自律分散型の教育システムをシミュレーションしてみた。
過去の経験則が通用するか分からない予測不能な時代に突入し、今、教育の在り方が問われている。
今回は、教育システムを自律分散化するとどうなるか?という話。
昨年から、ビジネス領域で自律分散型のチームを組んで、実践と検証を続けているんだけど、教育分野での可能性も探ってみたくて、このような会を開いてみることにした↓
教育って、社会の流れと連動している。
21世紀型スキル、STEAM教育、課題解決型学習(PBL)、アクティブラーニング・・
こういった概念が生まれてきているのって、社会でそういった素養が必要になってきているからよね。
でも、今の公立学校制度において、こういった概念を実用的な教育システムに落とし込んでいくのって、相当しんどい。
なぜって?
文科省が学習指導要領を作成して現場がそれに従うという、中央集権型(自律分散型の対局ね)の仕組みになっているから。
上から指示が降ってくるヒエラルキー構造なので、先生たちが工夫して最適なカリキュラムを組んでいくことができないし、現場と中央との距離が遠すぎて意思疎通もしづらい。
たとえ、現場の声が届いたとしても、反映されるまで時間がかかり、学習指導要領の改訂は「およそ10年に1度」だそう(文科省webサイトより)。
社会のニーズを迅速に反映させようと思えば、この中央集権型の仕組みを改め、自律分散型の仕組みをつくるしかないと思う。
現場に権限を委譲し、中央がコントロールを手放すことで、柔軟で迅速な運営を可能にする。
これが、自律分散の考え方。
ということで、公立学校制度が自律分散化するとどうなるか、簡単にシミュレーションしてみた↓
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■ 現場の先生ひとりひとりに意思決定権がある。
■ 学習指導要領は撤廃され、各校が独自に考える。
■ 結果、授業スタイルや学習カリキュラムは画一でなくなり、多様化する。
■ 生徒と保護者が学校や先生を選んだり評価したりできる(教育の質を担保するため)。
■ 結果、保護者が学校教育に関し主体的に関わるようになる(生徒と保護者の意見が学校教育の意思決定に反映される)。
■ また、先生たちが新しい教育について主体的に学ぶようになり、先生同士が意見交換する場も増える(先生のアクティブラーニング)。
■ 現場の状況は文科省に集約され、分析結果が一般公開される。
──────────
ザクッと、こんな感じかな。
こういった仕組みなら、次々と生まれる新しい概念を迅速に反映させることも可能だと思う。
では、どのように自律分散化を進めればいいのか?
ポイントは、
1)「状況は刻一刻と変化する」という前提で動く
2)足並みは揃えない
の2点。
1)について、予測不能な社会と言われる現代では、アクションを起こしたときと同じ状況がずっと続くとは限らない。
なので、いつでも柔軟に軌道修正できるよう、段階を細かく分け、スモールステップで導入と検証を繰り返していく必要がある。
この辺りのことは、アジャイル開発やリーンスタートアップの概念が参考になるかな。
まず、権限委譲の工程を導入して、反応を見る。
その反応によって、次の工程を決定する。
その繰り返し。
自律分散化が完了するまでの壮大な10カ年計画を立て、忠実に進めたんだけど、完了した頃にはすでに新しい組織論が主流になっていた、となったら笑えないよね。
2)について、自律分散型って、個の意志が尊重されるから、みんなで足並みをそろえようという感覚はそもそも薄い。
でも、中央集権の考え方が抜けきらないと、「文科省の指示に従って一斉に自律分散化を進めてください」というナンセンスが起こりかねない。
すべての現場で同じように変革を進める必要はなく、詳細は各校の意志に任せればいい。
まあ、他にもいろいろあるだろうけど、ひとまずこの2つのポイントを押さえておけば、うまくいくんじゃないかな。
以上、公立学校制度の自律分散化について考えてみた。
ただ、残念ながら、わたしはこの案件に関して何か影響を及ぼせるような立ち位置にいないのよねー^^。
完全に範疇外。
だから、自分のできることをしようと思う。
それは、民間の教育サービスを自律分散化していくこと。
民間では、新しい概念をとりいれた学習カリキュラムが、すでにいろんな事業者から提供されている。
ただ、それぞれの事業者が単独に動いていて、教育システムとまでは言えない状態。
そういった民間の事業者が自律分散的につながり、大きな教育チームを結成すれば、それが新しい教育システムになりえるのではないか?
これなら、わたしの範疇内。
結果として、それが公立学校制度に影響を与えるかもしれないし、公立学校制度と補完し合うような関係が築けるかもしれない。
そんなことを思い描いている。
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