見出し画像

お母さんの読書感想文「コロナ時代の僕ら」

コロナ時代の僕ら
パオロ・ジョルダーノ 著/飯田 亮介 訳
早川書房
********************

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざ通りだ。

きっと、このコロナ禍が収束したら、私たちは、今起きているいろいろな不都合や不備を忘れてしまうだろう。

これまでも、ずっと同じことを繰り返している。

見たくないものは見ないふりをし、痛みを伴う改善を促されれば、それには気づかなかったふりをするのだろう。

おそらく、これからもこのような「予測困難な事態」は起きるだろう。

地球上でさまざまな異変が起こっている。

それらは、私たち人間のせいだ。

自分たちの生活を便利にするために、自然を搾取し続けてきた。

そのつけが回ってきている。

今回のコロナ禍の騒動を見ていて思うのは、人は何かのせいにして自分を守ろうとするのだということだ。

誰かのせいにして責任を押しつけて、誰かが何とかしてくれるだろうと思っている。

でも、そろそろ目を覚ます時なのではないか。

国の施策も政治家の発言も当てにならない。

専門家の言うことも千差万別だ。

インターネット上の情報は玉石混交で、それに一喜一憂している。

日本人は空気を読んで、自粛要請にも黙って従っていた。

一方で「なんとか警察」が多数出現したり、誹謗中傷が溢れ返ったりした。

人はストレスに耐え切れず他人を傷つけることがある。

けれどもそれに屈せず、他人を思いやる優しさも持っている。

著者の言う「僕は忘れたくない」の言葉に共感して、私もこれらのことを忘れたくないと思う。

そして、世間の狂乱に巻き込まれずに、自分の頭で考えることも忘れたくない。

2020年7月27日


いいなと思ったら応援しよう!

まったり屋ベティ
ご覧いただきありがとうございます。よろしければ、ついでにブログにもお立ち寄りくださいませ(^o^)→https://mattaribetty.hatenablog.com/

この記事が参加している募集