DAY 4|モーヴ街開通4周年記念イベント
Text|霧とリボン
モーヴ街の夏のイベントも、いよいよ明日が配信最終日となりました。
《菫色の実験室vol.9〜菫色×デザート》DAY 4の本日、菫色の散策をお楽しい下さいました皆様に深く御礼申し上げます。
文学・アート・モードが華やかに広がったひととき。おこころに響くものにひとつでも多く出会えていましたら、とても嬉しいです。
美術大学の学生だった遥か遠い遠い昔のこと・・・ある随筆家の書物を熱心に読んでいた時期がありました。当時、大正から昭和初期の美しいアンティーク着物に夢中になっていて(今でも大切にコレクションしています)、着物について調べてゆく中でその随筆家に出会いました。
ただ、二十代前半の私には少し背伸びをしなければ理解できない美意識にあふれていて、まだまだ到達できない未来を読むような遠さを感じながら、頁をめくった記憶があります。
そのせいか、著作よりも随筆家自身の人生の方に興味が移り、都内にある終の住処を訪れたのが、今住んでいる新しい街を訪れた一番最初でした。
7月下旬、菫色の小部屋の原状回復のため、新居から吉祥寺へ通っていた夜の帰り道、新しい街のことを考えながらふと、「その随筆家はヴィタ・サックヴィル=ウェストと共通点が多いかも」と思ったのです。
貴族(華族)出身であることや配偶者が外交の仕事をしていたこと、執筆活動や都市から離れた終の住処を丹念に手入れしながら暮らしたことなど。非常に表層的な捉え方ですが、「ここは日本のシシングハーストかも!」と妄想するに至った次第です。
ヴィタ・サックヴィル=ウェストはヴァージニア・ウルフ『オーランドー』のモデルとなった人物。そしてここモーヴ街は、ヴァージニア・ウルフの小説『ボンド街のダロウェイ夫人』から着想したオンライン上のストリート。
随筆家、ヴィタ・サックヴィル=ウェスト、ヴァージニア・ウルフ——ゆるやかに、細糸を手繰り寄せるように、モーヴ街が新しい街へと繋がっていました。
もっとも、かの随筆家の『オーランドー』評は辛辣で(特に映画版)、お気に召さないようではありましたが(私は大好きです)、新しい家の書棚に、モーヴ街を想いながら、三人の書物を仲良く並べました。
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「菫色の小部屋」別館として、モーヴ街開通前に作られた2番地オンライン・ギャラリー「モーヴ・キャビネット」からDAY 4が始まりました。
美術家・野村直子さまから届いたティタイムの招待状は優しい菫色。テーブルに着席した作家・『彗星ブッククラブ』主宰の森 大那さまが「甘味は幸福を語るための世界言語である」と高らかに宣言します。
画家・金田アツ子さまによる評判の馨しきデザート類が並んでいたのは、7番地「スクリプトリウム」。懐かしい蓄音機の音色のように、詩人・翻訳者の高田怜央さまの言葉が温かく室内に響いて。
ふたたび扉をひらいた2番地「モーヴ・キャビネット」では、画家・kawori様の「私ひとり」を慈しむように設られた甘い時間を詩人・研究者・翻訳家の維月 楓さまがやわらかく編み上げます。
10番地「小さなお話屋〜ロマラン」では、ロマランさんがようやくうたた寝から目覚めたようです。イラストレーター・フランスガム様がロマランさんの不思議なひとときを多彩な作品に仕立てました。
陽が沈む頃ひっそり訪れたのは、菫色連盟のアジトである6番地「ブライオニー荘」。新入居の人形作家・山口友里さまのスチームパンクなデザートが、維月 楓さまのエレガントな給仕により、モーヴ街の菫色をいっそう特別な色に染め上げていました。
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DAY 4の本日は【6本の記事(本記事含む)】を配信致しました。
会期中、一日の最後に配信される本まとめ記事をご覧になれば、その日の配信情報を全てチェックできる仕組みになっています。ぜひご活用くださいませ。
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2番地
—— モーヴ・キャビネット ——
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7番地
—— スクリプトリウム ——
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2番地
—— モーヴ・キャビネット ——
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10番地
—— 小さなお話屋〜ロマラン ——
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6番地
—— ブライオニー荘 ——
新入居
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いよいよ明日は配信最終日。
夏の想い出に、ぜひモーヴ街をお楽しみ下さい。
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★作品販売期間★
8月25日(日)21時〜8月27日(火)21時
新作順次掲載中
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