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お母さんの読書感想文「吃音」
吃音
近藤 雄生 著
新潮社
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吃音の当事者の人生が綴られている。
知らないことは、無関心につながっている。
これまで、どもる人のこと、ぐらいにしか考えていなかった。
原因もはっきりしていないし、治療法が確立しているわけではないことを知り、当事者の絶望を少しだけ垣間見ることとなった。
周りの不理解や偏見が、いかに当事者を苦しめているのか。
無知は、時として大きな罪であると感じた。
当事者が生きる希望を持てないほど追い詰められることがわかったが、それで我々はどう対応したらいいのか…それがわからない。
どうして欲しいのか、それは当事者の考え方や関係性で変わるだろう。
だから、話すことが苦手な当事者に、どうしたらいいのか?どうして欲しいのか?を尋ねなければならないだろう。
でも、それには勇気が必要だ。
著者は一方で、当事者に対しても、吃音がある自分を受け入れ、自分に何ができて、何ができないのかを理解し、周りに積極的に伝える努力が必要じゃないかと迫ってもいる。
周りの不理解に絶望するだけでなく、理解してもらうために前を向くことの大切さにも触れていることに大いに共感したし、著者の誠実さを感じた。
障害の有無に関わらず、やはり人と人のコミュニケーションの大切さを思う。
お互いを理解しようと思う心、相手の立場を尊重すること、それがあれば力を合わせて困難を乗り越えられるのではないか。
無知を恥じるばかりでは何も変わらない。
関心を持ち続けたい。
2019年10月29日
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