見出し画像

社内向けメッセージで振り返る、一生に一度の一年間の記録(2020)

2020年に自分はどんなことを考え、何に悩み、何を伝えたのだろうか。

株式会社空では毎週の始めにチェックインミーティングという全社会議を行っています。そのアジェンダとして毎回、「まっつんからの一言」を入れてほしいとHR責任者の田島いっぺーから提案をもらい、自分なりに毎週のメッセージを考え、伝えることを始めてみました。

そのメッセージがGoogleスライドとしてちょうど良く残っていたので、まとめて振り返ってみます。誰にも先が読めないなかで、リーダーとしての判断やメッセージングがとにかく試された1年間でしたが、自分は正しく世界を見れて、適切にメッセージングできていたのでしょうか。そのログを残しつつ、アップダウンをさらけ出しつつ、感想戦をしてみます。

3月

スライド18

スライド19

「まっつんからの一言」コーナーが始まったのは3月からでした。この頃は東京都・首都圏で外出自粛要請が出され、多くの企業がフルリモートでの働き方に切り替えた時期。顔を合わせることが減り、普段以上に丁寧にコミュニケーションする必要もありました。

先が読めない、真実がわからないなかで必要以上に不安になるメンバーや、これまでと同じパフォーマンスが出せないことで自分を責めてしまうメンバー。とにかくその焦りを抑え、冷静さを取り戻し、まずは自分自身を優先してもらうことを考えていたのを覚えています。

4月

スライド17

4月7日に7都府県で緊急事態宣言が発令され、4月16日にはそれが全都道府県に拡大された時期でした。

3月に引き続き、冷静さを保ち、情報を見極めることを優先して伝えています。自分自身は、信頼する起業家や投資家の皆さんがそれぞれの目線から見ている情報を集め、かいつまんで社内に伝えていました。自分だけで悩んで袋小路に入るよりも、複数の視点でものを見ることが冷静さに繋がると考えていた記憶があります。

また、Stay Home生活でのメンタル面への負荷も高まっています(自分もそうでした)。そのケアのためにも前を向こう、世界のためにできることは何かを考えよう、と伝えていました。

このタイミングで書いたnoteがこちらです。

このままリモート化、ディスタンシング前提の生活が続いていくとしたら何が必要になるだろうか、と考えていました。

スライド15

スライド14

4月の下旬にはとても静かな創立5周年記念日を迎えました。改めて心身の健康に投資すること、キツいときには無理せずにアラートを上げることを話しました。

みんなにこのように伝えているときは、実は自分自身も最も苦しいときでした。とにかく毎日外に出ていろんな場所で刺激を受けながら仕事をすることと、自分ひとりで集中して思考する時間を確保することが染み付いていた自分は、Stay Homeな生活が本当にストレスフルだったのを覚えています。

5月

スライド12

スライド11

緊急事態宣言が解除されたのは5月25日でした。

5月は、コロナ禍での新しい取り組み、それこそサバイバルプランに組織全体で取り組んでいた時期です。結果がすぐには現れないことも多く、このプロジェクトに意味はあるのか、自分はチームに価値を出せているのか、ともやもやと迷ってしまうメンバーも居ました。

待っていても風は吹かないから、自分たちで動いて機会を作ろう、閉じこもらずに外との交わりを増やそうと伝えていました。

6月

スライド10

仕事も生活も、なかなか確信の持てない模索の日々が続くなかで、1週間や1ヶ月があっという間に過ぎていく感覚がありました。動くことでしか答えには近付かないけれど、あれこれ考えすぎて足が止まってしまうメンバーのために、この1日やこの1週間だけをまずは濃いものにしようと伝えていました。そのヒントに、J-WAVEのポッドキャストやNetflixで見ていた山田孝之さんの言葉を紹介していました。

7月

スライド9

7月はいくつかのビジネス活動が活発化し、ダイナミズムが少しずつ戻ってきていました。一方でまだ楽観視できる状況ではなかったため、黄色信号モードで行こう、と呼びかけています。

7月22日からは慌ただしくGoToトラベル事業も始まりました。久しぶりに出張にも出向き、ホテルや観光業界の皆さんのお話を直接聞く機会もありました。

8月

スライド8

フルリモートへの移行、オフィスへの解約を経て数カ月ぶりのオンサイトワークを試験的に行いました。ここまでは頭の中の多くが事業面に向いていて、組織面は正直あまりタッチできていなかったことに気が付き、それが新人事制度を考えるきっかけになっていきました。

9月

スライド7

スライド6

9月は改めて自分たちのWhyを考え、何を目指しているのかを言葉にし、社内外に伝えることを意識していました。がらがらと変わってしまったカルチャーを元に戻すのではなく、新しい形を再定義し、もう一度明日へ進む力を結束していく。人事制度や働き方はHowが注目されがちですが、心の結びつきのためにはWhyが何よりも大切だと考えていました。

「CEOの自分から見たら既知で言わずもがなのストーリー」も、繰り返し繰り返し言葉にして伝え、メンバー自身に咀嚼して腹落ちして自分の言葉にしてもらうまでは伝わっているとは言えないんだと、学んだ時期でした。言わずもがなも、言ったほうが良い。

10月

スライド4

10月は新人事制度「WIDE」を基に、新しい働き方をスタート。ドライバーメンバーは週に1日のオンサイトDayを再開しました。

noteにも書いたように、個々の選択を尊重しながら集まっての仕事を再開した理由は、組織の熱量を取り戻すためでした。空のメンバーは、派手に燃え上がるタイプというより、虎視眈々と胸に静かな青い炎を宿すタイプ(実は超高温)が多いのですが、それでもその熱が冷めてはいないか気に懸かっていました。

11月

スライド3

スライド2

11月は自分たちのブランドを再定義する半日合宿、カンパニーコミュニティの始動による新メンバーのJoinなど、よい刺激と動きのあった月です。対外発表含めてやることが多く、アンバランスな状況も続くなかで、ひとつひとつが雑になってしまわないように丁寧にいこうと意識していました。

12月

スライド1

12月は協業の発表や新プロダクトのリリースを行い、長いようで短かった事業と組織のピボットの一区切り(とはいえ一合目)と言える月でした。いくつかのインタビューに答えながら思考が整理でき、未来を手繰り寄せるために何ができるか?という中長期目線のフォーカスに自分自身はシフトしていきました。

振り返り

こうして振り返ってみて思うのは「リーダーシップの良し悪しはフォロワーの支えによって決まる」ということです。全員が未体験の状況下で、僕が絞り出したディレクションを信じて本当によく動いてくれたメンバーに改めて深い感謝を感じています。また、メンタル的にキツい日々を支えてくれたのは常にそばにいてくれた家族と、SNSを通じてゆるく繋がり続けた友人たちでした。

危機下においては、色々なリーダーシップスタイルがあります。伝える情報を取捨選択し、安心して頼れるリーダー像を見せる方法もあるはずです。ただ、この1年間の自分は、危ない状況も、迷っている自分の内面もできる限りさらけ出すことを意識していました。ありのままを伝えても、いたずらに不安にかられることなく、自分で考える力を持ったメンバーたちだと信じ続け、そう信じて良かったと思えた年でした。(それでもまだ格好つけてるよね、と見抜かれるときもあります。まだまだです。)

自分自身を見ると、正解がわからないなかでもスタンスを決める、ということが少しだけできるようになった気はします。改めて、ビジョンとストーリーテリングを担う一人のリーダーとして、このカンパニーのミッション達成に貢献したいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?