27日(火)21時
全ての新作が並びました

DAY 5までのまとめ記事一覧

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