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誰も教えてくれないミックスの基本① 音量調節編

こんにちは。作曲家の松下です。
前回の記事ではミックスの心構えの部分について説明しました。

今回は自分の頭の中にミックスイメージが出来たあなたに、
具体的にどのような方法でミックスに生かしていけば良いのかをお話ししたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです!

ミックスの基本は音量調節

まず、ミックスの基本は音量調節になります。
ミックスというとまず、何かプラグインを指すのか?と思われがちですがそうではありません。ミックスの良し悪しの8割は音量調節です。
正しく音量調節ができていないと、しっかりと頭の中でイメージしたミックスにはならないです。

音の距離感を意識する

ではどのように音量調節するのかというと、意識するのは音の距離感です。
単純に近くで鳴らしたい音は大きく、遠くで鳴らしたい音は小さくすれば良いのですが、ここで大きな落とし穴があります。

大半の人は、目立たせたい楽器を前に持ってこようという意識を持ってミックスしますがそれはあまりオススメしません。理由は、あれもこれもと数々の音色を前に出していく事で最終的に平坦なミックスになってしまうからです。

奥に空間を作るイメージ

これはとても大事な事なのですが、ミックスで立体感を出すには前に空間を作るより奥に空間を作っていくイメージの方が上手くいきます。

なので大きい音に意識を向けるより、小さい音に意識を向けて奥に持っていくようにしましょう。
そうすれば相対的に、前に持ってきたい音が勝手に全面に残ります。これがミキシングの基本になります。
楽曲制作の時からこの点に意識を置いて制作していると、後のミックスが楽になります。

楽曲全体を客観的に見る

また注意点として、楽曲全体を客観的に見る事がとても大切です。
本当にそれだけの音量が必要なのか?もっと大事な音があるのではないか?を常に意識する事です。
例えばちょっとしたアクセントで入れた楽器は、作り手としては目立たせたい音であったとしても全体的に見ると隠し味程度にしておくのが良い場合が多々あります。特にメインでない楽器の音量を調節するときは意識してみましょう。

音と音の相対的なバランス

ここまで見ていただいた方々はもうお気づきかも知れませんが、結局は音と音の相対的なバランスをどうするか、ということに尽きます。
これはすなわちどういうことかというと、「何かの楽器の音量を上げる」ということは、「それ以外の楽器の音量を全て下げる」のと同義ということです。
例えばキックの音を上げた時、キック以外の全ての音を意図して下げている事になります。これを意識している人は滅多にいないので、普段から意識してミックスをする事で差をつけることが出来ると思います。

まとめ

  • ミックスの良し悪しの8割は音量調節で決まる。

  • 音量で音の距離感を表現し、すべての楽器を前に出しすぎないようにする。

  • 奥に空間を作ることで立体感のあるミックスが実現できる。

  • 楽曲全体を客観的に見て、各楽器の重要度に応じた音量バランスを取る。

  • 音と音の相対的なバランスを意識し、一つの楽器を上げると他の楽器が下がることを理解する。

アクションプラン

  1. 音量調節と音の距離感を意識する:各楽器の音量を再確認し、近くに感じさせたい音と遠くに感じさせたい音を明確にしましょう。

  2. 奥行きのあるミックスを目指す:前に出すよりも奥に空間を作るイメージで、小さい音に意識を向けて奥に配置します。

  3. 楽曲全体を客観的に捉える:自分の楽曲を第三者の立場で聴き、各楽器の重要度と相対的なバランスを考慮して音量を調節します。

今回の記事の内容が実践できれば、ミックスの8割はマスターしたも同然です。
ただ完璧に出来るようには何度も意識しながら訓練することが重要になってきます。

次回は音量調節の次に意識すべき、エフェクトプラグインについて大事なところをお話しさせて頂きます。とても先入観や勘違いが多い部分でもありますので、楽しみにして頂けたらと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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