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お母さんの読書感想文「変質する世界」
変質する世界 ウィズコロナの経済と社会
Voice編集部 編
PHP新書
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「これからを本気で考える」
カバーに書かれているキャッチコピーの通りだ。
読み終わって、納得し、改めて自分に向けてその言葉を投げた。
すでにパンデミックとなってから、1年が過ぎようとしている。
予想していたよりも、コロナ禍は長く続きそうだ。
早く終わらせるためにしてきた我慢の数々も、もっと続くとなるとだんだん嫌になり、あれこれ理由をつけてやめようという気持ちになるものだ。
空気を読むことが好きな私たちは、専門家の意見よりも、政府や行政の要請よりも、ワイドショーのコメンテーターの意見に流されやすい。
彼らは、概ね誰かの批判をしているので、それに影響を受けて、つい悪者探しをしてしまう。
だって、我慢ばかりでほとほと疲れているし、誰かのせいにしないとやってられない、という空気を感じる。
そうだよね。
いつまで続くかわからない、となれば不安だよね。
この不安が、心に重しをしているのだろう。
誰かにこの不安を解消してほしいけど、きっとそれは自分の中に持っておくものなのだろうと思う。
「なんとか警察」があふれているのも、不安がそうさせているのか。
必要以上に他人の行動に干渉するのも、その人なりの正義感なのだろうが、根底には不安があるからなのではないだろうか。
不安はそう簡単には消えない。
だからこそ、不安に自分が押しつぶされる方向ではなく、不安だから自分ができることをやって、備える方向に気持ちを向けていきたい。
2021年2月26日
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