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あのラストは避けようがなかった?「帰ってきた宮田バスターズ(株)」
前回のnoteで書いてなかった部分
「宮田バスターズ」は、宇宙生物に襲われた人のところにいち早く駆けつけて駆除をしてくれる。だが、車ごと家に突っ込んで破壊して侵入したり、駆除用のタンクから宇宙生物が死に絶えるであろう成分をさながら消火器のように噴射したりする。人体への影響も気になるし、死への脅威から助かった人も、まるで台風か大地震が襲ったかのような家を見て途方に暮れてしまう。(あとから掃除屋が来るようだが)
そう言えばアベンジャーズという映画でも、彼らのヒーロー活動における破壊活動の被害は甚大で、ついには多数の犠牲者を出してしまい、彼らの活動を国連で管理するソコヴィア協定が採択されるほどとなってしまったことがあり。なんだかその点と似ている。
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さらに、大ヒットに調子に乗っていたら競合他社に市場を横取りされてしまう
おそらく助けられた人々は最初こそ感謝していただろう。だが、宇宙生物が日常になり、食べる人も出て来た位に身近になった影響もあり、感謝は薄れていってしまった。それよりも自分でも扱える手軽な「光線銃」の方を選んでしまうのは、まあ、しょうがないですよね。
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歓迎してくれるマスコミたちに愛嬌を振りまく宮田社長
画像出典:映画の時間公式サイトより
誰でも倒せる「光線銃」登場により、彼らの役目は無くなる
私、実は大量に「光線銃」を購入する宮田社長を見て、ああ、他社製品をとことんまで社内で研究し尽くして、起死回生のアイテムを開発するんだろうなと思ったのですよ。そしたらまさかの展開!?
あと、愛社精神が半端ないと思っていたので、コンサルと称してだまして入って来た人達を逆に利用して宮田バスターズの名をそのまま生かす方向にもっていくのかと思いきや。初期のぜったいつぶすもんか!精神はどこへ?会社のためならプライドを捨てる!という気概があれば、会社は存続できたかもしれない。
あのコンサルも根っこのところでは宮田社長を尊敬していたのだから。それをしなかったのが悔やまれる。そうなっていたら宮田バスターズ2が出来たかも?
「宮田バスターズ(株)」のラストは必然だった・・・
中小企業の倒産原因って結局なんだろうと、ふと思い調べてみると
中小企業の倒産の原因ランキング! 会社を倒産させないための対処法
マネーイズム というサイトによると倒産原因は下記に分類される。
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1位 販売不振
宇宙生物を倒すというサービス自体のクオリティは良くとも、アフターサービスが悪い点や、倒壊の危険を伴う破壊行動による救出作戦。おそらくあの世界でのクチコミでもジワジワと、「命は助かったけど、家が半壊し借金を背負ってしまった。光線銃を買って自分で倒せば良かった。評価は3です」とか色々言われてしまい、稼働がどんどん減っていったと思われる。
2位 既往のしわよせ
下記の説明にあてはまってしまう会社。先代から続くわけではなく一代で築いた地位ではあるが、特に「長期的に業績が悪化しているのにも関わらず、それを把握していない」点は気になる。
3位 過少資本
資本の額は不明だが、光線銃にお客を取られたことで、資本自体は減って行っている。と、いうか元々かつかつ経営から大ヒットの段階でどのくらい資本を残していたのだろうか。
4位 放漫経営
宮田社長は、人情深いが経営能力に関しては疑問が残る。初期の利益が出ていた時は分からないがそこで次の一手を打たずに、タンクでの駆除とそれに伴う破壊活動を改善しなかった段階で、ああなるとはだれもが思う。
ワンマン経営ではあったが右腕となりうる人物であるシバタにもっと権限委譲すべきであったのでは。あと、経営が分かる人。
5位 連鎖倒産
駆除のための道具は基本的に今いる社員による企画・設計・開発をしているので大丈夫そう?と思いきや。部品の販売会社も光線銃の方にも手を伸ばしていれば安泰だけれども、宮田バスターズが発注している先がもし専属であれば、部品の会社の倒産が先か・後か。どちらにせよ巻き込まれる可能性あり。
6位 設備投資過大
設備投資は、あの小さな事務所から東京の広いオフィスにする、といったことはしない点は良かった。危なかった。ですが駆除の器具を開発する部屋があるはずで、そのあたりにお金がかかっている点が気になる。
7位 信用性の低下
これまでの実績で多くの人から信用されてきた宮田バスターズ。他者の光線銃が話題になった時も、昔を知っている人は応援してくれていた。が、前述のとおり、クチコミの影響などで信用性は低下していそう。
など、原因は一つではなく様々な要因でのラストだったと思われるが、それにしても悔やまれる。色々考えさせられる作品でした。いやあ、なんだかんだで面白い!
池袋シネマ・ロサで公開中!
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東京都:池袋シネマ・ロサ 2022年8月20日〜9月2日
大阪府:第七藝術劇場 2022年9月予定
愛知県:大須シネマ 2022年8月29日〜9月11日