お母さんの読書感想文「コロナ時代の僕ら」
コロナ時代の僕ら
パオロ・ジョルダーノ 著/飯田 亮介 訳
早川書房
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「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざ通りだ。
きっと、このコロナ禍が収束したら、私たちは、今起きているいろいろな不都合や不備を忘れてしまうだろう。
これまでも、ずっと同じことを繰り返している。
見たくないものは見ないふりをし、痛みを伴う改善を促されれば、それには気づかなかったふりをするのだろう。
おそらく、これからもこのような「予測困難な事態」は起きるだろう。
地球上でさまざまな異変が起こっている。
それらは、私たち人間のせいだ。
自分たちの生活を便利にするために、自然を搾取し続けてきた。
そのつけが回ってきている。
今回のコロナ禍の騒動を見ていて思うのは、人は何かのせいにして自分を守ろうとするのだということだ。
誰かのせいにして責任を押しつけて、誰かが何とかしてくれるだろうと思っている。
でも、そろそろ目を覚ます時なのではないか。
国の施策も政治家の発言も当てにならない。
専門家の言うことも千差万別だ。
インターネット上の情報は玉石混交で、それに一喜一憂している。
日本人は空気を読んで、自粛要請にも黙って従っていた。
一方で「なんとか警察」が多数出現したり、誹謗中傷が溢れ返ったりした。
人はストレスに耐え切れず他人を傷つけることがある。
けれどもそれに屈せず、他人を思いやる優しさも持っている。
著者の言う「僕は忘れたくない」の言葉に共感して、私もこれらのことを忘れたくないと思う。
そして、世間の狂乱に巻き込まれずに、自分の頭で考えることも忘れたくない。
2020年7月27日
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