FF14モバイルが発表されたので純粋に思ったこと書く
先日、筆者の仕事中に大きなニュースが飛び込んできた。「ファイナルファンタジーXIV モバイル」の発表だ。事前に知らされてた事もなく一般の方と同じタイミングで知った訳だが、一応ゲームライターという肩書の筆者がまず初報を見て思ったことは、驚きよりも不安だった。
多くのスマホゲームに触れる仕事をしている人間としては、あまり言うべきではないかもしれないが、これまでにクオリティは高くても人気が出ずにサービス終了してきたものや、好きなIPのスマホゲームが運営失敗している様子も多く見てきた経験から、どうしても大きな不安を感じてしまう。
一方、その後の発表や吉田氏のインタビュー動画、各メディアの記事などを読み漁ってポジティブに感じた部分も出てきたので、純粋に思ったことを本記事でまとめておこうと思う。
ポジティブに感じたこと
スマホで手軽に遊べる
現時点で細かいシステムなどの発表はされていないが、スマホで手軽にエオルゼアに遊びに行けるのが本作の最大の特徴だと思う。ゲーミングPCやPS5などのガッツリした環境が無くても、それなりのハイエンドスマホさえあれば快適に遊べるだろう。
筆者のような子育て世代の人間からすると、テレビやモニターの前に長時間座ってられる余裕はなく、FF14がやりたくても泣く泣く諦めているような方もいるだろう。
そんな忙しい方でも、スマホで空き時間に好きに遊べるようなゲーム設計を目指していると明言されているので、昨今のスマホMMORPGのようにオートで放置とか、FF14とは程遠い簡略版になってさえいなければ、本当の意味でFF14が手軽に遊べるかもしれない。
ストーリーが楽しめる
本作はFF14を出来るだけ再現するように開発されているとのことで、もちろんストーリーも完全再現されるであろう。サービス開始時は新生(バージョン2.0)から遊べるようで、その後は順次アップデートにて解放していくとのこと。
FF14のストーリーは気になるけどオンラインMMORPGの敷居が高いと感じてた方、序盤のストーリーをもう一度味わいたいけどサブキャラとか強くてニューゲームは面倒くさいと思った方など、様々な方に需要があると思う。
筆者は6.0までしかストーリーはプレイしていないが、そこまでの流れは本当に素晴らしく、もう一度体験できるのであればストーリーを見るだけでも十分にお勧めできる作品だと言える。
ゴールドソーサーやハウジングなども実装
筆者はトリプルトライアドが大好きなのだが、モバイル版でもゴールドソーサーなどの遊びが体験できるのは嬉しいポイント。ポータルアプリ内のトリプルトライアドがサービス終了してしまっただけに、筆者的には注目している。
その他ハウジングや、ギャザラー、クラフトも実装されるとのことで、スマホで遊ぶには気軽にやりやすいように感じる。
吉田氏もガッツリ監修しているらしい
FF14モバイルの開発は、テンセント傘下のLIGHTSPEED STUDIOSが担当。中国の会社だけに不安に感じている方も多いと思うが、筆者が今まで見てきた感じは結構クオリティが高いゲームを作っている印象。
吉田直樹氏を始めとしたスクエニのFF14開発陣も監修に参加しているとのことで、これまで頑張って作り上げてきたFF14の価値を下げるような作品にはしないはずなので、こればっかりは信じるしかない。
ちなみにインタビュー動画も公開されているので、気になった方はどうぞ。
ネガティブに感じたこと
課金・マネタイズ問題
スマホゲームで出ると発表されて一番気になるのは課金要素だろう。既に本作には「ガチャは無し」と明言されている。合わせて基本無料であることも発表されており、どこに課金要素が割り当てられるのかが非常に気になる。
吉田氏は「少しのお金をいただいて長く遊んでほしい」と発言されているが、少しって人によって全然感覚違うので全然安心できない。
FF14は月額料金さえ払えば全てのサービスを楽しむことができ、移動速度が速いマウントとか、見た目に関わる部分とか、課金することで+αの体験を得られるようになっている。
決して全てではないが、中華系のMMORPGは課金要求がエグいことも多く、ガチャが無くてもVIPだとかの宣伝で画面を覆いつくしたり、何度も何度も通知されることもあった。課金しているかどうかで強さに大きく差ができるのも特徴の一つだ。
筆者は無課金でプレイする派でもなく、むしろ結構課金するタイプだが、今のところガチャがないだけで、結局はソシャゲと同じで課金の有無でかなりプレイフィールに差が出るんじゃないかとネガティブに捉えている。とりあえず続報を待ちたい。
スマホが熱々になる
これも重大な懸念ポイント。昨今のハイクオリティゲームは普通にプレイしていてもスマホが熱々になり、電池消耗が半端じゃない。筆者は1年とか2年くらいで直ぐにその時の最新機種に変更するタイプだが、それでも厳しい時がある。
モバイルバッテリーを持てば良いとかそういう問題じゃなくて、そもそも気軽に!と煽っているなら、そこら辺を加味して欲しい。古い機種ならまだしも、最新のハイエンド機種でもそうなってしまうのはダメだろう。
