20240814 リスキーシフトに関する意外な事実
みなさま「リスキーシフト」という心理学用語をご存じでしょうか? 集団での意思決定は極端化することが多く,特にそれが危険をともなう方向に変化する場合を「リスキーシフト」と呼ぶといった感じの知識を有している人は多いのではないかと思います。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」ということわざの背景理論として説明したりすることも多いかなあと思います。
また,「意見は危険な方向にばかりいくのではなく安全第一の方向にいくこともあって,その場合はコーシャスシフトや安全主義シフトとよばれるといい,それらを合わせて“集団極性化”と呼ぶなんて感じでセットで説明されること多いと思います。
これは講義中に小集団を組んで実際に意思決定課題をしてもらいそれでリスキーシフトが起きるかなどを体験してもらことがしやすいので多くの大学の授業で取り上げるられることが多いのではないかと思います。
なので,日本でもいっぱい研究がなされているのだろうなあと思って,CiNiiで「リスキーシフト」で検索してみると…なんとでてきたのは9件のみ!しかも重複して登録されているので基本的には5件しかありませんでした!
ぱっとみつかったもので本文が無料で読めそうなのは以下のものでしょうか。
【書誌情報】
足立哲朗・草野康宣・辛島光彦 2002 ネットワーク会議における意思決定のリスキーシフトに関する研究. 人間工学, 38(Supplement), 564 – 565.
リスキーシフトは一般の言葉で心理学の世界では心理用語として認められていないのかな?集団極性化ではいっぱい研究があるのかな?と思って「集団極性化」で調べても11件のみ…。
確かに,「リスキーシフトの専門家」といわれてパッと思いつく先生はいないよなあ…と。
でも,これだけ専門に研究している先生がいなさそうなのにこれだけ知名度の高い概念というのは結構珍しいのではと思えます。
ただ,もしかするとリスキーシフトや集団極性化という用語以外ではよく研究されている可能性も否定できないのでまたそうした用語が判明したら続きを書きたいと思います。