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不惑の韓流女優シリーズ④イ・ボヨン~一筋縄ではいかない母性を演じて~

「女は産む性である」だから、「産む産まないは、わたし(女)が決める」
そのとおり。異議なし。では、「母性」とはなんでしょうか?
子どもを産めるから、産んだからといって、自然に備わってくるものなのでしょうか?
あるいは、母性は、女性が自らの意思で選択するものなのでしょうか?
仮に、選んだからといってそのとおりになれるものなのでしょうか?
これは、難しい問いです。とても一言では答えられない。
だから、答えが出せないその問いを考えていくなかで、新しいドラマも作られていくのではないでしょうか。

シリーズ第4回は、イ・ボヨン。1979年生まれ。42歳
既婚で、2児の母。彼女の夫は、韓流ファンなら誰でも知っている、チソンです。夫婦ともに演技派で、韓国では芸能人理想の夫婦ランキング第1位、ドラマにCMに大人気の女優さんです。

イ・ボヨンは、20代の頃は映画やドラマの主役として抜擢され、売れっ子でしたが、ハードスケジュールがたたってか、演技にも悩むようになり、うつ状態に陥ったこともあると自ら語っています。
しかし、6年の交際を経て、34歳で結婚、36歳で第1子を出産後、38歳でドラマに復帰します。40歳で、第2子を出産し、産休・育休を経て、主演を務めるドラマ『花様年華』に出演しました。

30代で結婚し、出産してもなお、第一線で輝き続けるのは、並大抵のことではありません。「82年生まれ、キム・ジヨン」が社会現象となった韓国社会では、彼女のような存在は、稀有でもあり、憧れの対象ともなっています。

ですから、半面、理想の母親像であるイ・ボヨンは、多様な母性を演じられるわけです。そこが、彼女の魅力にもなっています。
韓流スター同士の夫婦でもあり、プライベートもある程度知った気になっている視聴者にとっては、彼女が、どんな母親でも、時には逸脱した母性を演じようとも、お茶の間で、堂々と安心してみていられるわけです。

イ・ボヨンは、30代に入ってから、演技力の評価が高まりました。出産・子育て経験をとおして、さらにその評価を上げてきています。

高視聴率のドラマに何本もでているイ・ボヨンですが、わたしのオススメはこれ、「マザー~無償の愛~」です。

子役の演技は本当に上手いが、比べては何だが、やっぱり、日本版の芦田愛菜ちゃんの存在感は、特別凄いなと思った。

このドラマでは、これはイ・ボヨンが演じるほかない、ほかの誰にもここまでは演じられないという存在感をみせています。

わたしは、日韓でのドラマのリメイクは上手くいかないと思っていました。韓国人の放送作家と話したことがありますが、やはり同意見でしたが、このドラマは違いました。日韓どちらのドラマも傑作であり、どちらも見て欲しいドラマなのです。

それは、この「母性」というテーマが、国を超えて、現代を象徴しているものになっていて、わたしたちは、そこに真摯に向き合わねばならないからだと思うのです。

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松幸 けい
最期まで読んでくださってありがとうございます。誰かに読んでもらえるなんて、それだけで嬉しいです。もし、気に入っていただけたら、スキしていただければもちろんもっと嬉しいです。よろしくお願いします。