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#7 アート事業のおかげで倒産の危機を乗り越えた話と今後の展望

いつかは軌道に乗るだろうと信じ、平山が「やりたいこと」を実現するまでは僕が売上を上げ続ける!と決意してから約5年。

もともと僕が手掛けていた採用コンサルティング事業の売上を伸ばすことで会社の体裁を保っていたNOMALでしたが、2020年春、最大の危機が訪れます。そうです。新型コロナウイルスの流行です。

前回のnoteはこちらからご覧いただけます。


売上の多くを占めていた採用コンサルティングは次々にキャンセルとなり、先行きが見えない情勢のなか、多くの企業が求人をストップ。

2020年が明けてからどんどん雲行きが怪しくなり、5月にはとうとう採用コンサルティング事業の売上高がほぼゼロになりました。

「このままじゃ本当に資金がショートする」

このときはさすがにめちゃくちゃ焦りました。それまで順調に成長してきた事業が、たった数ヶ月でまったくお金を生まなくなったので。

それまで創業融資のみで経営を続けていたものの、やむにやまれず、初めて融資を受けることに。

本当に一瞬だけ倒産したあとの対処なども頭をよぎりましたが、まずは事務所のコストを削減しようと、当時の東中野オフィスから慌てて阿佐ヶ谷にある古い一軒家に引っ越しました。

倒産回避のため移転した阿佐ヶ谷の1軒家オフィス

まさに想像どおりの1軒家で、リビングルームに机を並べて、2階の寝室的なところを会議室にしてと、とにかく固定費を抑えることに全力を尽くしました。

巣ごもりによってアートに興味を持つ人が増加し、通販の売上が伸びた

これからどうやって会社を立て直そうかと思い悩んでいると、アート通販事業のWASABIの売上が伸びている、と平山から報告がありました。

最初は半信半疑だったものの、瞬間的な偶然というわけでもなく、それから毎月のように売上がアップし続けました。

なぜこんな状況下でアートが売れるんだろう?と不思議だったのですが、どうやらそれは、コロナ禍による働き方の変化にありました。

在宅勤務が増えたことにより、あらゆる企業においてオンラインミーティングが定着。殺風景な自宅の背景をおしゃれなアートで飾りたいと考える人が増え、WASABIを訪れてくれる人が急増しました。

同時に、どこにも出かけられないならせめて自宅で楽しく過ごせるようお気に入りのアートを飾りたいというニーズも一気に高まり、それらの要因が合わさってWASABIの売上につながりました。

「アートをもっと身近なものにしたい」という平山の思いからスタートしたNOMALのアート通販事業。まさか、未知のウイルスがその実現に一歩近づけてくれるとは全く予想していませんでした。

平山が毎日のように悩みながら続けてきた5年間。

「どうやったら絵が売れるだろう」と考え抜いてきた努力が、まさかこんな形で報われるとは。

人生とは、事業とは、本当に不思議です。

それまでは商品の選定も梱包も発送も全部1人でやっていた平山でしたが、とうとう1人だけでは対応しきれなくなり、アルバイトを2人採用しました。アート事業にとって初めての雇用!すごく感慨深かったです。

このとき採用したアルバイトは今でも働いてくれていて、それはもう大活躍中なのですが、面接に来てくれたときのオフィスはこの1軒家。

「良く怖くて逃げなかったね」と今でも笑い話になっています。

1軒家で過ごしたメンバーと、コロナ危機を乗り越えた祝いの社員旅行@淡路島

僕はなるべく毎年社員旅行に連れていきたいなと思っているけれど、この社員旅行は、倒産の危機を乗り越えた安堵感と、このメンバーに感謝の気持ちを伝えたいと思って過ごした特別な淡旅行です。

オフィス移転が相次ぎ、ウォールアート事業も急成長

アート通販事業と並行して、もうひとつ予想外の展開がありました。

それが、ウォールアート事業の急成長です。

コロナ禍により、多くの企業がオフィスの縮小や移転を余儀なくされました。

それまでも「オフィスに飾るために」とアートを購入してくださる企業はある程度いたので、オフィスが縮小されたらアートを飾るスペースはなくなりそうだなと思っていたのですが、意外にも、縮小移転を機にウォールアートを導入したいから話を聞かせてほしいという企業がどんどんあらわれました。

理由は、ウォールアートを単なる装飾としてではなく、組織課題を解決するツールとして考えている企業やオフィスデザイン会社様がいてくれたことこと。

会社のトップが「ウォールアートによって社員のコミュニケーションを活性化したい」「企業文化を浸透させたい」と考えて導入を検討してくれているケースがとても多かったのです。

オフィスの縮小移転やリモートワークによるコミュニケーション不足や企業理念の浸透など、企業が抱える本質的な課題に対して、ウォールアートによる課題解決が期待されている。

単に「オシャレだからウォールアートを導入しよう」だけではなく、それ以上の価値を提供できていることに気づいてくれました。

▼参考:オフィスアートが解決できる組織課題

当初ウォールアートの需要は、もしかしたら一過性で終わるかもしれないと思っていました。

しかし、コロナ禍以降も「企業理念を浸透させるために」「従業員のコミュニケーションを活発にするために」という理由で発注いただくケースが続き、「これは本当に世の中に必要とされているんだ」と確信しました。

創業からこれまでのアート事業の売上推移。2020年以降右肩上がりで成長中!

