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趣味のカメラで撮影依頼をいただき舞い上がってしまった私が見た、インドで感じる日本の魅力

Japan Habbaは「Japan(日本)」と、カンナダ語で「Habba(祭り)」を組み合わせた言葉だそうだ。日本とインドの文化交流イベントが2025年1月12日(日)にバンガロールで開催され、私はカメラマンとして参加させていただいた。

他にもカメラを持っている日本人は、バンガロールにいるだろうけど、10月に開催された秋祭りで撮った写真を勝手にシェアしたところ、Japan Habbaの運営の方から「ぜひ撮影をお願いしたい」と声をかけていただき、舞い上がってしまった。

趣味で撮影している写真を通じて、このような依頼をいただけるなんて嬉しかった。日本だとプロのカメラマンがたくさんいるので、こうした役割をいただけるのはないだろう。海外在住者の特権だとも思う。

イベントは、チケット制にも関わらず約15,000枚も売れたそうで、会場は大盛況。おかげさまで会場はカオスだった。

会場の一角に設けられたアニメクイズコーナー。そこには、押し寄せる人々で溢れかえった熱気があった。最初は、「クイズなんて、そんなに人が集まるものかな?」と軽く考えていたが、予想を大きく裏切られることになる。

大きな歓声と拍手が沸き起こり、周囲には笑顔が絶えない。言語や国籍を超えて、人々をこんなにも熱狂させるものがアニメにはあるようだ。

メインステージでは、日本からやってきたRyoma Quartetの演奏。バイオリン、津軽三味線、篠笛、鼓による四重奏。衣装は袴。とにかくノリが良いインドの観客たち。こんな環境で演奏できるなんて楽しいだろうな。

書道・折り紙など、こちらも人気コーナー。


浴衣コーナーでは、浴衣はマジックテープ式で簡単に着られるように工夫されていて、誰でも手軽に日本の夏を体験できる仕掛けが施されている。

日本人なら、浴衣の柄や色に合わせて帯を選ぶのは自然な感覚だ。しかし、ここでは浴衣と同じ色の帯を選ぶ人もいて、その姿がなんとも微笑ましい。この色彩感覚の違いは、日本で育った私たちにとっては「当たり前」のものだけれど、異文化の中では新鮮な体験なのだろう。改めて、日本人が無意識に持つ配色の感覚って特別なのかもしれないと感じた。

そして、顔立ちのはっきりしたインドの方たちは、ビビットな色の浴衣が似合う!袖周りや首回りも気になり、もう少しちゃんと着付けてあげたいなーと、スタジオアリスでバイトをしていた私は思ってしまうけど、みなさんが楽しそうであればそれでいい。

ゲームコーナーは、子どもから大人まで夢中になっている人々で賑わっていた。そしたら、秋祭りに来てくれていた方に遭遇!アジア人って少ないから、どこに行っても目立つんです。みんなすぐに顔と名前を覚えて「Hi~!」って声かけてくれる。

日本食フードコート。その光景は、「カオス」と言いたくなるほどの賑わいだった。カレーライス、焼きそば、汁なしラーメン、揚げ物など。日本人には馴染み深いこれらのメニューに、インドの人々が次々と列を作る。そう、列を!

思わず目を疑った。空港や駅で目にする、我先にと押し合う光景ではなく、きちんと整然と並んでいるではないか!!!!

海外で生活していると、日本食の存在感の大きさに改めて気づかされる。もちろん、高級寿司店はどの国にもあるけど、バンガロールの日本食屋は、インド人で溢れかえっている。特に、若者たちには、Japanese居酒屋のような賑やかな雰囲気が人気だ。


キティーちゃんがバンガロールまでやってきたサンリオコーナー!しかし、どこか疲れたような表情(そんなはずはないのだけれど)と、ほんのり黄ばんだその白い毛並み。

「インド人は日本に興味がないし、アジア人を下に見ている」そう感じる瞬間は確かにある。インドの人たちにとって、日本や中国、韓国の区別は難しいらしく、文化やアイデンティティがごちゃ混ぜにされることもしばしばだ。

たとえば、ピラティスの先生との会話。私が日本人だとわかると、何度もジャッキー・チェンの話題が振られる。そして、突如「蛇を食べるのか?」なんて聞かれたりもする。インドから見たアジアのイメージの一端を垣間見た気がする。

それでも、この距離感には理由があるのだろう。インドの人口は14億人を超えるが、日本語を学ぶ人の数は圧倒的に少ない。その背景には、日本語を学ぶメリットの希薄さがある。日系企業の進出が少なく、日本就職する人も少ない。わざわざ日本語を学ぶ必要性を感じない人がほとんどなのだ。

1位 ミャンマー 45,778人(19.0%)
2位 台湾 33,272人(13.8%)
3位 韓国 28,626人(11.9%)
4位 ベトナム 24,612人(10.2%)
5位 インドネシア 12,974人(5.4%)
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8位 インド 8,243人(3.4%)

日本語能力検定受験者数 国別比較

でも、日本とインドの交流イベントに15,000人もの人が集まった。これは日本武道館が満席になる人数。横浜アリーナも埋まるし、宮脇咲良ちゃんの卒業コンサートが行われた福岡マリンメッセも埋まってしまう人数。こんなにも多くのインド人が日本のカルチャーに触れたくて集まったという事実に、改めてその魅力の大きさを感じる。

でも、さらに驚くべきなのは、毎年代々木公園で開催されるナマステインドフェスだ。こちらにはなんと2日間で約20万人もの来場者が集まるという。Japan Habbaの10倍以上という来場者数だ。

なぜこんなに多くの人が集まるのだろう?
旅行の手間やコストをかけずに、手軽に非日常な異文化体験が求め、多くの人たちが集まるのではないのだろうか。

スタッフTシャツを着て、カメラを首からぶら下げて歩くだけで、どこにでもずんずん入れてしまう。おかげさまでイベントを随分楽しませていただいた。ただカメラマンとしての役目は果たせたのだろうかと心配なところではある。もっと上手に撮れるようになりたい。

カメラを向けると、とびっきりの笑顔で対応してくれるインドのみなさま最高です!


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