20240925 心理尺度の項目作成へのAI活用
先日,最新の心理学の研究動向に取り残されてばかりなので少しでも追いつけるようにとAPAの記事が更新されると通知が来るサービスに登録したことについて書きました。
で,本日『Psychological Methods』誌から通知がきました。この雑誌は数学的な要素が強くて私が読んでもわかりません…とは思いましたが,現在KFCが「#挑戦してよかった」というハッシュタグで記事を募集しており,あのカーネルサンダースおじさんはKFCを作ったのが65歳ということを知ったのもあったので,それにあやかって私も頑張りたいと思い,年寄りの冷や水とは思いつつ記事のタイトルにざっと目を通すことに挑戦してみました。
「ペアワイズ近似時空間対称性アルゴリズム: 時系列ペアをセグメント化する方法」とか「ロバスト分散推定を用いた単一ケース実験デザインのマルチレベルメタ分析」とかまさに魔術書の呪文レベルに意味不明なタイトルが並ぶ中,私でも少し意味が分かりそうなものが以下の論文でした。
Götz, F. M., Maertens, R., Loomba, S., & van der Linden, S. (2024). Let the algorithm speak: How to use neural networks for automatic item generation in psychological scale development. Psychological Methods, 29(3), 494–518. https://doi.org/10.1037/met0000540
基本的には,心理尺度を作る時に,その尺度を構成するためにこれまでは概念を表す様々な項目をある意味あてずっぽうというかそれぞれの個人的なやり方をつかって尽力で何項目も作っていましたが,その項目作成をAIを用いて行うPIG(Psychology Item Generator)を作成してみたようです。
PIGはプロジェクトWebサイトから利用可能のようです。
サンプルとして提示された「放浪癖尺度」の尺度項目や,BIG FIVEの項目なども自然な項目ができているな~と思ったりしました。
個人的にはこのプログラムを活かして「児童用,青年用,成人用,老人用」の項目を自動作成してくれるとより良いのになあと思ったりしました。
正直PIGのプログラムの意味も分かりませんでしたし,自分で項目を作ってもらうこともまだ試せていないのでこの論文の意味を全然把握できていないのですが,AI利用などの最新の状況を少しでも覗いてみられただけでもこの挑戦は自分には意味があったと思いたいなと。