従業員の困りごと⑲
当店は、地域に密着したベーカリーショップです。店内にはカフェもあり、常にお客様で賑わっています。
彼は、障害特性から、あいまいな表現が苦手で細かいところにこだわることはありますが、当店がオープンした当初より約50種類のパンを毎日製造しています。
彼には「先輩社員として、もっと皆をリードする存在になって欲しい」との想いがあり、ステップアップとして、食パンのスライス作業を任せることにしました。
いきなり一人で任せるのではなく、見守りの人員を配置し「大丈夫」と声をかけ、「やってみせてやらせてみせて」を繰り返し行いました。
最初は、何度やっても厚みが揃わない、見栄が悪いなど商品になるまでには至らず、不安になっている様子でした。
そこで、「うまくできたら直ぐに褒める」を実行して“承認”のサインを出すこととしました。その結果、彼の安心感、達成感につながり、きれいにスライスできるようになっていきました。
更に新しい業務として、午後1時の売上と在庫量を調べて、それぞれのパンの追加生産を判断するという重要な業務を担ってもらうことにしました。
そのために、追加生産が判断できる「あいまいな表現のない一目見てわかるシンプル」なシートを作成しました。
彼は、このシートと売上金額を照らし合わせることで、徐々に迷うことなく追加生産の計画を報告できるようになっていきました。
彼が新しい仕事を任されステップアップしていく姿を見た後輩社員からは、「彼のようになりたい」との声も聞かれ目標にもなっているようです。
YORISOU社会保険労務士法人の宮川です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!
*本文の内容は、行政機関で紹介している障害者雇用の事例集などを参考に 作成しています。