魚眼レンズと広角レンズは違うって話。
前回の「広角レンズを買いました」という話の中で、魚眼レンズと広角レンズは違うんだ、という話を書いた。
今回はこれについて詳しく書いていきたい。
そもそも「写る広さが違う」というのは当たり前として、実はそれだけでなく描写として大きな違いがあるのだ。
描き方の違い
まず簡単にまとめると
魚眼は中心が拡大され、広角は隅が拡大される。
ということだ。
これによってそのレンズを使っての描き方がかなり変わるので、それぞれについて書いていく。
魚眼レンズ
魚眼では広い範囲を写しつつも中心が拡大される。
この性質は、メインの被写体を強調しつつも周囲の情報も入れたい、というときにとても有用だ。
さらに、魚眼レンズは一般に焦点距離が短い。
そうなると、マクロ/マイクロレンズと謳っていなかったとしても最短撮影距離はかなり短い。
となると被写体にマクロ撮影的に極端に寄ることができる。
この2つの性質を合わせることで、先述の通りメインの被写体を強調(しかもマクロ的に)しつつも周囲の情報も広く写し込む、ということが可能になる。
広角レンズの魅力
広角レンズの魅力はパースペクティブだ。
よく言われていることではあるがこれにつきる。
遠近感の強調がすごい。
広く景色を写した時に、それに吸い込まれるような圧倒的な感覚を出せるのは広角レンズの魅力だ。
特に直線がビシッと出せる良い広角レンズなら、中心から放射線状に伸
びる画にすると広角レンズらしい力強い画になる。
それぞれの弱点
長所をひっくり返せばそのまま弱点なので簡単に。
魚眼レンズはビシッと直線が出るわけではないので迫力は出づらい。
曲線のぬーんとした画が独特の感じを出すには出すが、広角レンズが持つ圧倒的な迫力とはちょっと違ってしまう。
一方の広角レンズは四隅が拡大される、つまり裏を返すと中心が相対的に縮小されるので主題が分かりづらくなる。
風景など全体に広々とした様子そのものが画になるならいいのだが、真ん中に主題を置くような構図にすると何が見せたいのかはっきりせず弱い画になってしまう。
まとめ
ということで、魚眼レンズと広角レンズというのは、広い範囲が写るという意味では似ているのだがその描写は全く異なる。
どちらかがあればどちらかもできる、というものでは全くない。
だから両方持っているなら場面によってちゃんと使い分けることが重要なのだ。
、、、ということで、富士フイルムさん。
この間も書いた通り、純正の魚眼レンズを早く出してください。
円周魚眼と対角魚眼を切り替えられるズーム(2焦点でも可)を熱烈希望します。