見出し画像

『死体で遊ぶな大人たち』倉知淳著より「三人の戸惑う犯人候補者たち」読了

えー、遅くなりましたが

私の好きな『死体と遊ぶな子供たち』は
映画ですが、そのタイトルに似ていて、
つい購入(映画はゾンビものです)


読みやすいので
サクッと読めそうなのですが、
本を掛け持ちしたり、
諸事情でコンスタントに読めない為、
こちらについては読めた短編から順に
読書感想文を書く事にしました



今回は第二夜として
「三人の戸惑う犯人候補者たち」

「人を殺したかも」
相談の内容は殺人で…



そして内表紙の裏書はありません
また、ゾンビものではありません
死体で遊んで…はある意味、います

本作は、まず、
とあるお三人様方の、
其々の“殺人かも知れない”情景があります


そして本編の始まりは
「ノックの音がした。」です

これを読んだら、まぁ、
SFショートショートの巨匠、
星新一先生の『ノックの音が』を
思い浮かべてしまいます
懐かしいなぁ


しかし此処は小さなプレハブ小屋です
都庁第二本庁舎の裏にちょこんと在る、
〈違法行為等諸問題に関する相談所〉
そんな看板が掛けてあります
犯罪率の低下、撲滅、対応率Upの為、
都議会で決まったけれど、
適任者なんて、ってか、
高級取りをそんな閑職に出せず、
嘱託二名にバトンが渡された部署です

一人は宮田という
もう一人は万念という若い修行僧です

犯した(かも知れない)罪に怯える人の
相談に乗る…てなお仕事に向いている、
と判断されたんでしょうね


そんな二人の暇な仕事場に
「人を殺したかも知れない」という
よく似た感じのスマートな会社員が
三人、日曜日に立て続けに尋ねてきます

其々お話を聞いて、
心穏やかにと告げて帰す…完

ではないところからが、本題です

“本当に三人は人を殺したのか?」
終わった相談について
ちんぷんかんぷんな宮田が
万念と話しながら推理する
(万念が推理を披露する)お話です

今回も安定の穏やかさなのか天然なのか
修行僧万念が理路整然と推理を語り、
宮田は納得していく楽しい展開でした

事件として立件されていないから
お話から組み立てるしかないのですが、
万念とやは、なかなかの知恵者で、
とてもスパーンと切れる推理で清々しく
然も放置もしないつもりというけど、
仰々しくない終わり方なのが、
ヒーヒー笑えます
(…私ぐらいかも、ヒーヒーは)

本当に死者への冒涜かい、
でも、ほぼ全サスペンス小説が、
それをするから楽しい訳です

なので楽しくて良いと思います


ま、読んでみ

次回は
「それを情死と呼ぶべきか」です
暫し待たれよ

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集