サンクトペテルブルクのパラドクス
昨日,塾で高校生に条件付確率を教えていたら,一人の社員さんに
「条件付確率も面白いけど,期待値で楽しい話がありますよ!」
と一言.
なんですか?と聞いてみたら,
「コインを投げるんだけど,1回目で表が出たらそれで2ドル.1回目は裏が出て,2回目で表が出たら4ドル.1,2回目で裏が出て,3回目で表が出たら8ドル.1,2,3回目で裏が出て,4回目で表が出たら16ドル.これを延々と繰り返す.コインを投げるごとに得られるお金は2倍ずつされ,確率については1/2,1/4,1/8…って1/2倍ずつされていく.胴元にいくらでもお金があると仮定すると,期待値って∞に発散するんだけど,あなたはいくら支払って,そのギャンブルをしますか?っていうそんなパラドックスの話.」
興味深い.
と一瞬で惹き込まれてしまった.
そもそもの期待値の考え方は飛ばしますが,こういう計算.
なのに,
サンクトペテルブルクのカジノの支配人が発見したのは、このゲームに2~3ドルより多く支払っていいという人はほとんどいないということだった。
これが矛盾.なんかねぇ.
人間の行動理論と
数学的な計算によって求めた期待値による行動は
全く別物なんだなぁって思い知らされますよね.
このパラドックスって「無限回繰り返す」ってところが大事なわけで.
例えば,
この胴元にお金が1億ドルしかない(要するに有限だった)とすると,
26回目で表が出ればOKだけれども,(2の26乗=67,108,864)
もし仮に,26回裏が出て,27回目で表が出てしまうと
1億円を超えてしまう.(2の27乗=134,217,728)
このときの期待値って26ドルなんですよね.
けれども,このパラドックスっていうのは
「無限」が前提にある話なので,
上の話はなかったことにします…笑
という中で,見つけたのが
「期待効用」の話.
これは,経済学の内容らしい.
あまり詳しくは分からなかったのが正直なところだけれど
期待値とは別で,人の満足度が関係してるとかどうとか。
中々難しい。
「アキレスと亀のパラドックス」もそうだけど
無限を話に持ち出すと矛盾が生まれてくるものなのかな.
昨日はそんなことを授業の合間に延々と調べていましたよ.
1つ物知りになった気がする.
これは備忘録として.