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ポートレートの話

実はポートレートの方が先でした

筆者はモータースポーツのフォトジャーナリストとして活動していますが、写真を撮り始めたきっかけはポートレートでした。
高校時代は部活と聞かれると生徒会だった筆者ですが大学では写真部に入部します。しかし写真部が初めての撮影体験ではなく、高校時代のアルバイトが近所の撮影スタジオで、そこが撮影体験のスタートでした。

EOS R + EF 100mm F2.8 L MACRO

その撮影スタジオはご近所さんの七五三や成人式の写真も撮るのですが、メインは商品撮影やファッション雑誌の誌面撮影なども行う、今考えると割と何でもやるスタジオでした。2名のフォトグラファーが共同経営というカタチでやっていたスタジオで、お一人が商品撮影や建築撮影、もうお一人がファンション撮影ということで完全に棲み分けが出来ていたのですが、バイトは当時筆者一人だったので両方の撮影をアシスタントとして手伝っていました。ファッションの方の手伝いの時にカメラと照明を2セット持って2人で30名のモデルを2時間で撮るようなこともあったので筆者もシャッターを押した写真は結構出回っていました。
コロナ禍の少し前からポートレート撮影の仕事もやるようになっても、そんな経験は今でも体に染みついているもので、躊躇なくこなすことができています。

2022年までは、ボケとか気にしないで撮っていた

ポートレート撮影となると、背景ボケが~とかフルサイズが~とかいう話になりますが、筆者の場合は自分で立ち上げた中古腕時計雑誌の特集記事として腕時計と女性を絡めてのポートレート撮影をしていたので時計と顔にフォーカスが来るようにすることだけを考えて、背景ボケを気にすることは無かったんですね。

今回も作例が弊社SNSからの引用で申し訳ありません。肖像権などの関係なのでご容赦ください。

2021年に撮影した佐々木萌香さん。この時の撮影はEOS RとRF 24-105mm F4 L USMで全て撮影していました。2枚目の写真は背景がかなりボケていますが105mmでf4として撮影しています。気分的に背景をきっちり入れた方がモデルも時計も生きてくるかな?と思って撮っています。当時の狙いとしてかなり大正解でした。特に4枚目の右側の写真は2階のベランダという日常的な景色にビキニの水着というドキドキする感じを入れ込んで大振りのデジタル時計に可愛げと緊張感を与えているつもりです。設定としては彼氏のデカい時計をふざけて着けてみたということになっています。

佐々木萌香さんは、今ではDVDを出せば必ずトップ独走というとんでもないアイドルに成長されています。FDJではレースアンバサダーとして活躍されているので取材撮影はさせてもらいますが、また何かの企画でガッツリとした撮影をさせていただきたいな、と思っています。


2022年に撮影した藤井マリーさん。写真集は2023年の春に出したものですが撮影は2022年の夏に行っています。

Wrist Machine 2022夏号で撮影させていただいて、雑誌で使用しなかった写真と合わせて写真集にしたものです。この時はシティーホテルというシチュエーションを生かすために背景をぼかすという発想がまずありませんでした。特に表紙写真はEOS R と EF 100mm F2.8 L MACROいう組み合わせで、ぼかそうと思えばかなりぼかせるにも拘らずF8まで絞って圧縮感と緊張感を優先させています。
その他の写真は先述のEOS RとRF 24-105mm F4 L USMで、ほぼ広角側を駆使して撮影していますので背景はかなりはっきりと写っています。ストリートスナップ的な写真も入ってはいますが、どれも街の空気感を腕時計と組み合わせたいな、との意図でかなりはっきりと背景が写っています。

藤井マリーさんはWrist Machine 2022夏号を発刊した頃から大ブレイクし、その年の日本レースクイーン大賞2022とレースクイーンオブザイヤー22-23を立て続けに受賞。現在はグラビアを中心に舞台演劇などでも活躍されています。撮った自分が言うのもなんですが、腰のくびれがヤバいです!

撮影時期は前後しますが2022年の春に撮影した相沢菜々子さん。この時は本気で緊張しました。撮影時点ではレースクイーンを休業?していてモデルと女優に集中していた頃で、イルコさんとか山岸伸さんとか、まぁ様々なポートレートの巨匠の方々が相沢菜々子さんを撮影していました。その上、相沢さん自身もガチで撮影する人なので緊張感はハンパなかった!
この時に初導入するのが撒き餌レンズでお馴染みのRF 50mm F1.8 STMなんです。初めてボケを意識した撮影になりました。
上の2枚目の写真がその50mmで撮影したものですが、絞りはf2.8くらいになってます。時計とカメラと左目にフォーカスが来て、なおかつ最大限背景がボケる絞りがf2.8だったんですね。
3枚目の写真も50mmですが、こちらはf4です。この眼力が撮りたいがために右目にもある程度フォーカスが来てくれるように、という絞り値です。

この相沢菜々子という人は、本人が多動というように落ち着きがない人だと思います。仕事以外ではどうかはわかりませんが、とにかくテンションが高い。でもどんな時でも眼力がヤバいんですよ。で気が付くと顔のアップを撮っていることがかなり多い。レースクイーンをしていた頃の取材写真もほぼ腰上。せめて膝上から撮らないと衣装が良く見えないのに腰上ばかりの写真が量産される、ある意味「魔性の女」かもしれません。
顔のアップばかり取ってしまうので筆者の写真からは伝わりにくいかもしれませんが、相沢菜々子さんは身長173cm!スタイル抜群なんです。

RF 50mm F1.8 STMはポートレートでかなり行ける

EOS R7 + RF 50mm F1.8 STM

これからRF 50mm F1.8 STMを語って行こうというための前振りとして、今まで撮影した代表的なポートレート作品をご覧いただきましたが、次はガッツリとRF 50mm F1.8 STMと向き合った作品をご覧いただきます。

2022年と2023年に撮影した松田蘭さんです。

上のX投稿は全てRF 50mm F1.8 STMです1枚目の表紙の写真はかなりボケ味を意識して撮っています。どこからどこまでにフォーカスを合わせるか?という意識を持ちながら、そこを合わせたのちにどのくらい背景をぼかすか?という部分をかなり考えて撮影しています。その辺を見極めるのにかなり時間がかかってしまったのを覚えています。その逆に4枚目の写真は時計と目にフォーカスが合っていれば背景ボケは成り行きという写真なのでぼかし量がかなり大げさになっています。

この4枚を見ていただいただけでもお解りかと思いますが、ボケの量をしっかりコントロールできればRF 50mm F1.8 STMはかなりしっかりとしたポートレート向きのレンズです。背景ボケが雑、と言われる場合もありますが背景の様子を変えていけばいいわけで、なるべく単純な背景を選ぶようにしましょう。

ところで、ここに登場する松田蘭さんはこの2023年の掲載の後に日本レースクイーン大賞2023でグランプリを獲得するという大活躍。今年は週刊プレイボーイのグラビアにも登場するなど、本当に大活躍されているレースアンバサダー。これからも大きく羽ばたいていくことでしょう。

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