20250120 共通テストの「新傾向」について ~模試が邪魔になる可能性
今回の共通テストは情報の試験が増えたり国語の解答時間が10分延びたりと高校の新課程への対応などで新傾向の問題が多くみられたようですね。
【書誌情報】
高校生新聞ONLINE 2025 共通テストを終えた受験生の声「見たことない形式」「『推しトーク』に親近感」.(2025年1月20日閲覧.)
https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/12411
新傾向の問題がでるとそれで焦ってしまっていつもの調子がくるってしまう受験生もいて大変だろうなあと。
しかし,自分が受けた時なども,少なくとも1つの教科は「いきなりの難化」「予想されない出題傾向」とかがあって大幅に平均点が下がったりしていた記憶があります。また,これまでのセンター試験や共通テストに関するニュースをこの時期耳にしてきた経験から思うに,この共通テストというのは,「何かしらの新傾向の問題を入れて受験生の対応力を測定する」という役割を担わされていて,その傾向は共通テストになってから特に色濃くなっているような気がします。
これはまあ試験による学力測定の「初見主義」や,知識だけでない対応力や応用力を測定したいという要望から仕方のないことだと思いますし,こうした新傾向の問題を入れた方が確かに大学卒業後の成功につながる人間力的なものを測定できてよいのではと思います。
そういう意味では,受験前に受ける模試の役割が「本番前に本番的なものを受けることで本番慣れする」ものであるとすれば,模試でも「新傾向」を出す方が良いと思うのですよね。そんな感じで「慣れていない問題に触れる機会を増やす」ことでしか慣れていない試験に落ち着いて立ち向かう姿勢を体得することは困難だと思います。
しかし,おそらくなのですが模試の場合「これまでの試験の再現性」を目指すことが多く,「これまでに出された新傾向の再現」は積極的になされても,「これまでに実施されていない新傾向」を出すことはあまりしていないのだろうと思います。
そういう意味では模試を何回受けても「既知の新傾向への慣れ」を増すことしかできず,それで「実際には旧傾向だからでるはずがない問題への慣れ」ばかりを増すことで逆に新傾向の問題をみたときの戸惑いを増してしまうのではと思ったりします。
そういう意味では,源氏物語がでるとかそういう意味での予想ではなく,「新傾向の予測」が得意な予備校の授業や模試が今後重宝されていくのだろうなあと。