お母さんの読書感想文「言ってはいけない」
言ってはいけない 残酷すぎる真実
橘 玲 著
新潮新書
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みんなが本音の部分では「まぁそうだよね」と感じていることに、論理的に説明がされているので、なるほどと感じることが多かった。
遺伝子レベルで予め人生が決められているとしたら、環境も努力も意味がないことになってしまう。
けれども、それでは政治的に、あるいは宗教的にいろいろ不都合があるから、リベラルの人や宗教家が「努力の大切さ」「勤勉さの美徳」などを吹聴するために、適当に(エビデンスを示さず、あるいは歪曲して)遺伝は関係ないと主張してきたことも、わからないではない。
身体的なことばかりでなく、精神的なことも遺伝の影響が大きいとなると、まわりの人たちのことは、どのように考えたらいいのだろうか。
例えば、学校や会社で、メンバーの力量や環境を平均的な状態に保つために、いろんな苦手がある人に対してあれこれ手立てを講じることは、もしかしたら意味のないことなのかもしれない。
前提を、これまでのものから、新しい知見を元にしたものに更新していく必要があるのだろう。
まあそうなのでしょうね、とは思う。
でも、これまでの「努力は美徳」とされてきた価値観に支えられて生きてきた人にとっては、知らない方がいいこともある、ということなのかもしれないな…とも思った。
2019年12月1日
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