50歳専業主婦のもやもや
「ママはなんで働かないの?」と娘から聞かれた50歳専業主婦からの投稿を取り上げた記事を読みました。以下、投稿全文です(ヤフー知恵袋サイトから引用)。
50歳専業主婦。中1の娘から「ママはなんで働かないの?」と聞かれました。
「お金に困ってないし、毎日家族を迎える幸せがあるから」と答えたら、「友達のお家はお金に困っているようには見えないけどお母さんも働いている、迎えてくれるのはありがたいけど頼んでいない、専業主婦で本当に良いの?」と言われました。
学校の課外活動で職業体験があり、その準備の授業を受け、どうやらこのように疑問を持ったようです。先生が一体なんと言ったのかわかりませんが、大変迷惑です。
わたしは高校卒業後アパレルで働いていましたが、その後結婚し、主人のおかげで専業主婦をさせてもらっています。
働いている時よりはるかにストレスもなく、専業主婦が出来ること、家族を毎日迎えられることに幸さと誇りを感じています。
それに娘も夫もわたしがいなければ何もできません。つまり、私が専業主婦である事は家族のためでもあるのです。
なのに娘から「専業主婦で本当に良いの?」と言われ、また娘にそう言わせた学校にも腹が立って仕方ありません。
ただ、気になるのは娘が「私に勉強しろとか大学行けとか〇〇になったらとか言うけど、お母さんは働いてもいないのに、なんで私にはそう言うの?」と言われ、「親だからあなたのことを思って」と言ったものの、どこかで自分を否定する発言のようで嫌な気分になってしまいました。
もやもやして気分が落ち込みます。。。。
専業主婦である事がそんなにいけなかったでしょうか?
また、娘にそんな発言をさせるきっかけを作った学校にも、娘の様子を聞いた方が良いでしょうか???
閲覧数が12万を超えたこの質問、記事にもある通り「働かない理由を家族のせいにするな」という声が多かったようですが、私がびっくりして思わず二度見ならぬ二度読み三度読みしたのは、なんといってもベストアンサーに選ばれた以下の意見です(ヤフー知恵袋サイトから引用)。
私から言わせれば、あなたの家庭が本来あるべき姿だと思います。
かつての日本の家庭は殆ど父親は働いて母親は専業主婦、夫婦共働きの家庭の方が少なかったはずです。
それは昔は旦那の給料だけで家計は支えられていたし、労働環境も毎年昇給してボーナスも退職金も出て終身雇用、年金もちゃんと出る社会環境だったからです。
でも今は旦那の給料は安いし上がらないし終身雇用は崩壊、非正規雇用が増えました。夫婦共働きでなければ家計を支えていけない家庭が殆どになりました。
待機児童問題も保育所の不足も結局は共働きの夫婦の増加で子供を預ける家庭が増えたからです。
質問者さんの家庭は旦那さんの稼ぎで充分に家計を支えていけてるなら何ら問題はなく、比較的恵まれた家庭だと思います。
そういった恵まれた裕福な家庭に対して嫉妬した学校の教師がワザワザ、娘さんに嫌味を言ったのでしょう。
娘さんには、その発言をした教師の名前を聞き出して、何を言われたのか聞き出してください。
こんな事は盛大に教育委員会や学校に抗議して当然だと思いますよ。
家庭の事情、家庭の在り方について一教師が生徒を捕まえて言っていいことではありません。
娘さんには、ちゃんと上記の社会環境について教えてあげるべきでしょう。
友達の家の共働きの家庭は旦那さんと奥さんが共働きしないと家計を支えられないから、そうしてるだけで、うちはお父さんの稼ぎだけで家計は支えていけるし、将来の学費も払えるから問題ないのだということを教えてあげてください。
そもそも社会システムを考えると、それが分かるはずです。
女性が結婚して妊娠、出産したら、子育てに一段落したら職場に、そのまま籍が残ってますか?ポジションや仕事が残ってますか?
