ヒロアカ映画「ザ・コンサルタント」ネタバレ考察 絵画解説
推してるヒーロー
僕がマーベルで好きなキャラはスターロード、スパイダーマン、デッドプールだ。
だらしない、オタク、皮肉屋。自分との共通点を探し憧れる。
日本のヒーローで人気なのを調べるとヒロアカの緑谷出久とかソードアートオンラインのキリト。キリトの本名は桐ヶ谷和人。要は日本人。
異世界転生モノでも元は日本で冴えないサラリーマンや学生をやってることが多い。
自分から遠ければ憧れることができない。希望も持てないし自分を肯定できない。
だからマイノリティのヒーローが必要だ。
ポーカーをする犬
表向きの仕事は会計士、会計士は嫌われやすい仕事。よそ者として企業の監査をするので、そこの従業員に疎まれるし依頼主にすら嫌われてそうだ。
経済の健全化に必要な職。そのくせ大金持ちにはなれない。一流でも年収1000万がいいとこ。だいたいは500万以下。資格の取得も難しいらしい。
なのでダサい絵を飾る。高級絵画は飾れないから。ヒロインの父が飾ったとされる絵「ポーカーをする犬」は量産型の安っぽいモノの代表だ。スノードームとかもそう。日本ならライブTシャツとかかな。
要は庶民の趣味。高尚ではないって事だ。
ラストにヒロインに送られてくる絵の中にはジャクソン・ポロックの絵が隠されている。
この映画は絵画がよく出てくる。
フレーム in フレーム
この映画には絵画の様に枠に収まったシーンがいくつもある。
例えば、ウルフがリビング・ロボティクス社に訪れた時、義手と人の手が触れ合う絵が出てくるその絵は研究室の窓を通して映される。ウルフは義手の前に立ち、社長は人の手の前に立つ。
ウルフが自宅でのシーンもそう。キッチンの差し出し口から彼の3にこだわった調理と食事シーンが切り取られてる。
この差し出し口は家宅捜索の時も出てくる。
でそれがなんだよ?っていうと
人は他人の一部分を切り取って評価してるよねって話。
冒頭で幼いウルフの自閉症に対して医師が説明する時、
レッテルを張るのは好きじゃないと言う。普通の定義は?とも言う。
自閉症の症状だけを切り取って評価するなら彼らは異質だ。ウルフはロボットの様にすら見える。
障害福祉事業に力を入れる社長はその部分だけ見れば慈善家ともいえる。
でも裏には事業の為に脱税をしその隠ぺいの為に従業員すら殺すという冷徹さもある。
対してウルフは貧しい農家を助ける一面もあり、芸術を愛し、弟も心配する優しい面もある。
それぞれにヒロイックな面があるって事。
誰でもヒーローになれる側面があるって事かもしれない。
完全無欠の者だけがヒーローになるわけではない。
個性がなくてもヒーローになれますか?
ヒロアカのデクのセリフ。結局、個性をつまり能力を受け継ぐ。
障害も個性という言葉もある。
でも現実はウルフの父が言うように優しい世界じゃない。
父親は彼らが世界で生きれる様に厳しい訓練をさせる。
デクも個性を使えるようになるため訓練する。
ウルフは父の死後も執拗に訓練に励む。
個性だけでヒーローにはなれない。個性を活かし、熱心に取り組むことが人をヒーローにする。
ダサいサンバイザーをかぶり、安物の絵画を飾っていても構わない。
他人とコミュニケーションが取れなくても、落ち着きがなくても構わない。
ウルフは冴えない人間と障害を抱えた人間を代表するヒーローになった。
ヒーローの素質は誰もが秘めているのかもしれない。
ポーカーする犬に隠されたポロックの絵の様に。
だけどその開花には困難が伴う。
備忘録
モハメド・アリも失読症だったという説がある。調べたけど確証は得られなかった。
三が好き。食器や食べ物以外にもペンとか色々あった。
印象派のルノワールと抽象表現主義のポロック
見たものの印象を大切にする印象派のルノワールの絵より
絵を描く過程を大事にするポロックの方がウルフは好き。
「見たものの印象」は「切り取られた印象」に思えるって事かも。
弟もまた窓から見た母親しかみてない。