なぜ業務委託ではなく社員を採用するのか
こんにちは、オプティマインド代表の松下健です。
先日、「業務委託ではなく社員として働いてもらう理由」について話をする機会があったので、対談形式での記事にしてみました。
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サマリ
端的に言えば、「ビジョン・ミッションのもとで共通の価値観を持って、全人間的に時間や空間を共有することができるのは社員という位置づけであり、それが結果として社員にとってもかけがえのない人生の豊かさとなり、会社にとっての事業成長のための近道だと思っているから」です。
仲間と一緒に新しい世界を創り上げていけるんだと思ってほしい
ー ここ数年で、リモートワークが増えてきましたよね。
(松下)そうですね。オプティマインドでもフルリモートの社員はいますよ。
ー フルリモートの方は業務委託ではなくて社員なんですね。
(松下)そうなんです。1か月に一回は社員全員で集まるようにしているので、少し顔は合わせるんですけど、やっぱり機会は少ないので業務委託との違いは何だろうって考えたことがあります。
ー 社員と業務委託で何が違うと思いますか?
(松下)「共同体への帰属意識があるか」だと思います。大前提、業務委託を否定的には全く思っておりませんし、弊社も沢山の業務委託の方々に支えられています。そして、業務委託の方々が帰属意識を持っていないと主張したいわけではありません。ですが、社員として集まってくれている以上、会社のビジョンに共感していてほしいし、仲間との関係性を構築して成長してほしいと思います。
ー 目標や目指すべきところが一緒の仲間がいるのは大きいですよね。フリーランスだとどうしても個人個人になりますし。
(松下)そうですね。「仲間たちと共にこんな世界が創れるんだ」と思ってほしいです。自分が得意なスキルで会社に貢献してもらった結果、会社にとっても自分にとってもプラスにできる組織でありたいと思っています。
何ができるかより同じ共同体にいてほしいか
ー 自分のスキルを活かすという点だと、まさに業務委託がそうですが、そのあたりは社員とどう違うと思いますか。
(松下)確かにそうですね。ただ、社員だと活かしたいスキルが変わっていってもいいんですよ。営業だけじゃなくて、技術に興味があっていいし、マーケティングに興味が移ってもいい。入社後に「営業スキルのある人がそのスキルで会社の事業成長に貢献したいと思ってセールスを担当する」のと、「営業スキル以外は一切会社から求められていない」というのは、似て非なると思っています。その先とか、変化があっても良いのが社員なんですよね。なのでジョブ型採用とか、機能主義みたいな組織はあんまり好きじゃないんです。
ー ジョブ型採用や業務委託だと自分の専門範囲内での仕事になりますもんね。
(松下)業務委託の方にはミッション・ビジョンに共感してほしいというのは強く求めないですし、その人の持つスキルや機能と契約をしているイメージです。社員の場合は、その人の持っているスキルに給料を支払うというよりは、その人の価値観、能力、人間性など、その人自身との契約のような感じがしています。
ー 確かに、新卒採用は当然ながら知識・経験がないですけど、そこから会社が仕事を教えて成長していく過程がありますよね。
(松下)育成することを踏まえての採用ですよね。
ー そうです。
(松下)あとは部署異動もありますしね。業務委託だと基本的に業務内容は変わらないですが、社員は部署が変更になっても会社の一員として同じ目標に向かって進んでいく。
ー まさに共同体ですね。
(松下)はい。採用する時もその人は何ができるかよりも、その人がどれだけミッション・ビジョンに共感しているか、通ずる価値観があるか、その人に我々の共同体に入ってほしいかどうかを重視しています。
変化の激しいスタートアップだからこその社員
ー 最近は個人で働く人も増えていますけど、オプティマインドさんが業務委託ではなくて、社員という雇用形態をメインにしている理由はありますか。
(松下)すべて業務委託の方々で構成された上で、オプティマインドという会社が事業成長をするには、必要なピースが全て分解、構造化されていて、完璧に細分化されている状態で「あなたはここをお願いします」、「あなたはそっちをお願いします」って振り分ける必要があります。でも、スタートアップだと必要なピースは常に変化をしていくんです。営業をやりながらマーケもしなければならなかったり、エンジニアが営業と連携して現場に張り付く必要もあったり。そのときに業務委託だけだと、想定外に発生した契約範囲外のことが三遊間に落ちてしまうことがある。
ー 変化の激しいスタートアップだからこそ、社員という選択を取るのですね。社員を採用するときと業務委託でお願いするときの違いはありますか。
(松下)スキルや機能を主語に置くか、会社のミッション実現や自己実現を主語に置くかで、業務委託か、社員かが変わってくると思います。あくまでも営業やマーケ、開発は会社のミッション実現のためのHOWとして存在しています。なので営業に注力するときは、マーケの人も営業を手伝うかもしれないですし。もちろん個人個人で得意なこと、不得意なことがあるのでそれを基準にしていますが、オプティマインドは今、変化や成長のフェーズなので社員が必要なんだと思います。
ー 必要なピースに機能を当てはめるのではなく、形が変わるピースにその都度適応しながらHOWを変えていけるのは社員ならではですよね。
(松下)そうですね。やっぱり合理的に成り立ってる会社というのには正直、自分自身が惹かれないです。合理性ももちろん大切なのですが、それだけでは得られないものもあります。例えば帰属意識は社員だからこそ強く生まれると思います。
ー 帰属意識が高まると、より一層頑張ろうと思えるのかもしれないですね。
(松下)帰属意識がなくて、業務委託として働くのはもちろん正しいんですけど、そういう方が社員である必要は強くないんですよね。
ー 社員の方にはどう感じていてほしいですか。
(松下)社員として働いてくれる方に、「自分はオプティマインドの一員だ」って胸を張って言ってもらえるような会社にしていきたいです。私が会社を経営している根底には、「時間と空間をみんなで共有しながら新しい世界を創り上げるプロセスにワクワクしたい」という気持ちがあります。私がお客さんに「オプティマインドのおかげでこんなに物流現場が良くなりました!」と言ってもらえることよりも、お客さんから社員に言ってもらえることで社員の自己効力感が得られることのほうが嬉しいです。また、社員から「オプティマインドに入って良かったです!」って言ってもらえたときには最高に嬉しいです。目に見えないものから感じ取れる喜びは会社を成長させていける大切な要素の一つだと思っています。
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