お母さんの読書感想文「感染症の日本史」
感染症の日本史
磯田 道史 著
文藝新書
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歴史に対する認識が変わった。
これまで、歴史は年号と出来事を覚えるためだけにある、という認識だった。
社会科の中の一つの分野で、テストのためにひたすら覚えるものだったから。
本書で書かれているのは、過去に起こった出来事だけではない。
その時代に生きていた人々が、どのように感染症を捉えて、どのように対処し、どのように生き延びてきたのか、という生活が書かれている。
感染症は、昔から何度も流行を繰り返している。
その度に、未知の世界のものだった。
時代が変わり、対応の仕方も変わっているが、基本的にパンデミックが起これば、数年の間は振り回されてきた。
それは、いくら時が流れても変わらないことなのだとわかった。
歴史に学べ、とよく言われる。
なのに、人は同じ過ちを繰り返す。
感染症のパンデミックには、とにかく人流を止めて、人の接触を避けるべきだが、それがなかなか徹底できない。
経済活動との両立を考慮しなければ、という意見はもちろんわかる。
それでも、何を優先するべきなのか、なぜ歴史から学ばないのだろうか。
正解のない課題に直面している今、判断の材料にできる歴史はたくさんあるはずだ。
場当たり的な対応に終始しているように見える国のリーダーたちは、明らかに責任を取りたくないという態度が透けて見える。
我々、国民一人一人が、歴史から学ぼう。
よく考えて行動しよう。
自分ごととして考えなければならないな、と思った。
2021年4月17日
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