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鉄道写真の露出の決め方

緒言

先日失敗したので考察することにした。

被写体はE493系の試運転列車である。

1、常磐線 荒川沖→土浦

画像1

2、常磐線 神立→土浦

画像2


被写体は時速100㌔くらいだろうか。

カメラの設定はSモードで1/8000を指定し、残りはオートでF4(開放)、ISOは1枚目が1250、2枚目が1600。

これで撮れたには撮れたが、どちらのショットもなんだかぼやーっとした写真になってしまった。

ボヤーの原因は?

ピタッと止めるために1/8000にしたのにボヤとしてしまった。

動体ブレはほぼ起こさないだろうから自分としてはこれは不可解だった。

ということはピンボケだろうか?

そこで設定を検討してみた。


SSについて

ブレが怖くて1/8000にしたのだが、まず本当にこんなに高速のシャッターが必要だっただろうか。

時速100キロということで計算してみる。

1秒あたりに進む距離としては27.8cmとなる。

1/8000なら3.5mm程度ということになる。

自分の撮った構図を見るとそこまでドアップではないのだからここまでしっかり止める必要があったのだろうか?

100km/hの被写体で1cmのブレまで許容できるなら1/2777秒と計算できる。

カメラの設定だとよくあるのは1/2000が近いのでとりあえずこれで設定したとして次に進んでみよう。

一応この計算式をまとめておくと

A(km/h)÷3.6(m/sに変換)×100(cmに変換
)×1/B(SS)=C(許容されるブレの大きさ)

よって速度と許容されるブレの大きさからSSの分母を出す式は

B=1000A/36C

ということになる。(Aはkm/h、Cはcm)

ちなみに参考ながらこちらの写真、SSをオートのままにしてしまって1/640になった結果動体ブレで失敗したものである。

同じく100km/hとして逆算すると4.34cmほど動いてしまっているのでブレて見えるようである。

E195系試運転列車、常磐線 神立→土浦

画像3

F値について

1/8000で光量を確保するために開放になってしまった。

しかしこの開放がわずかなピンボケも拾ってぼやっとする原因になってしまったのではないだろうか。

よりパンフォーカスを狙ってF8でも良かった気がする。

ということでF8で。

ISO

この写真では1/8000、F4でISOが1枚目が1250、2枚目が1600となった。

高め過ぎたSSのせいだとは思うが絞り開放でも日中にしては高感度になってしまった。

今回見直した設定ではSSが1/8000→1/2000(2段明るく)、F4→8(2段暗く)なった。

ここで相殺してしまっているのでISOは同程度ということになる。

まあこれくらいの感度はしょうがないということなのではないだろうか。


設定のまとめ

ということで見てきた設定をまとめる。

まずSSだが、在来線の100km/hでブレを1cm程度まで許容するなら1/2000ということになった。

F値はパンフォーカス、またピンぼけ対策も考えてF8とした。

結果的にISOは1500程度になるということになった。

在来線を今後撮る場合はこれを目安にしていこうと思う。


ただ新幹線を撮るなどなら1/8000が必要だろうし、在来線でももっとドアップで撮るならやっぱり1/8000が必要になるだろう。

F値をあまり動かしたくないのであればISOをもう少し上げざるを得ない。

もっとも最近のカメラの高感度耐性はすごいのでそれぐらいは問題にならないだろう。


もし計算間違いに気付かれた方、その他ご指摘のある方がいらっしゃったら是非コメントをお願いいたします。


追記

シャッタースピードに関しての参考になるページです。

↓広角のほうがより速いSSが必要というのは少し意外でした。



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