『イヤな痴漢から、その場で謝罪を引き出す技術』を公開!
全国の女子へ「痴漢リスク」に負けないで!
この週末の1月15日・16日にわたって全国で実施された大学入学共通テストの前日、ネット上に「明日はJK(女子高生)を痴漢しまくっても通報されない日です。」といった「痴漢予告」と取れる悪ふざけ投稿が相次ぎ、警察がSNSで注意喚起を呼びかけ、実際に受験生が集まる駅に警察官を配置するといった対策に乗り出したそうだ。
やれやれ、昨年から緊急事態宣言で電車が混雑しなくなっていた時期には、痴漢件数が例年の4割程度まで激減していたのを喜ばしく思っていたけれど、人流が回復して混雑が戻ってからは、痴漢も平年並みに戻ったというから残念なことだ。
実に女性の70%、男性の32%が、公共の場所で、痴漢や露出行為、言葉のからかいを含むセクシャル・ハラスメント被害を経験したことがあるという。〔#We Too Japan・2019年調査〕
相手の体に傷を負わせるような凶悪な性犯罪ではないとはいえ、
“これぐらいイイだろ”とコソ泥のように体に手を伸ばす【痴漢】という行為が日常茶飯になっている国は、日本の他にはないという話は、海外でも【chikan】という単語と共に有名らしい。
なぜこんな事態が温存されているかといえば、やはり痴漢に遭っても声を上げない人が多いからだろう。
なぜ声を上げることができないのか?というなら、次の3つの理由が挙げられる。
①誰の手だかサトられないようコソコソ触ってくるので、相手を特定しづらい。
②周りの人に好奇の目で見られるのが、恥ずかしい。
③逆ギレされるのが、怖い。
②③のように相手が誰だか気づいてさえも、
「黙ってガマンするしかない」かのように女性が思い込まされているのは、
一つには世間のほとんどの大人たちが、「自分や他者の体を尊重する」という考え方を教わってこなかったからだと言える。
そこで、私自身が10代から20代にかけて、数多くの痴漢に遭い続けた末に、体を張って会得した【痴漢を働いてきた相手に、その場で謝らせる技術】をお伝えしたいと思う。
この話が、今まで不愉快な行為にもジッと耐えてきた女子たちが、声を上げる勇気が湧くキッカケの一つとなれたら嬉しく思う。
(※拙著『親子で学ぶ「幸せな性」と命のお話』(徳間書店)中の収録コラムより、大幅加筆してお届けします。)
中1から始まった豊富な痴漢遭遇歴
私の場合、生まれて初めて痴漢に襲われる体験をしたのは、中1の時。
自宅マンションロビーの郵便受け前で、ゴミを拾うためにしゃがみ込んだ時、いきなり後ろから丸め込むように抱きつかれて、何が起きたかわからず驚いているうちに逃げられました。相手は、少しばかり年上らしい、おとなしそうな見知らぬ男子でした。
それ以来、電車の中はもちろんのこと、路上、書店内、映画館内など、あらゆる公共の場所で、無遠慮にプライベートゾーンに触れてくる痴漢に遭うことが、20代半ばで出産して子持ち女となるまで繰り返されました。
痴漢など性暴力の加害者が、何を基準に行為の対象者を選ぶかというと、「逆らわなさそう」「服従させることができそう」、つまり自分から見て、おとなしく弱そうな相手を選ぶといいます。
確かに私は小柄できゃしゃな体格なので、相手にとって怖くない存在として、ターゲットとなりやすかったのではないかと思います。
ただし不思議なことに私は、小学生の頃から、人間の性や女性というものを「価値が高いもの」と考えていたために、悪さをされた時に「恥ずかしい・怖い」といった感情は湧かなかったのです。
「価値が高いからこそ、世の男性は女性の体に触れたいのだろう。」
と、私は解釈していたのです。
ならば「お願いだから、触らせて下さい」と頭を下げて頼み込んで来るなら、場合によっては考えてあげてもいい。
だけど、何も言わずに黙って勝手に触ってくるのは「あまりに卑怯な態度で、うっとうしい!」という腹立ちが強くあったのです。
そこで、電車内で触ってきた相手が特定できれば、周りに聞こえるように「変態!」と声を上げるなど、反撃することも高校時代からよくありました。
見知らぬ女性が明らかにお尻を触られているらしく困っているのに気づいた時には、
「なにやってんですか!」と邪魔をして、痴漢にイヤな顔をされたこともあります。
ケース1:私の反撃が力を持った瞬間
そうした反撃が最もうまくいき、その場で相手を謝らせることができたケースについてお話しします。
それは20代前半の、社会人3年目頃のこと。電車の扉近くに立っていた時、真向かいに立っている40代後半に見える背広姿の男性の手が、文庫本を読むフリをしながら、はっきり私の胸に触れてきました。
“まさか、目の前にいる私にやるか?”と驚いていると、さらにその手をゆっくり撫でるように動かしてきたのです。