要するに仕事を退職するしかないだろうし、祖父母と同居して子供の面倒を見てくれないと仕事の継続は無理な訳です。
旦那が働き、妻が家事と育児に専念するのが本来あるべき姿です。
旦那の稼ぎで家計が回るなら、みんな、そうするはずです。
女性が結婚後も仕事をしたくて、やってるのではなく、そう、せざるを得ないからです。
男女平等、女も仕事をするべきとか、勝手な事を言うのは、社会が誤魔化してるだけです。
突っ込みポイントがあまりに多く、全てに突っ込みをいれたら、このnote、一万字くらいは軽く超えてしまうと思われます。だいたいヤフー知恵袋のベストアンサーってどのように決められているのでしょう?記事の筆者同様、これがベストアンサーに選ばれていること自体が違和感でしかありません。
「本来あるべき姿」
「嫉妬した教師の嫌味」
「共働きの理由は家計がささえられないから」
「女性は出産したら退職するしかない」
「祖父母と同居せずに仕事継続は無理」
「旦那が働き、妻が家事と育児に専念するのが本来あるべき姿」
「女性が結婚後も仕事を続けるのは経済的な理由からそうせざるを得ないから」
失礼ながら、あまりにも決めつけが多く、かつ視野が狭いので、逆にどんな環境で日常を送っていらっしゃる方なのか興味がわいてきます。異なる意見は大歓迎の私ですが、何事も「こうあるべき」と決めつけられるのには抵抗があります。専業主婦可否以前の問題です。
どちらも経験した私は、専業主婦と働く女性に優劣はつけられないという立場です。どちらも大変な部分があり、楽しい部分があります。両者の優劣をつけるのはリンゴとオレンジを比べるようなものでありナンセンス。あくまでも個人の選択、好みの問題であり、本人が幸せならどちらの立場であろうと他人が口を出すことではありません。
私は大学を卒業後、ビザ申請中、産休中、病気で休職中以外はずっとフルタイムで働いてきました。20年以上も働いてきた理由は、「働くのが好きだったから」につきます。「働かざるを得なかった」のではなく、「働くことを選んできた」のです。
同居している祖父母はもちろん、兄弟も親戚も周りにいない海外で子育てもしてきました。この地に住む周りの友達や知り合いも状況は同じようなものです。しんどい時もありましたが、私のような凡人でもやってやれないことはないのです。
日本とカナダでは保育を巡っての状況が違う?そういう一面はあるかもしれません。しかしながら、共働き夫婦がこれだけ増えている状況をみると、皆が皆「祖父母と同居」できるとは思えません。
現実は、外部資源を活用しながら「基本は夫婦ふたりで何とかやりくり」をしながらの子育てしている家庭が多いのではないでしょうか。
「共働き・子育て中・双方の両親の援助(手助け)なしの方いらっしゃいますか?」 というトピックを読売新聞の発言小町で見つけました。 皆さんいろいろと工夫されているようです(以下は発言小町から引用)。
✔家電で時短。乾燥機つきの洗濯機、食器洗浄器、自動床掃除機など、最高級の機能のものを選ぶ
✔外食、出前、宅配、惣菜利用
✔ハウスキーパー、シッターさんやシルバーさん、地域のファミリーサポートを活用
✔託児所は病児用も含め複数確保
✔掃除・洗濯等の家事は省略化・外注
✔子供の病気には有給で対応
いやー、お金かかってますね〜。私自身、子供が小さかった頃は、入ってきた月給がそっくりそのままシッターさん、保育園、アフタースクール、サマースクール費用等に消えていったのを思い出します。
「男が働くべき」ではなく、男でも女でも外で働きたい人間は外で、専業主婦/夫したい人間、あるいは病気・失業等で働きに出たくても出られない状況にある人間は家で働く(あるいは単に家に居る)、それでいいのではないでしょうか。
「専業主婦で本当に良いの?」と問われ「専業主婦である事がそんなにいけなかったでしょうか?」となる思考こそに、質問者である50歳専業主婦さんが抱えているもやもや解決へのヒントが隠されていそうです。