バーチャル短歌結社・四号線 第1巻第6号2021年8月
・短歌連作「なにを観るかは自由」
射精して何かを赦されるような気がした頃の「ノルウェイの森」
かなしくて でもその先を見据えつつ言葉を紡ぐ 深夜(よる)のファミレス
気分だけ迷子になって路地に入る 夕暮れ電車は定刻どおり
どの歌も短歌の外へ逸れて佳く明るく元気に酷暑を超える
あちこちに小さな虹が棲みついて駐輪場のカラフルな午后
知らないで終わっていいよ戦争に反対するのに理由はないし
痩せたねとまたも言われてそのわけはわかるけれどもわからぬ振りし
足もとを蝶の死骸のひらひらと なにを観るかは自由であって
夕雲に浮く飛行機がかるそうだ 二学期待っているひと、いるの?
令和の子きれいきれいと指を差す画面の中でひらく花火を
人はサァ前触れもなく狂ったり死んだりもする とりあえず泣く
・雑感
日、短くなりましたね。夏、終わりますね。短歌というサイズの決まった表現を使って、その定型という枷を力に変えて、きっともっと広い世界へ言葉をデリバリーできる感覚がある。これがある限り、詠みつづけると思うんだ、僕は。「マギアレコード」というアニメを見ながら、そんなことを思っている夏だった。まあ、まだまだ暑いんだけど。
もし、短歌を書いて何らかの金銭的サポートをいただけたなら…、奇跡的に嬉しいです、踊っちゃいます😊もちろん少額でオッケー、死ぬまで感謝し続けます🥹