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バーチャル短歌結社・四号線 第1巻第4号2021年6月

・短歌連作「迷想」

すごく近くを過ぎる自転車の眼が眼が何も見てないビー玉の色

集中せよ、集中せよと言うだけは 楽だ どこへは個人のタスク

坂道の上に立とうとする者が背後の雲に押されて転ぶ

善悪の彼岸で過ごすピクニック言葉のまえでみんな対等

週末の酒場の話題ありふれる人の生き死に以外なんてさ

食器棚どうしようもなくすこし開き朝の乾いた風を吸い込む

イヤホンの「ジムノペディ」は遅すぎて雑踏も死も追い越してゆく

さっきから打ちひしがれた感じしかしない 来るべき朝じゃなかった

「悲しい」と「嬉しい」は共存できる手応えがある 庭のスズメよ

生と死をいったん別個に想おうか迷路の隅に溜まる寂光


 ・雑感

ある程度テーマを決めて書き始めた今月だったが、無理だった。失敗したとはぜんぜん思わない。そのときそのとき歌の外部のノイズの侵入をゆるすのが自分の姿勢なのだろう。連作ってなにかということは、明確な基準は数だけなのだから、たとえば作中主体のコンシステンシーなど些末事だと思った。

もし、短歌を書いて何らかの金銭的サポートをいただけたなら…、奇跡的に嬉しいです、踊っちゃいます😊もちろん少額でオッケー、死ぬまで感謝し続けます🥹