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判断したのは自分か?中国への過剰なマイナスイメージとメディア

どうも中国在住の松永(@matsunagamizuki)です。私は中国人のオットと中国に住んでいますが、オットについてきたわけではなく私が住みたいからオットに付き合ってもらっている感じです。女性は男性についていくものという固定観念ですね。

さて私の住んでいる中国では、報道の自由が許されていません。ツイッターやフェイスブック、LINEなどのSNSにアクセスすることが許されていません。政治に行動を制限されている国です。それが日本とは違うので、不自由な国だと思われるかもしれません。

しかし、中国人はそんな制限をものともしない生きる強さを持っています。「限られた環境下で、いかに生きるか」という能力が高いと感じるエピソードがあります。それは、中国でコロナウイルスの感染拡大が始まった時でした。

今年2月中国国内におけるコロナウイルス感染拡大時に、人民網日本語版という日本語中国メディアに文章を投稿し、採用していただきました。

その中で、このように書きました。

困難に向き合う中国の皆さんの逞しさに勇気づけられました。情報を収集し、家族や友人と連絡を取り合い、励まし合い、支え合う。遊び心のある投稿で思わず笑顔になってしまったり、最前線で戦う人たちの言葉に感銘を受けたりすることが何度もありました。心無いデマや真偽の不明な情報に惑わされることもしばしばですが、私はそれよりも、困難に立ち向かう人たちの力強い姿の方が心に残りました。

私はコロナウイルス感染拡大時の人々の反応の違いで、日本と中国という国の違いをまざまざと目の当たりにしました。中国人の「一致団結して乗り越えよう」という熱量は驚くべきものでした。本当に中国の人たちはたくましいです。生命力というか、生きる活力みたいなものが強いんです。

このウイルスに対して様々な国の特性が浮き彫りになりましたが、どんな経験からも、学びがあるはずで、批判だけでは何も生まれないと思います。

私は中国人がコロナと闘う姿に感動し、中国に住む日本人として学ばなければ!と熱い想いを抱いたのですが、ネット上では「中国」というキーワードで検索すると批判的な意見が目立ち、何も変わらない現状に肩を落としました。

行く前は中国に悪いイメージを持っていた

中国に足を運ぶ前は、中国を怖い場所だと思っていました。パクリとか、偽造とか、メディアで報じられるのはそういった話題ばかりだったから。大学の専攻で中国語を選んだのも、単に何か外国語が学びたかっただけ。中国の歴史も文化もサッパリ知らなかったです。なので日本のメディアを鵜呑みにして、国に対して非常に偏った悪いイメージを持っていました。

初めて中国に足を運んだのは、短期留学でした。その時中国人の学生と交流して、衝撃を受けました。明るく、前向きで、未来に希望を持ち、将来のために努力している学生たちに出会い刺激を受けました。それをきっかけに中国語をもっと学びたいと思い、人間一人ひとりと向き合っていくうちに、中国に対するマイナスイメージは薄れていきました。

日本で報じられている中国は、偏った一部分が切り取られて報じられているな、と実感しました。どんな国にも、どんな集団にも、悪いことをする人、いいことをする人がいる。その悪い一部を切り取って大きく報じるのは、情報操作に他なりません。

好きになる必要はないけれど

私は、中国が好きという訳ではありません。むしろ好きか嫌いかという判断を下すには、情報が少なすぎます。私は中国遼寧省大連市という、中国の中でも日本に地理的にも近く、親日的で、人口600万人という規模の小さい街のことしか知りません。中国は広い国です。きっと一生かけても、中国という国の全てを理解することはできません。

私は、少なくとも知らないことを知っています。だから、過剰なマイナスイメージを持たないし、「中国」と聞くだけで良くないイメージを持っている人に、本来の姿を伝えたいという思いがあります。

嫌いという感情は、生きていく上で逃れられない感情ではあります。けれども、その感情を減らせた方が、精神衛生上良いと思います。本で読んだことがありますが、脳は感情に主語を持てないのです。相手に対する負の感情は、そのまま自分に返ってきてしまうのだそうです。その一説を読み、日本人の一辺倒な「中国嫌い」は改善するメリットがあるのではないかと思いました。

中国は隣国です。日本もいろんな分野で中国と関わりを持っています。そんな関係の深い国を、メディアから報じられた一部の情報で嫌いになってしまうのはもったいないです。

知ることで、あくまでフラットな感情で中国という国と向き合うことができたらお互いがより生きやすく、お互いにとって利益のある関係が築いていけるのではないかと思います。

知らないから、面白い

何度も言いますが中国は広い国です。いろんな民族がいて、文化があり、知れば知るほどわからなくなる国です。そこが面白い。中国語を学んだことで、この広い国を歩き回るツールを手に入れました。これからもこの国で私は生きることを学んでいきたいと思います。

サポートとても励みになります。自分の言葉で生きていけるように、試行錯誤しながら頑張ります。