「大豆田とわ子と三人の元夫」は私のためのドラマか?と感じた夜
大好きな坂元裕二さんの作品とあって、これはもう感想を書かずにはいられない。大なり小なり幸せへの挫折を経験してきた大人ほど、このドラマは染み入りそうです。
同じく坂本裕二さん脚本の映画「花束みたいな恋をした」も、観に行ったのですが、20代の二人の物語は、自分には遠すぎました。
「恋は遠い日の花火ではない」ってCMが昔あったけど、花束の主人公たちは、もはや自分には完全に遠い日の花火。
観終わると、後ろの席に座っていた20歳前後と思しき男子三人組が『なんでこれが流行ってるんだ?』と小首をかしげていました。
うん。そうだね。君たちには少し早くてわたしには遠い日の花火なんだな、、
一方「大豆田とわ子と3人の元夫」は、バツ3、中学生の娘がいる女性とその元夫たちの物語。自分とほぼ同世代(シーズン3の岡田くん除く)で、これはきた、きました!
アップテンポなセリフ回しは、坂元裕二ワールド全開、キャスティングは、主人公たちはもちろん脇役も最高です。1話目ゲストの斎藤工をここで、こう、使うとは...。そして奥渋谷のビストロに長岡亮介って神の采配か?
ファッションもお洒落なだけじゃなく、その人がその服を着ている説得力がある。インテリアもすごく素敵で、あの椅子どこのかな、、なんてみとれていると、あっという間に物語から取り残されるので気が抜けません。
一回では情報量が多すぎて消化できなかったので、3周しました。
そしてやっぱり、脚本が、セリフのひとつひとつが素晴らしい。
・言葉にしたら言葉が気持ちを上書きしちゃうんだよ。
・楽しいまま不安。不安なまま楽しい。
くうう。これは私のための物語か?苦く、深く、優しく心に染み渡りました。
そして初代の夫・八作の軽やかなのに、底知れない感じはやばいですね。相手がしてほしいことをさりげなくやっている。優しい。でも一番してほしいことはしない...。危険です。
八作と別れた後、全然キャラの違う佐藤さんに向かった気持ちが、うっすらわかる。わかるぞ、大豆田とわ子。
ああ、このドラマを見ている人たちと感想戦がやりたい。ワイン一本があっという間にあきそうです。