その厚かましさに呆れ果てた私は、〝お仕置きしてやろう〟という上から構えた心持ちになり、ちょっと昔の〝スケバン〟のようにドスをきかせた声で、ゆっくりとこう言ったのです。
「──おじさん…手が、おかしいよ──?」
その瞬間、相手の男性は、はじかれたように手を引っ込めながら
「すみません…!」
と怖気づいたように謝ってきたのです。
体格が小さくても、相手に威圧感を与えることが可能なのだと知ることができた、爽快な体験でした。
ケース2:初遭遇の痴漢に怒りを露わにした私の娘
こうした私の話を聞いていた影響もあるのでしょうか。
私の娘もまた、状況は違いますが、大学1年の時に、生まれて初めて遭った痴漢に対して、その場で謝らせる結果となったことを報告してくれました。
娘の場合は、電車の横長タイプの座席に腰かけていた時に、隣に腰を下ろした若い男性が、スマホを見入るフリをしながら、片手を伸ばして彼女の胸に触れてきたそうです。
やはりその、自分はやっていないかのように装う「卑怯なやり口」に腹が立った娘は、思わずガタッと立ち上がって、相手を見下ろす格好で
「やめてもらえます?」
と強い口調で言ったとのこと。
すると相手は、不服そうな顔をしながらも
「…すみません」と答えたそうな。
痴漢行為に隠れた「臆病さ」を引き出す2つの技術
実は、こちらを「弱者」だと見なして、「反撃しないだろうという甘え」のもとに痴漢を働いてくる男性の心理には、「強者には弱腰になる臆病な心」が隠れています。
これらの体験からわかる、痴漢行為をすぐやめさせ、謝罪を引き出すために効果的な態度について、その条件をまとめてみました。
その1*気持ちの上で、相手の優位に立つこと。
(相手の方が背が高くても“上から目線”で)
その2*キンキンした高い声ではなく、低めのトーンの声で、毅然とした言葉を使うこと。
これで実際に相手に謝ってもらえるのかどうかは、時の運にもよるだろうけれども、少なくとも「自分が相手に反撃できた」という事実はあなたを強くするし、それだけでなく、あなたが痴漢に遭っていることに気づいても助ける勇気がなかった人たちが、思いきって行動に出るキッカケとなるかもしれない。
被害に遭った人を泣き寝入りに終わらせないために、周りにいて不審な行為に気づいた人が、「見て見ぬふり」をせずに助け舟を出す勇気が、世間の「当たり前」のものとなっていくことを願っています。
ただし、これは電車の中のように、周りに人目がある公共の場所でこそ、生かせる方法だということを断わっておきたい。
人目がない場所では、腕力や体格でまさる相手からは、逆ギレによる暴力に遭うリスクを避けるため、まずは逃げることが最優先でしょう。
「価値が高いもの」を「低い」と
思い込まされてきた女性たち
おそらく私が10代の頃から、痴漢に逆らうことに対する心理的ハードルが低かった最大の理由は、「女性には価値がある」という信念があったからだろうと思う。
今にして思えば、生まれつきそんな価値観を持っていた私が、
【ネガティヴに歪められてきた性のイメージと体験を、ポジティヴで温かなものに塗り替える専門家】という現在の役割にたどり着いたのは、必然だったのだろうと感じる。
それに対して、世の多くの女子たちが、痴漢に逆らえずに黙ってしまうのは、「女性は男性より立場が弱く、価値が低いもの」という間違った信念体系を刷り込まれてきたからなのです。
「価値が低いから、こんな目に遭わされても仕方がない」と無意識のうちに抵抗をあきらめさせるような仕掛けが、長い間、社会全体に働き続けてきたということ。
それは、遠い昔に形作られた「男尊女卑型」の社会制度の都合によるもので、今やそんな制度はとっくに終わっているのに、当時の価値観だけは、まるで「読まねばならない空気」のように世間にしつこく漂い続けてきたのです。
日本がジェンダー平等達成度の世界ランキング最低レベルにあるのも、こうした
「とっくに終わっているはずの、古い時代の価値観の空気」を、いまだに読み続けているからではないでしょうか?
「女性は弱者なのではなく、男性にはない力を持つ、価値ある存在」という自覚が持てれば、すべての男性に対する意識がまったく違ってきます。
無礼な男性には、
遠慮することなく厳しい態度でいさめ、
逆に礼儀正しい男性には、
喜んで協力的に接することができる。
女性が「自分の力」を自覚しながら動き、発言することができれば、
男性も自らの行いをふり返り、正していくことが今より簡単になるはずです。
そうすれば「男だから、女だから」といった古い価値観の呪縛から脱け出して、男女がお互いの特質を活かし合い、円満に暮らせる社会が実現していく──私はそう考えています。
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