顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説-アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
顧客が熱狂するネット靴店ザッポス伝説トニー・シェイ
ザッポス…アメリカのECで革命的と言われ、数々の伝説が語られる靴のECの会社。
創業者トニージェイ本人が書いた著書。
なかなか現代で商品で圧倒的な差別化が難しいなかでスニーカーを中心とした靴のECで圧倒的に他社に勝ち。
ザッポスの代名詞といえば、フレンドリーで心のこもった、顧客に「ワオ!」 (感動)をもたらすサービス。
「信じられないくらい素晴らしいサービスだった」「ザッポス最高!」「生涯 の顧客をひとり増やしましたよ」
「超音速の配送で、顧客サービスの博士号をお持ちですね」――
なぜ2020年で既に売却されたザッポスなのか。このコロナ騒ぎの後、市場の価値観は強制的に変わると言われてます。ECでのザッポスは日本ではまだない。今こそ見直すべきではないかと感じ思い出した為。
感激のあまり涙ながらに書いた礼状を送った顧客もいるほど、高い顧客満足度を誇るザッポスのサイトは顧客からの感謝と賛辞のクチコミにあふれ、そのサービスは創業10年あまりですでに伝説となり、Amazonに9億4000万ドルもの価格で買収された。
Amazonに買収されたのは2009年、ザッポスは2008年売上げは10億ドルなのでアンバランスなほど多額だったと思います。
Amazonがザッポスに危機感を抱いたのではないかと僕は思っています。
Amazon傘下に入ってから、なかなか当時ほどの期待値には至ってないイメージですが、日本ではまだこれほどの企業は現れていない。
ザッポスの凄さは顧客サービスで、過剰とも言えるようなサービスを社員自らの判断で実行できます。
エピソードは数多く、例えばおじいさんのために買った靴だったがプレゼントを渡す前に亡くなってしまったお客様。
申し訳ないけど返品したいと申し出たお客様に商品を引き取りを手配しただけでなく、お悔やみのお花を渡したというエピソード。
また、ザッポスに在庫がない商品は他社ECで買ってでも手配する対応。
顧客対応の電話で7時間36分話し続けた。
これを上司など誰の許可も必要なく実行している、マニュアルなしの対応とのことです。
カスタマーサービスを、「顧客と多くの接点が持てる、またとないブランディングの機会」と捉えていると説いてます。
共通理念は「すべての関係者に幸せを届ける」。
インターネット通販という、お客様と顔を突き合わせないビジネスモデルだからこそここまでやる。
サービスはおまけではなく売り物。ザッポスの社員はみんな笑顔で月曜日が待ち遠しいと会社だということです。
この徹底したサービスでリピート率75%と言います。
圧倒的に売る、ということは需要予測の精度が高く、価格とクオリティのバランスが取れ、他にない追随性があり、お客様に知ってもらえている。
それぞれの要素が全て必要かと思います。
この本には組織や人事関連のこともトニー・シェイの自伝的な内容も多く含まれていますが今回はヒット商品のためのヒントとしてます。
特にここ10年でマーケットは大きく変化し細分化されています。日本のアパレルマーケットは9兆円と言われ、この数字は変わってないと言い、つまり伸びてないけど、そんなに減ってるわけではない、というのが現状のようです。(百貨店は激減)
海外から黒船的にファストファッションが現れ、そしてフォエバー21が日本撤退と本国破産。
伸びている会社と縮小している会社は現在も当然両方あり、価値ある商品を提供できる企業は
お客様(マーケット)の「買う動機(モチベーション)」が今まで以上に必要だということを理解している。
お客様がここにしかない、どういったシチュエーションを描けるかをイメージしていただくことが必要かと思います。
Amazonは圧倒的な品ぞろえと配達時間で他社に圧倒的に勝つことが出来ました。
ザッポスはECでありながら圧倒的なカスタマーサービスで他社に圧倒的に勝つことが出来ました。
得意なアイテム、得意なものを徹底的に強くする、打ち出しをするのが現代でのヒットを産むヒントかと思いました。