クリスマス映画「RED ONE」「三十四丁目の奇跡」の考察 ネタバレ。
貧乏人はサンタを信じない。
プレゼントを買う金がないので早々にサンタはいないと教えられる。
僕の家はそうだった。
RED ONEの主人公は、父親がいないって設定で「厳しい現実 The cold,hard truth.」って子供らしくない発言をする。
家でも、世の中でも、世知辛くなると現実的で合理的な生き方を選ぶ。
子供に将来の夢を聞くと10位以内に公務員が入るんだって。
僕の婆ちゃん曰く、
「私が子供の頃から公務員はずっと人気。結婚するなら公務員って小学生から言ってたよ」
クリスマス位、夢見てもいいんじゃないですかね?
映画「三十四丁目の奇跡」
1947年のクリスマス定番映画。RED ONEはその現代版って言える。※
って言っても「三十四丁目の奇跡」にアクションはない。
第二次世界大戦直後のアメリカで母子家庭の子供がサンタもおとぎ話も信じてないって話。
この映画が面白くて、
自称サンタのお爺さんが出てきて、子供に夢を与えるんだけど、
大人が「こいつ頭おかしいんじゃないの?」と訝しんで、
最終的に「サンタか否か」って裁判をやるって展開になるところ。
そこで超常現象、つまり奇跡が起こって皆が信じるって流れなら
想像しやすいんだけど、劇中でベタな奇跡を起こすシーンはない。
「お爺さんがやったかもしれない」って言う憶測しかできない。
それでも子供たちは、お爺さんの言動からサンタと信じていく。
大人も「絶対妄想だって」と思ってるんだけど証拠は出せない。これって悪魔の証明じゃない?
悪魔の証明
「存在しない」を証明することが非常に困難な事を指す言葉。
そもそも、サンタを存在しない事を証明する必要があるのか?
例えば、三十四丁目の奇跡でサンタを信じれない子供は日常がつまらなさそうに見える。
RED ONEのジャック・オマリーも信じれない環境で育ち、金で犯罪を請け負う奴になってる。
三十四丁目の奇跡でも「自分をサンタと思い込む爺さん」より「金と権力に執着するい人」の方が病んでるって思わせるシーンが多い。※2
プラシーボ効果もそうだけど、信じる事が力になる事ってある。
そう言う話をこの二作にはあるよねって言いたい。
因みに両方ともAmazon prime videoで観れるよ。
信じる者は救われるか?
現実だと足をすくわれて終わる。
カルムもそんな世界を見てサンタに辞表を出す。
サンタは「病んだ大人の心の底にかつて子供の心が宿ってる」と言い、それを信じろと言う。
カルムはそれが見えないが、ラストで見えるようになる。
サンタが言うように人を信じれたから。
僕らの現実はそううまくはいかないので全てを信じろとは言えないけれど、クリスマス位は信じてもいいでしょ?ってお話。
備忘録
※1
何回もリメイクされてる。
※2
サンタを統合失調症と判断するエセ精神科医にずっと神経質なチック症状が出てるシーンが特徴的。
グリラ
アイスランドのおとぎ話に出てくる、冬がもたらす死と寒さの象徴らしい。「行儀よくしていないと罰を受ける」という警告に大人が使う。
クランプス
アルプス地方の民間伝承に由来するクリスマスの悪霊。
悪い子供たちを懲らしめる役割を持っています。サンタクロースが「善」の象徴で、クランプスは「罰」を象徴するキャラクター。