見出し画像

『千道安』 斎藤史子

今回のnoteは、以前にも読んだことのある『千道安』
なぜ、以前にも読んだことのある本を選んだのか❓
私にもわかりません・・😅

前回のnoteから期間が空いてしまい
「やばい‼️・・」
「このままやと、ほんまに三日坊主やん・・💦」

そうこうしてるうちに
noteさんから励ましのメッセージが
「note継続1ヶ月記念日です❗️㊗️🎉」

継続というお言葉・・
耳が痛いお言葉・・
継続・・
私の苦手な分野のひとつ・・💦

そんな心の葛藤を抱えながら
なんとなく手に取ったのが
この一冊です📕

決っして
「手取り早く済まそう😏😎」
と選んだわけではありません・・😑

まぁ、そんな本心はともかくとして
今回改めて読み直し
「ほんまに読んだことあるんかい⁉️・・」
「全然新鮮や〜ん❣️」
記憶って、儚いもんですねぇ〜😅

千道安
千利休居士の嫡子でありながら
千家の系譜からははずれている

父である利休居士を尊崇し
その偉大な父をも越えたいと
茶の道を邁進していたにもかかわらず
なぜ、道安は千家系譜からはずれたのか❓

利休居士をとり巻く家庭事情
利休居士も人間
生々しい人間臭さもあり
そこには様々な確執が生まれる

そして
戦の絶えない時代
天下人である権力者には従わざるをえない時代背景
また利休居士も影響力がありすぎるが故に
権力者からの嫉妬や妬み、怒り、反感をかうことになる

『利休居士の嫡子』という運命
そんな自らの運命に翻弄される道安

利休居士ご自身が実際書き残したもの
そういった資料ですら少ないと思われるのに
ましてや、千家の系譜からはずれている道安の資料というのは
ほんと少ないんじゃないかなぁ〜と

この本の〝あとがき〝

少ない道安の資料を踏まえながら、娘、静の語りで物語を綴った。利休の茶に迫ることを望みながら堺の地に果てた道安の無念、そして女性であるがために父の茶を継げなかった静の口惜しさを読み取っていただけたら幸甚である。

『千道安』あとがきより

道安の娘『静』の語りで綴る物語
そう、この本『千道安』
所謂、人物の伝記物という感じではなく
物語ではあるんですが、物語であるが故に
登場人物の生々しい人間臭さや
生活感・時の流れを感じられ
いやぁ〜、改めて読み直し
ほんと良かったです📕👌

織田信長・豊臣秀吉という天下人ともよばれた権力者達
その茶頭としてお仕えし
時には意見もされたであろう利休居士

ご自身でお望みなられた道なのか❓
それとも
望んでない道を進むしかなかったのか❓

私のような平々凡々な人間には
到底わからないことではありますが・・

ただ、利休居士ご自身が
望む望まないは別にして
事実上権力の中枢に身をおく
権力者だったのではないかと

やがて、秀吉の怒りをかったとされ
切腹を命じられたとされる
有名な利休居士切腹事件

利休居士の血を引く道安

それに忘れてはならない
道安の運命を最も左右させたであろう人物
利休居士の養子になられた少庵宗淳

偉大な父をもち、そして突如失った
道安・少庵
それぞれ己の運命に
翻弄されながらの人生であったことは
想像されることでしょう

利休居士切腹事件以前から
互いに互いを意識し合い
特に道安は自身が嫡子ということもあり
少庵のことを受け入れようと思いながらも
心の何処かで素直に受け入れることができなかったと思います

対する少庵
「自分は養子である」という引け目

そして、利休居士の血を引く道安
度々、周囲の人達から
居ずまい・点前の姿など
「利休様そっくりだ」と言われ

かたや、元々足を悪くしている少庵
自分は、片足が思うように動かせない
そういう葛藤もあったと思います

それでも、その足の不自由さを感じさせない
己のスタイルを築きあげていく少庵

嫡子である道安は堺に
養子の少庵は京へ

時は流れ、道安・少庵共に身を固め
互いに家族ができ
そうなると、道安・少庵当人同士は
なんてことない出来事でも
そこに家族が関わってくると
またまたややこしくなりますよねぇ〜

周囲からは「道安こそ利休様の後継」
といわれ、道安自身も「自分が後継者」
と自覚し、茶の湯、商いとも邁進する一方
既に、道安の母『妙』は気病を患い
実家である阿波国で寂しく人生を終えている

そして、道安には男子が恵まれず
は女子ということもあり
道安の茶を実質引き継げることができなかった
そういう時代とはいえ
利休居士の嫡子である道安・にとっても
悔しい思いをされたにちがいないでしょう

道安の母が亡くなり
利休居士と少庵の母『りき(宗恩)』
婚姻を結ぶことになる
そして、道安の母違いの妹『ちょう』少庵
婚姻を結び、二人の間に男子宗旦を授かり
少庵ちょうの養子となり
千家の茶は代々引き継がれていく

父利休居士から「少庵を千家に迎える」
と伝えられ、平生を装いつつも
内心煮えたぎる思いをもった道安
酒に溺れ、気の身気のまま
亡き母の故郷阿波国へ放浪の旅に出る

やがて三年の月日が流れ
気心の知れた山上宗ニの計らいにより
ようやく道安は、堺に戻ることに

帰ってきた道安に利休居士が点前しながら
「苦労したようじゃの」

私なんかは
「おいおい、あんたのせいちゃうん⁉️」と
ついつい思ってしまいますが・・😅

点てたお茶を出し🍵
「この茶室もな、使うものが絶えがちで、
炭も湯も途絶えることが多い。
あるじが居ってくれぬと
釜も錆びてしまうでな」

私なんかは
「いやいや、だからぁ、あんたのせいちゃうん⁉️」と
かさねて思ってしまいますが・・😅

道安は私なんかとは当然ちがい
利休居士の言葉によって
胸につっかえてた蟠りが
一気に取れた気分になり
差し出された茶を、ゆっくり味わいました

点前を終えた利休居士は
棗・茶碗や帛紗まで荘り残し
茶室を去っていく

帛紗まで残していったのは
「おまえも点前をしてみぃ」
ということなのか❓
会話らしい会話はないのに
父と子の間には
二人にしかわかりえぬ
情が繋がってたのかもですねぇ

その後、道安は堺の地に残り
茶の湯の道、とと屋の商い
利休居士のお供
茶匠千道安の道を歩まれることになるだろうと
思われたのではありますが
運命というのは残酷なもので・・

動乱の時代
利休居士に切腹の命が下され
利休居士は己を貫き通し
下された命のままに・・

そして道安の運命も再び波乱の道へ・・

『千道安』
先述したとおり
道安についての資料はほんと少ないと思います
(ただ単に私が勉強不足なだけですが😅)
物語ではありますが
物語だからこその面白さがあり
人間であるが故の
嫉妬・葛藤・確執・軋轢・非情
そして深い愛情が描かれ
物語であるということが
千道安の生きた時代
そしてなにより
千道安という人を知れる貴重な一冊だと思います❣️📕👍

今回も最後まで長々とお付き合いいただき
ありがとうございました🙇🏻‍♂️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?