PC版やPS版と比べて特に大きく差が出るのがグラフィックとサウンド部分。今やFF14は広大な土地を歩き回るだけでなく、空も飛べるし水中に潜ることもできる。奥行きや高さもすごいのに、完全再現なんてしたらスマホは耐えられるのだろうか。FF14を彩ってきたハイクオリティなサウンドに関しても、同様に大丈夫なのか。
筆者の予想としては全体的に簡略化されるんじゃないかと思っているが、開発陣は完全再現にこだわっているとのことで、対応機種ではなく本当に快適に遊べるような機種はかなり限られそうな気もする。
バトル中の操作感やシステム面
IDや討滅戦、アライアンスや高難易度コンテンツなど、FF14の楽しさの一つであるバトル要素に関してはそのまま再現されるわけではなく、スキルやギミックなども含めてスマホに最適化されるとのこと。
これは今までのFF14と比べても大きくプレイフィールが変わる部分でもあり、実際にプレイしてみないと何とも言えないが、なんとなく不安を覚えている。
現実問題、そのまま実装されても文字が見えないとか動きが分からないとか大きな問題があると思うが、インタビュー内で言及されていた画面内の仮想バーチャルパッドやスキル面など、画面上のUI表示がカギになりそう。画面が狭そうな予感もする。
FF14はHPバーとかマップとかターゲットとかUI周りの位置を自由に変更できるが、スマホではおそらく自由な変更は厳しいと思われる。ボタンだらけで鬱陶しいゲームもたくさん見てきただけに、すごく心配である。
あと、筆者的には外せないのがマッチング問題。以前シャキ待ちについて書かせてもらったが、モバイル版は大丈夫だろうか。おそらくスマホ人口的にも中々起きる問題ではないと思うが、コンテンツが膨大になってきたときに同じことになりそうな気もする。
こちらがシャキ待ちについて思ったこと書いた記事。気になった方は暇つぶし程度にどうぞ。
アップデートの内容と頻度
FF14は細かい修正を除いて、○.xのアップデートでストーリーやシステム面の改修が行われるが、4~5か月に一回行われるくらいの頻度。モバイル版ではどんな内容で、どんな頻度になるのか気になる。
既にストーリーが出来てる部分に関してはある程度コンスタントにアップデートされるかもしれないが、サブクエストなど膨大なコンテンツを随時公開していくとは考えにくい。
かと言って本家のような頻度ではスマホユーザーには長くて待てないと思う。実際筆者は、ストーリーの追体験ができるのが魅力でスマホゲームの「FF7エバークライシス」をプレイしていたが、ストーリー追加の頻度が遅すぎて離脱してしまっている。
スマホって毎日触るので、日々インした時に変化がないと飽きてしまうんですよね。
運営の方針が本当にそのままいくのか
現時点での運営方針は、FF14と光の戦士をリスペクトし、少ない課金で長くプレイできる、FF14を完全再現する、いつでも気軽にプレイできると、魅力的なものばかり。
しかし、実際にサービス開始後に初動でユーザーが少なかったり、売り上げが伸びないとなると、会社的にマズイ状況になり方針転換からガッツリ課金になったり早期サービス終了したりするのが基本である。
これは中国の会社だから、スクエニだから、とかそういうことではなく事業をやっているのであれば当たり前で仕方がない部分でもある。筆者は十分に理解している。
それだけに、監修しているスクエニも含めてどこまで我慢強く運営できるのか気になっている。PC版やPS版をプレイしている人はパッケージを買ってるし月額料金も払っているので、結構粘り強くプレイしてくれる。しかし基本無料のスマホゲームとなると同じようにはいかない。
スマホゲームは無料でも出来が悪ければ批判されるしすぐに離脱される。どちらが良いとかではなく、そもそもスマホゲームユーザーとコンシューマーゲームユーザーの属性は全然違うのだ。それを運営チームが十分に理解していても、会社側に儲からないと判断されてしまうと今とは全然違う方針に変えられてしまう。
これらの要素から、「どうせ早めにサービス終了するんでしょ」っていう不安を漠然と持ってる人も多いと思う。
筆者は総合的にどう思っているのか
ここまで色んな面から、FF14モバイルがどのように展開され、どこがポジティブでどこがネガティブに感じているかを紹介してきました。最後まで見ていただいて、ありがとうございました。
まだ発表の段階だし配信時期も未定、ゲーム内容の情報も少ないです。あくまで現時点では、プレイ前提で予約(事前登録)しておく価値はあるのかなと評価しています。ぶっちゃけ無料なんだしとりあえず遊んでみればいいじゃんとも思ってます。
ただし、今回書いたネガティブ部分がサービス開始前から見えてくると筆者としてはスルーになる可能性は高いし、お勧めできる作品ではなくなると思います。
FF14ユーザーなのか、ユーザーではないが気になってる方なのか、単純にスマホMMORPGが好きなのかなど、人によって評価は変わると思います。今後ベータテストなどでプレイできる可能性もあるので、まだまだ判断するには早いです。これからの続報を楽しみに待ちましょう。