自身の採用コンサルティング事業の経験から、コミュニケーション不足や企業理念の浸透といった組織課題に悩んでいる企業は数え切れないほどあることは知っていましたが、それまでは、その事実をウォールアートとつなげて考えることはありませんでした。

コロナ禍による需要の高まりにより、ウォールアートが持っていた潜在的な市場の大きさを実感することができたんです。

正直に言うと、僕はもともとアートにそんなに興味がありませんでした。

正直に言うと今もアート自体はまだそこまで詳しくないのですが、アートを通じて企業課題を解決していく過程には強く興味を持っており、日々可能性を感じています。

ウォールアートという新しい商材が日本に広がっていく過程を間近で見られるのはすごくおもしろいと感じていますし、そのきっかけを与えてくれた平山に感謝しています。

ともあれ、2020年はアート事業がぐんぐん伸びてくれたおかげで、NOMALは倒産の危機を逃れました。

その後もアート事業は順調に伸びており、今年11月にはなんと!豪華ゲストをお招きしてこんなイベントを主催できるまでになりました。

▼日本最大級のアート×ビジネスイベント「ART LIVE TOKYO」

ラッキーだけど、ラッキーじゃない。僕にとってはただタイミングの問題だった

アートがビジネスに大きく貢献できるという視点は、当初から掲げていたものではありませんでした。

アート通販もウォールアートも、大きく伸ばすことができたきっかけはコロナ禍という偶発的な出来事だったわけで、つまり、めちゃくちゃラッキーだっただけ…と言えるかもしれない。

だけど僕はやっぱり、単なるラッキーだとは思っていないです。

前の記事にも書いたように「平山の爆発的なエネルギーを間近で見ていたから、いつかは軌道に乗るだろうと信じていた」し、軌道に乗ったらそれが落ちることはないだろうとも思っていたから。

「仮に赤字が20年続いたとしても支えなければ」と決意していたので、軌道に乗るまでが意外に早かったなとは思ったんですけど、でもこのタイミングで芽が出てくれてよかったと安堵したのもまた事実。

NOMALを立ち上げてからずっとアート事業に水をあげ続けてきて、途中、なんのために水をあげてるのかもわからなかったけど「仲間を支える」というモチベーションが自分が働く糧になっていたし、正直、それだけでもいいかなとも思っていました。

だけどまずは事業として伸びるきっかけがあり、こうして大きく成長する様子を見られるのはやっぱり嬉しい。

この例えが正しいのかは自信がないですが「この種はやっぱり生きてた!土のなかで死んでたわけじゃなかったんだ!」という気持ちでした。

今後の展望について

平山が語るべきところを僕が勝手に語らせていただきますが。

ありがたいことに、「オフィスにアートを導入したい」とお問い合わせをいただく企業が毎月定期的に来るようになっており、次年度以降も売上や導入実績は増えていくだろうなと思います。

加えて、個人的に今後めちゃくちゃ伸びるだろうと思っているのが、このアート広告事業です。

オフィスだけではなく、外壁にアーティストが手書きで企業広告をライブペインティングする手法で、世界でも新しく注目されています。

まさにアートの新しい可能性が詰まっていて、「オフィスの課題だけでなく、マーケティングやブランディングの課題解決にもなりうる」と確信を持っています。

https://www.colossalmedia.com/
https://www.colossalmedia.com/

実際、昨年の11月に平山とニューヨークに訪問したところ、手描きの広告がたくさん制作されており、滞在中にもアーティストが壁にアートを描きはじめ、数日で新しい広告が次々と出来上がっていました。

ニューヨークでアート広告を手掛けるコロッサルメディア社にもお邪魔して、ありがたいことに、日本でアート広告を広めるうえでのアドバイスもいただきました。

(詳しい内容については、後日サービスサイトで公開予定)

コロッサルメディアのCOOと記念撮影!オフィスもめっちゃかっこいい

僕はこの広告事業を広めて伸ばす役割として、今度は直接アート事業の役に立ちたいと思っています。

日本では外壁にアートを描くという文化がなく、浸透には時間がかかるかと思いますが、それでもこのサービスを面白がってくださる企業様と一緒に、現在もいくつか楽しみな案件が進行中です。

オフィスアートを100社以上手掛けてきたNOMALだからこそ、新しい手描きアート広告という事業を展開できると信じています。

そしていつの日か、「アートといえばNOMAL」と多くの人に思っていただけたら幸せです。

2023年に明治さんのサービスリブランディングを壁画広告でお手伝いさせていただきました!

と…いろいろ語ってはみましたが、今もアート事業は平山に任せきり。

事業が軌道に乗った現在も、彼女は毎日のように全国を飛び回ってはいろんな人に会ってアートとビジネスの人脈を広げています。

平山のアートに対する情熱は以前よりも高まっているんだろうな、と感じる今日この頃。

今後、どんな展開を見せてくれるのか楽しみです。

僕もこれまで以上に良いサポートができたらと思います。


最後に、平山がホームページにアップしたメッセージがとても素敵だったので、これを貼り付けて終わります。


8年間の苦労を思い返すと泣けてきますね!

NOMAL ART COMPANY:https://nomalartcompany.jp/about

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。次回は、堺シュライクスのことについてお伝えしようかなと検討中です。フォローしていただけると、モチベーション保てますのでよろしくお願いいたします!

お知らせ📣

2024年10月にウォールアート事業のサービスページが新しくなりました!
見てるだけでも楽しいサイトになっているので、ぜひ覗いてみてください👀


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