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「がんばっていきまっしょい」コミカライズ版、現時点での感想やけん!
前回の記事
前回の記事では「がんばっていきまっしょい」の聖地巡礼の行先をちょっとだけ分析した。その他にも「雨宮天の松山寫眞旅」に登場した、道後周辺の「圓満寺」や「伊佐爾波神社」、「ミカンジュース蛇口」などにも訪れる方がいた。ここで追記しておく。
今回の記事は「コミカライズ版 がんばっていきまっしょい」についての感想だ。コミカライズ版は文庫版や劇場版と、ストーリーの見せ方が若干変わっている。それに加えて登場人物が「伊予弁」を喋るようになっている。そこを踏まえて今回の記事を地元民目線で書いていく。当然コミカライズ版を読んでから記事を読む事をお勧めします。→こちら
そういえば大不満が一つあったわい!
がんばっていきまっしょいに関しては、基本ワシは肯定的に応援しとるんよ。
やけど、ずっっっと気になっとったことがあって。本編中にはほぼ出てこんけん、すっかり忘れとったんやけど、「三津(みつ)」のイントネーションがちがうんよ!雨宮さんのラジオを最初聞いた時の違和感すごかったんやけん。
雨宮さん、というかほぼみんな「み↑つ」って言いよんよね。「はちみつ」の発音よ。でも全然違うけん。地元民が聞いたら「ああ、この人地域外の人なんやな」ってすぐ分かるんよ。正しい発音は「み→つ」なんよ。
あれはいかん。他は標準語でも、最近の子はみんなそうやけん気にならんけど、松山の人間ならあの三津の発音せんと思うな。何よりあの子ら三津に住んどるのに。一番重要な単語やのに、なんで誰も気づかんかったんやろうねぇ。
ちなみに一番手軽に聞けるのは、伊予鉄の車内放送よ。「みつ、みつです」いうて。
あと、「~やけん」を変換すると、「野犬」になって犬が好きな人みたいになるんよね。みきゃんは野犬だった・・・?
以上なんちゃって方言でした
最近は方言を話す若者が少ない。と言っても自分もまだ30前の若者なのだが・・・。三津の古い人たちと小さいころから過ごしているので、多少は使うこともある。ただコミカライズ版のように若者のコテコテの伊予弁はもはや絶滅危惧種だと思って欲しい。あんな女子高生いるか。
映画はそれを反映して、標準語にした的な事を聞いたことがある。
しかし、田舎の高校生なのに、方言を喋る人がいないから地方を感じにくいという感想もあった。松山市をなんだと思っているんだ。以下、コミカライズ版本編に突入する。
漫画「二宮君厳しくない?」→映画「聖人すぎんだろ・・・」
「はよのり」「最後までがんばれよ!」で第一話に登場した二宮。あえての演出なのか体育会系マシマシオラオラ系のイメージだった。
漫画版の冒頭は、映画版に先がけて公開されており、先行上映よりもまだ先であった。なので漫画を初めて読んだ時点での二宮のイメージは個人的には良くなかった。
「はよのり」は割と冷たい呼びかけ方にとれる。突き放すようような言い方だ。「来た来た、はよ乗って」くらいだと映画版と同じくらいの印象だったかもしれない。
この後、映画を見ると「ボート聖人じゃん!」となるのは、地元民特有のニュアンスの受け取り方をしたからだろうか。
ヒメと悦ネエの渡し船での会話
ここで気になったのは、「悦ネエリレーやら好きやったやん」というセリフである。「リレーやら、かけっこやら」みたいな使い方をするのが標準だと思うのだが、ここでの使われ方は方言なのだろうか?自分が聞くのも変な話だがこれはあまり馴染みがない。
あとは本編や予告でもおなじみの「中の中」発言。ここは改変されてないのか標準語のままである。「~中の中って感じやけん」となると自然だろうか。
ボートに乗りたい悦ネエ
本編と大きく違うのは悦ネエがボートに乗りたがっているところだろう。ぼんやりとだが、自分がボートに乗るのを夢見ているのは、映画では見られなかった要素だ。前向きさが増している印象を受ける。
二宮と創部
二宮の一人称が「ワシ」となっている。今時おらんよ。自分も気が抜けたらたまに出ることはあるが、初対面の女子の前でワシっていうのは田舎者すぎる気がする。
ここはヒメの「帰宅部じゃ!」がかわいい。映画版のイメージなら「帰宅部よ~」の方が地元民ぽいが、ここは「じゃ」で正解だろう。
正確には広島の言葉に近いが、三津は古くから御手洗や倉橋方面の広島地区と関係が深く、広島の方言、関西の方言、伊予弁とすべてがごちゃ混ぜになっている。
艇庫に移動した後は、二宮はだいぶ映画に近くなった印象を受ける。本編の影響は間違いなくあるが。
それと、この後のハラキリの場面もそうだが、きっちり用語の説明がされるようになっている。ワンクールアニメだったら、このような丁寧な説明があったかもしれない。
ダッコ、イモッチ登場
夫婦喧嘩パートは大幅に省略されているが、キャラの性格は十分に伝わる。ただし、気になるのがダッコの口調である。もともとの口調と方言の折り合いが悪いような印象を受け、ちぐはぐなイメージを受ける。
登場シーンはただの荒い口調だが、漕ぎ始めたときは「漕いどるんか?」と方言である。ソフトタイムでも両方が入り交じる。イモッチとの言い合いは標準語で、みんなと話すときは方言かと思ったがそうでもなさそうだ。
そのあとのダッコの「村上しっかり!」は激レアな一文だろう。呼び捨てにしていたと気づく。
さらにこの後の二宮はしれっと「悦ネエ」呼びをしている。
そしてこの後の「やめないでね」って言われた時の悦ネエはとても前向きに見える。鏡のような存在ではなく、しっかりと自分の意思を持っているようだ。
悦ネエが今後抜ける展開は、この「ちょっとした芯の強さ」がこだわりとなり、折り合いが付かなくなる可能性はある。
ソフトタイムに行くまでの流れで気づいた事
数度読み返して気づいたが、梅津寺添いの道を通る時点では、ソフトタイムに行くことは決まっていない。道中でダッコが提案する。
だが、イモッチとダッコの家は真逆の方向である。最初からソフトタイムに行くつもりなら説明がつくが、そうではない。
まあ、学生時代なら仲の良い人と無駄に遠くまで帰る、とか普通にある話だから些細な気づきなのだが。
ソフトタイムの悦ネエ
終始かっこいい。漫画版では過去に男子をきっちり殴っており、それを否定したりもしない。やはり劇場版と性格に違いがある。「嫌なものは嫌」と言い切るところもやはり芯の強さであり、そこが仲間の目に頼もしく映るのだろう。
そして個人的名場面「港山高やな・・・さっき海におった人たちかもしれん」のカット。方言のおかげで、標的を狙うような凄みを感じる。これも地元感あるよね。
そして梅子も方言。セリフ量が少ないのもあるが、この梅子は自然に方言を使っているような印象がある。
今回はここまで
以上、現在まで公開されているコミカライズ版の感想でした。
無理に方言を喋らせようとしていて少し違和感があるが、地元民以外だとこれぐらいの塩梅がちょうど良いのだろう。
コミカライズ含め関連情報は適宜共有していくので、ポストの方もチェックをお願いしたい。
お疲れ様でした。